広谷川 御神楽沢~デトスポンジ沢 2012/9/15-17

沢登り

メンバー:I、K池、H部

<1日目>(記:I)
9/15(土)夕立にやられる
昼間は会津若松を観光
16:00 駐車場出発
17:30 湯沢出合の少し先 幕営

前夜に津川まで来て早朝に入渓するはずが、東北道の工事渋滞に阻まれ痛恨の安積PA泊。
沢の行程を考え、日・月の実質的な遡行に計画を切り替え、会津若松観光と洒落こんだ。
鶴ケ城、料理旅館で郷土料理、末広酒蔵を巡るムーヴで津川入りしたのは午後2時。
入渓ポイントとなる広谷に車を走らせていると、晴れているのにポツポツと雨が・・・
駐車場に着くとかなりの本降りとなり、車内で雨宿りするもそろそろ行かないと暗くなってしまう。

止んだ間合いを見て車を後にするが、間もなく第二波に襲われ、慌ててカッパを着る。
結局ずぶ濡れになって湯沢出合のチョイ先に着いたのが17時半。
かなーり苦労して焚き火にありつきましたが、乾き切らないうちに就寝。
でも夜は降られなかったので良かったぁ。

<2日目>(記:K池)
9/16(日)晴れ
7:10 出発
8:20 御神楽沢出合
8:30 最初の30m滝
11:15 2個目の30m滝
13:55 連瀑
15:25 スポンジ沢出合手前 幕営

5:00起床、7:10出発。沢床が白く滑らかな曲面で構成されており美しい。
8:25、10mトロは水量少なく腰くらいで通過。最初の30m滝は左岸を巻く。念のためロープを出した。懸垂なしで落ち口に。
トポで4mA1となっている滝には今にも切れそうな残置スリングがあり、K池は同じハーケンに自前スリングをかけて登ったが、H部くんは左側からスリング無しで登れた。
その後8mシャワー滝でIさんが水流沿いに登る途中でスリップし左手中指をぶつける。
結構痛む様子。テーピングししばし休憩したところ、行動継続できるとのことなので遡行を続けることに。
Dルンゼ、Cルンゼが落ちるあたりに雪渓の残骸あり。既に細かく崩れているため通過に支障なし。


11:15、2つ目の30m滝到着。最初水流左にルートをとろうと中段まで上がったが、石が脆くしっかりした支点がとれそうもないため断念。
滝の右側を上がり、岩にぶつかったところから1ピッチロープを出し滝上へ(K池リード)。3m滝、7m滝をスキップするためそのまま1ピッチトラバース(H部リード)し懸垂。

13:55、連瀑始めの6m&4m滝。難しそう。突っ込むか巻くか?協議する。H部君が6m滝の途中まで偵察に行ったが、時間もあまり無いのであきらめる。
少し下流に戻り左岸から高巻き開始。連瀑を全部スキップすべく、かすかなバンドを繋いでトラバース。途中1ピッチ念のためロープを出す(Iリード)。

15:10、懸垂無しで沢に戻った。少し進んだら本谷ルンゼを中心とするスラブ群がどどーんと現れた。
スポンジ沢出合の少し手前で本日の行動終了。御神楽のスラブに半円形に囲まれた素晴らしい幕営地。
Iさんはここで朝焼けを見るのを楽しみにしていたという。前日と違い夕立がなかったため、盛大に焚き火をした。

<3日目>(記:H部)
9/17(月)晴れ
7:00 出発
7:10 デトスポンジ沢登攀開始
9:00 栄太郎新道
9:40 湯沢の頭
11:40 湯沢出合
13:00 下山

朝起きると目の前にどどーんと広がる奥壁スラブ。すげ~。
朝食をとって支度をしながら作戦会議。第一希望は本谷スラブだが、Iさんの指はまだ調子が戻らない。
大事をとって一番易しいと思われるスポンジ沢へ。


デトスポンジ沢は初めはゴーロ、すぐにスラブとなって快適に高度を稼いでいく。
アクアステルスはバチ効き、概ね2級~3級程度なのでフリーで登ったが、ロープを出して登るなら潅木がプロテクションになるだろうか。
リスは少なく、通常サイズのカムが使えるクラックもあまり無いです。それにしても軽石のように小さな穴が開いた岩が多い。マイクロカムなら使えるかも。これがスポンジ沢の所以なのだろうか。


途中のテラス状で休憩したりしながらひたすらにスラブの登攀を続けていくと、2時間ほどで稜線に到着。藪漕ぎ0秒。
尾根の向かい側には大蕎麦谷沢右俣・左俣の出合がものすごい切れ込みを見せている。
次は大蕎麦谷沢に行きたいね、などど話しながら下山を開始。


下山路でも山伏尾根や湯沢スラブが圧倒的な迫力を見せておりなかなか飽きさせない。
さて、栄太郎新道は険路とは聞いていたが、特に中間部は一般縦走路ぎりぎりのハイグレードハイキング。
猛烈な暑さと相まってなかなか疲れた・・・。
熱中症寸前で湯沢出合に到着。登山路を横切る沢で水を浴びながら駐車場まで戻りました。

<I感想>
御神楽沢という神々しい名の由来を調べると、やはり信仰登山の中心であったようで、僧が山頂で神楽を奏したという伝えがある。
個人的には大事な供物となる岩魚がいないのはとても残念なことだが、豪雪と歳月が彫刻した峰々は険しさと美しさを併せ持ち、どうやったらこんなデザインができるのか、というほどのヒダ模様も神様の仕業と思えば納得もいく感じ。
扇状に巨大なスラブが立ちはだかるその要で一夜を過ごした後に迎える朝はやっぱり素晴らしい。
今回は怪我をしてしまい、メンバーに迷惑をかけてしまいましたが、皆のおかげで楽しい山行になりました。

<K池感想>
私の仕事の都合により、直前にガンガラシバナから第2候補の御神楽沢に変更。でも前から行きたかった場所なので、モチベーションは下がらない。
プレトレの成果もあって(また初日に一緒に観光を楽しむというおオマケもあって?)、良いチームワークで行けたと思う。
核心のスラブはノーロープで済んでしまったが、パーティの性格によって全然違う山行になるのも沢ならではじゃないだろうか。私は楽しかったです。

<H部感想>
1年前から暖めていたガンガラシバナからの転進や色々なアクシデントもありましたが、去年の反省を生かして大事な場面で協議しながら進めたのが大きな収穫でした。
また訪れることがあれば、今度はゴルジュの突破と本谷スラブを登りたいですね。
これから目標とするルートも見つかり、素晴らしい沢でした。

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