清津川 足尾沢 2015/7/25-26

沢登り

メンバー:Y川、A澤(会員外)

7/25 晴れ
八木沢の清津峡めぐりの駐車場に車をデポする。最初はぶなの大木がある原生林の道で気持ちがいい。鹿飛橋から道が荒れていると聞いていたが、それ程酷い道でもない。清津峡はアクアブルーの水がすごい勢いで白波を立てて流れ下っている。渡渉できそうな水量ではない。2時間半歩いてやっと足尾沢に掛かる橋に着いた。河原に下りて、沢支度をする。足尾沢は一転穏やかな水量である。

出合から歩きだしてすぐに千ノ滝7mが現れる。ここは右から巻いて落ち口の上に出る。嫌な草付きのトラバースをする。ゴルジュ帯を進むと5m前後の手強い滝がいくつか出てくる。ここは空身で登る方がいいかもしれない。
その先、沢が左に曲がり5m程の滝が出てくるところがある。この滝上から雪渓が現れた。トポの記録よりずいぶん手前から現れた。滝を登り、スノーブリッジの中を覗くが、真っ暗で出口の明りが見えない。雪渓の上を行くことも考えたが、今度は川底に降りれない可能性が大きい。崩落の恐怖はあるが、沢床に沿って進んだ方が楽かもしれないと考えた。ただ、登れない滝が出てきたり、先に進めない状況も考えられる。その時は引き返すしかない。覚悟を決め、ヘッドランプを点けてスノーブリッジの下の暗闇の中に進んだ。50mも進めば、先は真っ暗になった。真っ暗の中、崩落の恐怖と戦わなければならない。
上から雪渓の融けた冷たい水が滴り落ちる。ただ、沢の水は生暖かく冷たくない。それでも、冷蔵庫の中にいるのと同じだから進むうちにガタガタ寒くなってきた。濃霧の中にいるようでヘッデンを点けているのに、遠くまでライトが届かない。出口の明りを求めて、夢中で進むしかない。足元が良く分からず、つまずいたりしながら進む。ところが、少し行くと小滝が出てきた。登れるのか不安がよぎる。大きさが分からないし、ルートも分からない。兎に角、取り付いてみることにした。ヘッデンの明りは2mくらい先まで。取り付いてみると、意外と易しい5m程の滝だった。途中に残置ボルトがあった。この先、所々スノーブリッジの脇の空間から光が漏れてくるようになったが、完全にスノーブリッジから抜け出すのに40分程かかった。こんなに長くスノーブリッジの下を歩いたのは初めての経験だった。500mくらいスノーブリッジの下にいたのではないかと思う。崩壊の恐怖と冷気から脱し、外の生暖かい空気に触れたとき、安堵のため息をついた。出口の明りが見えていて、駆け足で通過する程度のスノーブリッジでも怖いのに、これは破格だった。

その先、第2のゴルジュの屈曲点にある12m滝は左壁を登って巻くしかルートが取れない。泥付きの壁で嫌らしいのでザイルを出すことにした。このあとは40m大滝まで沢は平凡だった。
さて、40m大滝とその先のゴルジュ帯(第3ゴルジュ)は大高巻きとなる。この沢の核心ではないかと思う。滝下で少し休んで気合を入れた。2時間半かかるらしい。右岸のスラブの脇に沿って登る。踏み痕らしきものははっきりしない。スラブの上に出てから、潅木を頼りに急斜面をトラバースする。潅木がない斜面も出てきて、恐ろしい。兎に角、気の抜けない高巻きで、初心者不可の高巻きである。トラバースして行くと、このゴルジュ帯の最後の滝が遠望できるので、その落ち口の高さをめざして進む。2時間藪を漕いでやっと、最後の滝の手前のルンゼに辿り着いた。しばし休憩。ここからは尾根に上がって、そのまま尾根沿いに本流に下れば最後の滝の上流に出られる。滝の上流は少し河原がある。4時半になっていることもあり、ここに泊まることにする。砂地を整地してツエルトを張る。

 八木沢P   7:40
足尾沢出合  10:15~10:50
千ノ滝    11:00
スノーブリッジ 11:40~12:30
大滝下    14:00
大滝上    16:30  BP

26日 晴れ
テン場のちょっと上から第4のゴルジュが始まる。早々に右の草付き斜面を這い上がり、潅木帯に入り巻く。巻きながら沢を観察すると、上流にも小滝があるのでそれも巻いてしまう。その上流で懸垂で沢床に降りた。今回の山行で唯一の懸垂だった。沢は狭くロート状になる。ただ、泳いで突破しなくても行ける。この辺りでもスノーブリッジがあった。第5のゴルジュを過ぎ、12m2段の滝を巻くと渓相は河原状になり、イワナを良く見るようになる。
二俣に到着すると釣師に会う。林道から左俣を下降してきたそうだ。これから、右俣を釣り上がるので右俣に入らないでほしいと言われる。かねてから、左俣を上がって林道に出た方が早いだろうと思っていたが、トポには左俣は入らない方がいいと書いてあったので、どうしようかと思っていた。これで確認が取れた。左俣を詰めること1時間程で林道に出た。釣り師のオフロードバイクが駐車してあった。やっと、足尾沢が終わりA澤さんと握手をする。
大休止のあと、車の置いてある八木沢へ向かうべく腰を上げた。15km以上はありそうな林道だ。下界は茹だるような暑さだった。

 大滝上 テン場 6:50
林道      10:30~11:00 
八木沢     14:00

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