奥只見 大白沢 アサユウ沢~平ヶ岳 2009/8/12-16

沢登り

O川L、M原、I、K池

■12日(晴れ) 記:K池
砂子平8:50~池の沢手前10:45-11:00~荒山沢出合12:35-13:00~アサユウ沢出合16:15~キノクラ沢出合手前
16:55

自転車を平ヶ岳登山口にデポし、砂子平の別荘脇から8:50スタート。備え付けの手動ロープウェイ?を利用し
只見川本流を渡り、大白沢に入渓。天気良し。

ナメ、小滝、ゴルジュなど何れも快適。所々滑りやすい箇所にトラロープあり。12:50荒山沢出会い、クロウ沢
に進む。途中M原さんが釣竿とともに残り、他3名は先行し幕営地を探す。

17:00頃キノクラ沢出合の少し手前の川原にタープ設営。平らで薪が豊富、焚き火を囲み快適な幕営となった。
食当はM原さん、本格マーボ茄子美味し。

■13日(晴れのち曇り夕方雨) 記:I
BP7:20~大滝上ゴルジュ抜け10:20~高巻12:05~アサユウ沢戻15:40~二俣16:30(BP)

2日目は・・・アサユウ沢の大滝20mは登れないので、朝イチから高巻き。キノクラ沢側から草付きを2ピッチ
で尾根上にでる。前の記録では、雪渓があったそうだが・・・今回は跡形も無く。確認後は懸垂で沢へ戻り、再
び遡行開始。その後に続く滝は登れるが、またゴルジュは高巻く結果に(しかも、これがまた長かった・・・)。

連続した大高巻きの結果、2日目にして予定の距離をこなせず、また天気も下り坂になってしまったので、アサ
ユウ沢二俣手前でタープを張るべくイタドリを排除して整地(笑)。天気の回復を祈りつつ、焚き火の無い、ちょ
っと悲しい夜を過ごした。

巻きの経験が余り無いため、とにかく高巻きと懸垂の印象が強く、越えた滝よりも藪の記憶の方が良く残った一
日だった。尾根から見下ろせたアサユウ沢のゴルジュが綺麗だったことが、救いかな?

■14日(朝雨後曇りのち晴れ) 記:M原
BP9:00~奥二俣10:20~大白沢池12:30-14:05~支流手前16:30(BP)

昨夜よりの雨が残り、出発を遅らせ様子を見、9時前にテンバを出発。出発まもな10mの滝、ロープを出し、右
側より登りその後小滝が続く中、大きな岩を持つ滝に出会う。左側から問題なく登り、奥二俣を左に取り15mの
滝を右側より高巻き懸垂で沢に戻る。すぐに10mの滝に出会うがつるつるの倒木があるが非常に滑る。それを頼
りにロープを張り越えるが3連続の滝を登ると、やがて傾斜がゆるくなり、沢の水も冷たくなくなる。大白沢池
へ繋がっている。

やっと大池に到着。膝から腰位の深さの池の端を歩き、草原(湿原)へ出るが今晩のテンバが無く、池の周りを
一周するが同じ。予定よりも遅れていることもあり文殊沢下降~水長沢~平が岳ルートを変更し、一旦下降し、
枝沢から白沢山~平が岳へ登ることにする。

大白沢池の景色は絵になる。そこでキツネを発見、すぐに湿原の中へ。
大休憩の後、登って来たところを下降開始。ロープ懸垂を繰り返しテンバ到着(16:30)雨の心配も薄く、沢べ
りをテンバとし、夜は天体ショーを満喫する。星座名は分からないが、星一杯の空、空一杯の星、天の川も見え、
最後まで空を見ていたM原に大きな流れ星一つプレゼント。

■15日(晴れ夕方曇り)
BP9:05~支流出合9:25~二俣14:00~稜線15:25~白沢山15:45~第一湿原脇17:30(BP)

昨夜は、天の川がみえた。焚き火を囲んでの歓談のとき、しばしヘッデンを消して、みんなで彼方のあかりを堪
能する。今朝も乾いた空気、青葉からこころへ、すがすがしさの通りみちができる。陽があたり、蝉が鳴き始め
た。出発しなければならない。

テンバからアサユウ沢右俣を更に下降。少しで、二俣手前の白沢山に向かう支流(アサユウ沢右俣第一左岸沢:
仮称)に入る。

入口は藪っぽい。ところが滝が次々と現れる。

朝食のとき、稜線まで2~3時間もあれば、とたかをくくって宣言したが、とんでもない(楽しくもある)試練に
遭遇。どれもが5~6m程の傾斜のきつい滝だ。ホールドが細かくヌメっているので、ロープの出番が多かった。
10個も数えただろうか。そのあとは数えるのがバカバカしくなって止めた。今日中に稜線に出られればよいとゆ
ったり構えることにした。にもかかわらず、同時に「ロープでも何でも掴んで、サーッと登って!スピード、ス
ピードが大事なんだから!」滝の上から、イガさんを叱ってしまう。ジキル博士とハイド氏がいた。

ようやく滝が無くなって、源頭の様相に変わり、30分ほどの藪こぎで、稜線の草原にでた。夕闇が迫っていたが、
解放されて、メンバーは笑み歓声があがった。白沢山に立って、今日の到達予定だった平ヶ岳が大きく現れた。
地図上の一つ目の湿原の外れで、松の灌木を利用してタープを張ることができた。
4晩目にして、沢音から解放され、静かな夜をすごす。

■16日(朝くもりのち晴れ)記:O川廣H次
BP6:05~木道8:30~平ヶ岳8:40-9:00~下大倉山12:05~登山口14:10

雲間から朝日が望まれた。稜線は景色がひろくていいなあ~湿原はなおさら気持ちいい。沢から上がるといつも
そう思う。修行を終えた修験者の気分だなあ~って云うと、もう終わっちゃたんですか。とイケさんがいう。

そう、終っちゃいなかった。湿原を終えると、深い藪が待っていた。遠くから見えた踏み跡のラインを求めて、
東側の腹に回り込む。確かにけもの道よりははっきり人の踏み跡だ、しかし斜面なりの傾斜がついていて草やサ
サでよく滑る。とても快適とは程遠い。それでも稜線上よりまし、そのまま腹を行くが、また、直ぐに背丈の藪
になる。

平ケ岳はすぐそこに見えるけど、なかなか進まない。草原、低いささ、深い藪。これを幾度か繰り返し、最後の
ひろーい草原になった。振り返れば、谷川方面、尾瀬の山々、前は奥利根の山が見渡せる。ギリギリだけど、よ
くここまで来ました。木道に上がって、無事の握手をかわす。

登山道から奥まった所にあって、白木の卒塔婆のような平ヶ岳と書いた杭を囲んで記念撮影。あとは、午後の焼
けつく陽を首に感じつつ、木陰の少ない長~い尾根をたくさん休みながら、どうにか下り終えた。伸ちゃんも結
構ヨレヨレでした。みんなお疲れさま~。

《のぼり終えて》
下山路の休憩で思い返していました。大滝の繊細な姿、高巻から見た光るゴルジュ、あの夜の星達や奏でる沢音、
幽玄な池も、み~んなとても昨日のことには思えない。もう一週間もひと月も以前のことのように思えました。
脱出の二日間がきつかっただけにそんなふうに思えたのでしょう。また、小さな人間として、不生還のリスクを
あるレベルで享受しながら、こっそりと、岩魚の住む深山の世界をのぞいてきたという感じもあります。まあ、
仲間が居てこその余裕の心境ですね。ア~おもしろかった。

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