谷川連峰 センノ沢〜イラクボ沢 2011/7/26

沢登り

■メンバー
L M中K哉、M田M香

■タイム
6:05 川古P出発 – 6:55 千曲平より入溪 – 8:15 マチホド沢センノ沢出合
14:00 稜線 -17:10 登山道- 18:25 川古P

私にとって未知の領域の谷川の沢。丹沢や奥多摩とはわけが違う山深い谷。
前日は忙しく働き、寝不足のまま朝を迎えた貴重な休日。次の日も仕事が待っている。
だから、今日という休日を大切に満喫しようじゃあないの!

今回は久々の長時間行動が予想されるわけで、川古温泉からの林道歩きも足早になった。
千曲平に到着し、装備を付けて入溪。しばらくはゴーロ歩きとなる。
沢床は赤茶色で水量は少なめ。
これで本当に大滝があるのかと心配になったが、すぐに 10m 滝がお出迎え。
それを過ぎると大ヒラナメのセンが現れる。

200m 続く大ナメを過ぎると右岸に小センノ沢と出合いの8m 滝に着く。
ここは水流右をシャワークライミングで登る。
濡れたくないとM中さんは、右の草付きを高度なトラバースで登っていました。
そこからしばらくゴーロを歩くと、目前に荘厳な姿をしたマチホド本谷の3段 100m 滝が現れます。

大滝の姿に生唾ゴックン。今回はセンノ沢でよかったと肩をなで下ろす。。。
さぁ、いよいよセンノ沢の連瀑帯突入だぁ!
始めの2段 10m は右側の岩と草付きから快適に登る。
次の 20m 滝からロープを出しM中さんリード。
右の凹角ハングから左に回り込む形で右上し、ブッシュ帯へ抜けた。ハーケン2枚使用。

次に 30m 滝をM田がリード。5m 上がった左壁のバンドからスタート。
左から右上に水流をこえて落ち口に右上する。
ナッツ、ハーケン各1、カム3個使用。Ⅲ級+でスタンス良いが、苔でヌルヌル。
このときばかりはレンジャー(ウールの沢靴)が恋しかった。

緊張から解き放たれたと思ったら、ほどなく 20m チムニー滝が現れた。
ヌルヌルチムニーはとても突っ張り登りする気にならず、右壁の草付き帯から巻いた。
ここでもロープを出した。滝側の岩沿いに灌木伝いに進むと面白く巻ける。
チムニー滝のすぐ上の5mCS 滝はボルダームーブで面白い。
M中さんにお助けビレイで登らせてもらいました。
ザイルを出すのはここまで。ほっと一息。
トイ状の小滝、ナメを過ぎると右岸から枝沢。
その先から快適に登れる 40m、20m、20m ナメの連瀑が始まる。

この頃から雲行きが怪しくなり、やがて雷雨になった。
雨は激しくなり、一気に水かさが増し水流の勢いが強くなった。
ここでM田が雷に怯えたため小休止。
20 分程で雷は遠ざかり、空が明るくなる。
沢は源頭の様相。引き続き沢を詰めることになりました。
増水した 17m 滝を雨に打たれながらバシャバシャとシャワークライミングで登る。
時折日がさし、水しぶきが輝く。

やがて沢の水は勢いを弱め、薮の中へと姿を消した。
笹薮を進むと今度は「ブ0ン」と羽音をたてながら黄色い生き物が寄ってきました。
無我夢中でなぜかハチに懺悔の文句を口走りながら薮を駆け登る。
なのにハチは3匹に増え、稜線に着いても執拗に追ってきました。M中さんに泣きつく。
もう駄目だと観念したら…。なんと、ハチと思っていたのは大きなアブでした(^^;)やれやれ。
稜線は薮尾根で、見晴らしはいまいち。
アブに追われたためか、予定のコルより右上に出る。
下降路のイラクボ沢はここから見ると、現在地より右手頂稜から見下ろして左奥に沢形が形成されている。

薮尾根からイラクボ沢目指し下降開始。
笹薮から沢床らしき石道となり、やがて水が流れ始め、枝沢と合流するたびに沢の成長が見られた。
両岸には一の倉ばりの見事な岩峰がそびえ立つ。
立派な沢になったイラクボ沢、5~10m の滝が続くようになった。

10mCS 滝の空中懸垂を提案したら却下。
すぐ両脇に安全に降りられるルンゼがありました。ルーファイって難しい!
結局2度の懸垂下降で沢下降に3時間を要した。
赤谷川出合に着くと、再び雷雨となる。
みるみるうちに赤谷川が濁流となり、自然の驚異を思い知った。

今回久々の 12 時間行動。
メガシャキの効果なく、帰りの車中は高坂まで爆睡してしまい…雷やアブや蛭に大騒ぎで…。
M中さん、大変お世話になりました!

■ 感想
当日の17時-19時の川古温泉の累加降雨量は36mm。
雨が3時間早かったらビバークせざるを得なかっただろう。
雷雨の可能性が分かっていながらも今がチャンスとM田さんを誘ってしまった。
ガイド本やルートグレードに依存しない自分自身の登山を求めてるつもりだが、今回に関してはM田さんの合宿訓練という誘引もあって成果を焦り、雷雨の対策無き登山をしてしまったことは反省したい。

しかし、やっぱり曾孫沢とはいえ赤谷川を遡行できたのは素直にうれしい。
室内の5.10と聖地小川山の5.10が山岳会員にとって語る意味が違ってくるのと同じで、遡行グレードは2級のセンノ沢ですが、かの川もまたドウドウセン、エビス大黒、渋沢、熊穴沢を従える超一流渓の赤谷川のDNAを持っていると信じたい。
ルートグレードは関係ない、やったぜM田さん!
自分たちの力であの赤谷川登攀系の末席に立ったのだ。
第一の門は開かれたのじゃぁーっ!

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