北穂高岳 滝谷 2014/9/20-23

アルパイン(夏)

メンバー:H、N野

9/19(金)
さわやか信州号がとれなかったため20:00新宿発のバスで24:30松本駅着(料金2,000円)。
コンビニで行動食等を買って松本駅でステビバ。我々の他に3名。

9/20(土)快晴
4:45松本駅発の松本電鉄。新島々駅でバスに乗り換えて6:30上高地着。
横尾、涸沢経由で北穂に入る。涸沢は紅葉の始まり。
昼下がりには北穂高岳山荘着で、そのまま小屋前のテラスで初日の宴会。
槍が岳あり、黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶や、表銀座、常念山脈の絶景に酒も進んで、夕暮れ時にはすっかり酩酊。
小屋の旨い食事をたらふく食べて就寝。

9/21(日)快晴 クラック尾根
4:30起床し、5:15からの朝食一回戦目に並ぶ。
温かい食事を十分に取って、大キレットを下る。
行きすぎて戻り、滝谷展望台からB沢へ。降口に「B沢入口」のマーキング。
B沢上部は絶悪の急峻なガレ沢で、落石は不可避なので十分に間をあけて一人ずつ下る。
チョック様の大岩がある滝は懸垂15mでクリア。
滝を超えると少し傾斜は緩み、さらに下っていくと旧クラック尾根の取りつきの手前左岸にフィックスが上部へ伸びている。

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クラック尾根は、取りつきのバンドが崩壊し、今はこの高巻を使う。
フィックスは全体重を掛ける訳にはいかないが、ホールドもスタンスも豊富なのでフリーで上がり、懸垂支点へ。
ここから取りつきめがけて20m懸垂。真下のテラスに下りるとやや悪いバンドの通過を強いられるので、やや右寄りに振りながら下降するとクラック尾根の(もともとの)2ピッチ目の草付バンドに降り立つ。降り立ってからは草付バンドをそのままフリーで右上し、もともとの3ピッチ目へ。ここでザイルを結び、本来の3ピッチ目を1ピッチ目としてスタート。

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1P:どこでも登れるフェースからカンテを右に回り込んで凹角を直上。40m弱でしっかりした支点
2P:出だしだけⅤのフェースを一段上がりリッジへ、リッジを進んでピナクル手前で右のフェースに回り込みコール。
3P:ピナクル目指してフェースを上がりピナクルを右から回り込んで旧メガネのコル手前降口へ。
4P:岩屑が溜まった悪い旧メガネのコルを越えてフェースへ。一段上がってバンドを右に回り込み、ジャンケンクラックの真下でコール
5P:ジャンケンクラックは左側のコーナークラックを登る。登りきり、リッジ、岩塊を縫って攀り、45mいっぱい伸ばす。

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6P:プロテクションもなく悪いフェースを上がりさらにリッジを登りきって岩屑のバンドへ。
7P:トポでも明確な巨大チョックが立ちはだかるルンゼを行く。チョックは左右どちらからも越えられるし、手前から右側のリッジに這い上がってもいけるが、チョック左側のラインが一番自然に見えた。チョックを越えると幅の広い岩屑の右上ランぺをほぼ二足歩行で進み50m伸ばす。
8P:どこでも登れそうな頭上のフェースの弱点を縫いながら上がる。縫っているのでザイルの伸びが悪く、30m弱で切る。
9P:引き続きどこでも登れそうなフェースを、今回は左から回り込んでから直上すると北穂小屋の横に出て終了。13:30。

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午後は一本登った充実感に浸り、昨日と同じ小屋の絶景のテラスで祝杯。
北穂小屋のご主人小山さんの計らいで個室をあてがわれ、さらに夕食も他の客と違うメニューという特待を受ける。
満天の星を眺めてからぐっすり就寝。

9/22(月)快晴 ドーム中央稜/北壁右ルート(1P目途中)
今日はショートルートなので遅めの朝食。なんと朝食まで我々は特別メニューだった。
北穂の頂上から涸沢岳方面に進み、ドームを回り込んだところで第3尾根へ入り込む。
途中でウロウロキョドっている先行パーティーに追いつくと「どこから降りるんですかね?」とのこと。
まだ少し下ですよ、と教えてあげるが、先に下ってくださいということで先頭交代。
確かに3尾根テラスへの懸垂ポイントは初めてだと分かりにくいかも。20m強懸垂してテラスへ降り、そそくさとバンドを左上して中央稜取り付へ。

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1P:顕著な凹角上をぐんぐん上がってチムニーへ。チムニー内は入り込みすぎないようにして、バックアンドフットを信用して攀じり上がると比較的登りやすい。チョックを乗り越えると支点があるが、今回はさらにフェースにロープを伸ばす。核心の手前まで。
2P:カンテの右のピトン連打から取りつき、途中からカンテを越えてフェース。リングボルト2個の後は何もないスラブを上がると中間バンドへ。二足歩行でザイルいっぱいまで伸ばす。
3P:目の前のフェースを右から回り込み、凹状を残置に導かれながら上がる。フェースを左へ横切ってバンドに這い上がると支点が現れる。
4P:足元が切れたチムニー内の露岩に乗り、クラック内に入り込んでチョックストンを越えるとテラスへ出れる。少し進むとピトン3連打の支点。
5P:顕著なコーナー様のフェースを登り、頭を岩に抑えられたえところで右上するとドーム頂上へ。

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まだ11:00なので北壁をやっつけちゃおうとそのままドーム北壁へ。
がしかし、人工ピッチの1P目に取りつくも、RCCの頭が吹っ飛んでいたり、手でお辞儀するハーケンのオンパレード。
Hの体調もイマイチなので気持も前に出ず、1P目20m弱伸ばしたところで退却判断。
こういうときはミスも起こりやすいもの。
慎重な判断は正しかったと思う。

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この日も午後はテラスで祝杯。
天気も良く、サービスの無料ビールで酩酊する。
夕食はこの日も特別メニュー。翌日は下山のみなので、食後は小屋に置いてある山の本を見ながら消灯まで山話を語り合った。

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8/23(火)快晴 下山
ゆっくりと起きて、この日も特別メニューの朝食を取る。
三連泊でお世話になった小屋のスタッフに深い御礼をしてから6:30下山開始。
体力も元気もたっぷりのN野は涸沢岳~奥穂~前穂経由で上高地へ。
体調イマイチの原は南稜、涸沢、横尾経由上高地へ。
涸沢は入山日よりも紅葉が進んでいて、これぞ涸沢の紅葉!という片鱗に見とれる。
バスターミナルはHが11:15着、N野が12:10着でした。N野の体力とスピードに脱帽。
松本から渋滞知らずの電車で日没前に帰京できました。
(H)

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