幽ノ沢 ノコ沢大氷柱 2016/3/13

アルパイン(雪山)

メンバー:Y川L、Y井(JECC)

今年は2月下旬から谷川の土日の天気の巡り合わせがとてもいい。先週は滝沢リッジを登れた。
今週も寒気が入って、氷には良さそうな予報になった。ノコ沢の氷柱の初登攀は学生の頃で、センセーショナルに書かれていたことを思い出す。それからやっと登攀する機会を得た訳で懐メロみたなものだ。

ところで、先週の6日にノコ沢に取り付いたパーティがいたのだけれど、そのパーティーは気温高く雪崩の危険で登攀を中止していた。ノコ沢の登攀は結構話題が多く、数年前に氷柱を抜けてから雪崩にあって、100mの氷柱をダイブして九死に一生を得たパーティーがあった。有名な武勇伝になっている。氷柱の高さを見たら、生還したことが信じられないような話だ。

13日の天神平の天気予報は曇り時々晴れとなっており、雪が降るとは予想していなかった。ところが、前日の夜から小雪が舞う空模様で新雪が積もらなければいいなと思った。

ノコ沢氷柱全景 (2)

13日 小雪&ガス

朝1時に起きて、2時にロープウェイを出る。小雪が舞うも、積もる程ではない。マチガ沢の出合で雪上訓練に来た会のテント集落に出会う。明かりの付いたテントがあったので、声をかける。林道は一週間前よりさらに融雪が進んで、歩きやすい。幽の沢の出合に1時間半で着く。ワカンをデポ。3時半。まだ真っ暗。

ノコ沢の出合を行き過ぎてしまい、間違いに気づいてノコ沢に進路を取る。沢沿いは一部滝が出ていてので、回り込んで上に出る。沢筋を進むも、真っ暗でどのあたりにいるのか分からないので、石楠花尾根寄りの斜面を登る。少し明るくなっても、ガスがかかりまったく先が見えない。
6時半氷柱の真下とおぼしきところまで来るも、ガスで見えず、ほんとうにこの上に氷柱があるのか核心が持てない。間違ったところを詰めた可能性もある。トポの写真で見るような氷瀑なら、大きな氷瀑がかかっているはずなのに、それがない。雪で埋まった細い氷瀑しか見えない。見る限りではノコ沢の氷瀑の取り付きとは思えなかった。

近くの高台に上がってみる。GPSで現在地を確認しても、間違った場所にいるようではなかった。問題は氷瀑があるとおぼしき上部がガスで見えないことだった。一時は完全に敗退モードに入って、諦めてしまった。
高台で1時間ほど愚痴っていると、薄っすらと上部の方に氷瀑らしきものがあるように見えた。あれは、もしかしたら氷瀑じゃないかとなり、敗退モードから登攀モードに入れかわった。1時間ほど時間をつぶしたが、まだ7時半だった。すぐに、取り付きに戻って、登攀の準備をした。

ノコ沢氷柱

1p目(Y井)アイスのリードは2回目らしいけど、安心して見ていられる。ムーブもビレ支点の構築もしっかりしている。途中、氷が薄くて穴が開いてしまうところがあった。60m伸ばしてくれた。

2p目(Y川)上の方に行くと少し傾斜が出てくるが、難しくない。Ⅳ+~Ⅴ-くらいか?30mも登ると、氷瀑は終わってしまった。美味しいところ終了。

落ち口から雪のルンゼを20mほど登ると親指程の灌木に到達できる。ビレを取って、フォローを向かい入れる。氷瀑の登攀時間は2時間だった。

ここから、石楠花尾根に沢筋が吸収されるまで浅いルンゼが伸びる。ここに陽があたると雪崩が起きる訳だ。ここでは新雪が20㎝ほど積もっていたが、ガスって気温が低い所為で雪崩はなさそうだ。
2ピッチで石楠花尾根にあがり、それから1ピッチで堅炭尾根に抜けた。
11時半。朝早くから行動していた所為で、力がでない。このまま倒れこんでしまったら、いい歳こいてやるからだと言われかねない。休んでお腹に食べ物を入れ、お茶を飲んだら元気が出てきた。

2週間前に幽ノ沢の左方ルンゼに来ているので、下降ルートのβルンゼはすぐに分かった。12時に下降を始めた。
途中スキーストックを回収しながら、幽ノ沢の出合に戻ったのが13時半だった。

 ロープウェイ     2:00
幽ノ沢出合      3:30
ノコ沢氷柱取り付き  6:30
登攀開始       7:30
堅炭尾根       11:30
βルンゼ        12:00
幽の沢出合      13:30
ロープウェイ     15:10

堅炭沢βルンゼ

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