Canada Canmore〜Banff Ice Climbing 2013/12/22-2014/1/5

アイスクライミング

■2013.12.22-2014.01.05
メンバー:S藤、S原、(以下会員外)M上、M田、I原

(S藤記)
Canadaはアメリカの北海道といったロケーションで、Calgaryはかつて冬季オリンピックも開催された石油で潤う大都会です。Calgaryから今回滞在したCanmoreへは車で約2時間、Canmoreからリゾート地として有名なBanffまでは車で約40分です。

今回は運良く期間を通してあまり寒くならなかったのですが、到着した日は車から降りて10分も外を歩くことができないくらいの強烈な寒さで、帰国日もCalgaryは氷点下20度を下回っていました。(例年は体が痛いくらいの寒さなのだそうです。)

宿泊したHOSTEL(自炊の宿)には、世界中の人たちが様々な目的で滞在していましたが、日本人は私たち3人とYCCのお2人、他二組4人の計9人で、いずれもアイスが目的でした。一組は中盤でJasper方面に移動してPolar Circusをやっつけたようです。私も来年やろーかな。

われわれは、YCCのお二人と組み合わせを変えたりして、Junk Yard、Haffner Creek、Moonlight、Grott Falls、His&Hers、Louise Falls、Guness Gully、Carlsberg Column、Spray River Fallsなどにトライしました。ミックスを含むゲレンデちっくなところから、プチアルパイン風までよりどりみどりで、完登したものや悪い氷や深いラッセルに阻まれ中退したのものもありました。(YCCのお二人が行ったProfessor Fallsは水が滴ってダメ、Bourgeau Rightは雪崩れリスクがあってダメだったようです。)

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レスト日はBanffやCanmoreの街を散策したり、山道具屋さんに行ったりして過ごしました。山道具はブランドによっては日本の2割安で、特にボクシングデー(クリスマスプレゼントの箱を開ける日)は、さらにその2割引きとのことで、次回からはアイス道具は日本で調達せずに現地調達にしようかと思っています。

レンタカーのタイヤはいわゆるスノー&マッドというやつで日本のスタッドレスほど効きません。しかもFFですから少しでも 軟らかい雪に嵌まると直ぐにスタックします。一方、現地の人はデカイ四駆で氷結した高速道路をぶっ飛ばします。(北海道と同じです。)そして高速道路にはガードレールがありません。理由は単純でスリップしたり事故した車は右サイドのU字溝に放り出してしまうのだそうです。ですから事故があっても道路封鎖や渋滞はないのだそうです。また恐ろしいのは高速道路の路肩エリアを人や自転車や乳母車が通ってもよいということです。何度か自転車の人を見かけました。また、市街地では、私は左ハンドル&右通行には最後まで慣れることができませんでした。

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来年は、今年登り切れなかったGuness Stout、Spray River Fallsと新たにCarlsberg Column、Professor Falls、Bourgeau Leftあたりを狙いたいと思います。また、ビバーク覚悟でPolar CircusやWeeping Wall Right Handも狙いたいと思います。あんまり欲張れませんが・・。

今年は、エリアの概念やスケール、現地での過ごし方や持ち物について随分と理解できました。そんな訳で来年に備えてこの冬はひたすらアイスに精進することにしました。

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(S原記)
12/22 日
成田→カルガリー Alberta州Canmoreの Hostel Bear に投宿

12/23 月
YCCの二人と近郊の JunkYard で肩慣らし

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12/24 火 同じくYCCの二人と Radium街道の Haffner Creek へ
日本で言えば湯川の氷瀑のような沢筋の谷間だが、垂直のアイスルートの他にドライ~ミックスの好ルートが数多くあり、人気がある。
Swank M8- TR 岩壁のドライから懸垂氷柱に乗り移る。面白いが腕がパンプする
Shagadelic M7 S原が初のミックスオンサイトトライ。冷や汗たらたらでトップアウト

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12/25 水
Banff近郊の Cascade Waerfall WI3 主要部150m へ
傾斜はそれほでもないが、カナディアンロッキーの山並みを背に登るスケールと高度感が最高。

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12/27 金
YCCの二人とまた Haffner Creek へ。S原は Shagadelic M7 の核心を越えながら、まさかのスリップフォール。また行かなくちゃ。Mixから懸垂氷柱に移る Mojo M8 では、YCC I原さんの華麗なフィギュア4が間近で見られた。

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12/28 土
Evan Thomas の Moonlight WI4-5 110m へ。

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1P目 WI4 40m S藤L 左上洞穴のボルト支点を目指す
2P目 WI4-5 55m S原 洞穴から上が約15mのバーティカルで、出だしの氷が薄い。本来の2-3P目をつないで登り応えがある。なお当地のWIグレードは、国内等級よりは1級は辛め(I原さん談)

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12/29 日
Canmore 近郊 Grott Canyon の氷瀑群へ。
観光地にもなっている「氷の回廊」を通って氷瀑群へ。
His 12m ほぼ垂直、一部ハングになり、左右にミックスルートも
Hers 12m 少し短い他はほぼ同じ
Grott Falls WI3 55m アルパインアイス入門ルート、M上さんが2P通してリード

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12/30 月
レスト日
S原はI原さんとホステルから徒歩5分の Elevation Place へ。今年4月にオープンしたばかりの総合スポーツ施設で、屋内プールなどの他に本格的なクライミングジムがある。

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12/31 火
Lake Luise湖畔の Luise Falls WI4-5 115m
氷結は良好、3P目の大氷柱2本のうち右手は崩落。見下ろすと凍結した湖上には観光客のギャラリーが多数。ちょっとしたリゾート気分のクライミングとなった。

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1/1 水
Field の Guiness Gully WI4 160m
ビール名シリーズの Carlsberg を目指すも駐車場到着が遅れて隣に転進。下段と上段に分かれ、つなげると今回最長の氷瀑。3P目 50m は氷質が悪く、ラインを選びながらの登攀にはちょっと緊張した。

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1/2 木
Field の Carlsberg Column WI5 150m
S藤LとM上さんはレスト。S原は YCC のI原さんと昨日逃した Carlsberg へ。WI5 は今回の最高難度。1P目から氷質が悪く、核心の3P目 WI5 30m は硬くて脆い氷柱の集合体、あるいは濡れた軟質の氷で、スクリューの打ちようがない。さすがのI原さんは辛うじてクリアするが、S原は 4P目のさらに悪そうな氷を見てギブアップ、敗退しました。

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1/3 金
Spray River Falls 100m / Grott Canyon
今回のカナダで初めて本格的な降雪。S藤LとM上さんは Banff 近郊の Spray River Falls に向かうが、胸ラッセルのアプローチに時間を使い、核心の 3P目を前に時間切れ敗退。S原は YCC の二人と Haffner Creek に向かうも、駐車場の積雪に阻まれて転進、再び Grott Canyon へ。
ここで何とカナダ・アイスクライミングの新刊トポ本 “Ice Lines” の著者、ガイドの Brent Peters 本人に遭遇。この壁でミックスルートの開拓・整備をしている彼に話を聞いたり、トップロープを借してもらったり。I原さんはアイスW杯の顔見知り、Candraと再会。S原は彼女のロシア製ツールを借りて、スピードクライミングに挑戦。カナダ・アイスツアーの最終日はプチ国際親善を兼ねて、思いもかけず楽しい時を過ごすことができた。

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<まとめ>
今回は12日間の日程で、カナダならではのロングルート 5本を登り、さらに Haffner、Grott のゲレンデで各2日ずつ、ミックスを含む多様なクライミングを楽しむことができた。
Grott では現地ミックスクライミングの先端に立つガイドと親交を深めるなど、国内では得がたい体験ができた。今回のツアーを企画したS藤L、同行して種々指導頂いた YCC のM田さんとI原さん、サポート頂いた皆さんに感謝したい。

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