メンバー:T濱L、N村、T橋、S木、T内
パーティー割 (T濱・T橋)(N村・S木・T内)

コースタイム:浅間神社鳥居 9:00~ルート取付11:00/12:00~終了点15:10/17:00

T濱にとって東京生活最後の山行は、当初はN村と海金剛スーパーレインを検討していたのですが、N村さんの提案で4月からバンコク勤務となるS木さんに、T橋さん、T内隊長を加えた5名で西伊豆 雲見烏帽子山 直上裏参道に行ってきました。愉快な仲間、良好なロケーション・天候に恵まれ、記憶に深く残るとても楽しい山行になりました。

前夜は湯河原幕岩を楽しみゆっくり7時起床、西伊豆は河津桜も満開が過ぎてもう完全に春。雲見浅間神社の近くの中嶋食堂の駐車場に駐車(一日1000円)して、駐車場にて装備準備後、浅間神社表参道の鳥居をくぐる。自分でも取り付き敗退未遂の常習犯を自覚してはいたが、今回もアプローチで迷ってしまった。
鳥居から石段をのぼり中腹の拝殿から右側に海を望むと、かなり海側にハッキリした踏み跡があったが情報では拝殿より上の石段途中の踏み跡から降りるという情報から、ステップが狭い手すりがある石段を息が上がりながら登る。石段終了点には小さな建屋があり、建屋から10mほど戻った北側(山頂から向かって右)にうっすら踏み跡があり、そこから懸垂下降してみるが、全然インターネットでみた写真と風景と違うので振り出しに戻ることにする。狭い手すりがある石段の上の建屋手前に黄色いテープのある南側への明瞭な踏み跡があった。やれやれ。
踏み跡を進むと左正面に千貫門を望む立派な松の木から懸垂下降50m1回で明瞭なクラックがある取り付きに降り立つ。風も弱く日差しも暖かい。今回のパーティーオーダーは(T橋・T濱)(N村・S木・T内)で(T橋・T濱)P先行で行くことにした。

○T橋・T濱P
1P目(5.8、30m)は若干悪そうだったので、T濱リードで行くつもりで準備してたら、T橋さんから、ぜひ1Pを登りたいという申し出。良いねぇ。そうかそうか、行きたいなら行ってもらいましょう。でもオールNPだから気を付けてねっ。という訳でT橋さん:奇数、T濱:偶数ピッチのつるべで行くことになった。

11時登攀開始、
・1P目、左側の大クラックの右側のフレークから直上のルートを取る。朝一だからか、脅かし過ぎたのが悪かったのか、クライマーの緊張が周囲にも伝わってくる。慎重に岩角やフレークで中間支点を取りながら、要所では支点を固め取りして洞穴ハングのテラスまで上がりピッチを切る。

・2P目(Ⅳ、30m)は洞穴ハングを左にトラバース後、いい感じのハンドクラックを楽しみながら直上し、ロープ半分で左手の灌木で切る。

・3P目(5.8?、30m)はトポに書いてあるとおりのガバガバのフェースをすすむ。良い感じの間隔で灌木があり、プロテクションの構築も容易。

・4P目(Ⅲ(体感5.7)、30m)はルンゼ左側のリッジを進むが、かなりボロボロでホールドが剥がれ、数回落石させてしまった。4P終了点からのリッジを絡めた空と海の眺望がすばらしい。

・5P目(Ⅱ?、50m)は樹林帯を直上。プロテクションは立木でとれるが、藪漕ぎでザックやらにツタがからまりながら、クライミングシューズなのにキックステップで進む。体感、藪漕ぎⅣ級。

・6P目(Ⅲ、60m)はフェース直上し、ワイドクラックを経て山頂へ。ワイドクラックはジャミングもできて面白かった(体感5.7)。トポではクラック手前でピッチをきるようだったが、ロープに余裕があったので7P目も繋げて頂上まで行かせてもらうことにした。頂上でフォローを迎え入れてハイタッチ(15時10分)。頂上は絶景。ポカポカ陽気。風もない。まさに最高!

このルートは、自分でプロテクションを構築しながら、ルーファイしながら弱点を突いていくという、山のぼり本来の(?)楽しみ方が手軽に体験できる掘り出し物の好ルートだと思います。クライミングのレベル自体はさほど必要ないと思いますが、確実なNP構築技術やそれなりの本チャンの経験は必要そうです。また、おそらくご神体を登っていることになるので、参拝させていただいているという態度や、駐車場のマナーなど細心の注意が必要だと思います。でも三つ星でオススメです。

【感想】
名前に惹かれて行ってみましたが、フェース、藪漕ぎ、ルーファイ、最後にピリリと辛いワイドクラックで締めると、神社真裏の岩峰てっぺんに飛び出すという素晴らしいロケーションでした。キラキラ光る海を背にして、空に向かっていくオールNPのアルパイン風の登りは、まさに雲見の裏参道!後続を待つ間、快晴無風の頂上でのお昼寝タイムは至福の時間でした。シアワセー。。。
あまりメジャーにならないように祈りつつ、ひっそり楽しみたい日帰り三ツ星ルート。
海鮮丼と温泉、飲み会つきで爽快な土日になりました。
(T橋)

○N村・S木・T内P
・1P 30m N村
T橋T濱Pの行く正規ルート?から外して、より海側のワイドハンドのクラックのラインが、僕を呼んでいたのでそこを登ってみようと思う。そのクラックに入るまではプロテクションとれないので、落ちたら海ポチャ!難しくはないけどキンチョー。クラック自体は手を突っ込んだ瞬間シオシオで不快指数100。ダマサレタ~。T橋T濱Pのラインを素直に行くんだった。。。

・2P 30m S木
ちょっとのけぞり気味で左にトラバースした後は、ホールドも豊富になり、階段を上がるように右上。
めったにないくらいバチ効きのハンドクラックを5mほど上がり、いい気分で立ち木でビレイ。
クラック以外のところはランナウト気味だったが階段状なので全然怖くない。クラックは5.7をリードできれば、リードできると思う。カムはハンドサイズをいくらでも決められる。アンカーは木のしっかりしたところで早めにピッチを切ったが安定せず。よく見ると上にテラス的なところがあった。

・3P 50m T内
デジマルグレード5.10aは垂壁を行くルートだよね、と思って直上!なにがあっても直上!
ホールドは豊富で、海に体を乗り出すようなムーブもあり、爽快!目の端に、海が広がっているだけで、こんなに気分が違うものか!
とはいえ、クラックもリスもなく、ピナクルというほどのものもなく、たまに木が生えているものの、頼りなく…これという支点を取ることができず、ふと「落ちたらどうなるんだろう」と思って薄ら寒くなる。剥がれかけている岩も多い。
最後は、もう一段上の木でピッチを切ろうかと迷ったものの、ロープも重く、手前の木にロープが擦れそうなので、足場が悪いと思いながらもピッチを切る。アルパイン、考えさせられ、難しくもおもしろい。
でも10aもあったかなぁ。

・4P 50m S木
苦手な土の急斜面をジグザグ登った。(藪漕ぎほどではないが)木はたくさんあったので支点には困らない。足跡らしきものがありそれにつられて右のほうへ登る。次のピッチ情報の「ひらけたスラブ」を探したが無くて、苔っぽい日陰のスラブの前にピッチを切る。あとで、T橋ハマPに聞いたら、もう少し左だった様子。

・5P 40m N村
苔っぽい日陰のスラブを目の前に、S木さんからニッコリとリードを渡される。既にルートとトポが合致してないから、素直に自分で行けそうなラインを選んで登る。目の前のスラブはプロテクションが取れないので、それなりにキンチョーをもって登った。グレード感としては、5.9位か。
登って行ってオフウィズスの手前がテラスになってるのでそこでピッチを切る。

・6P 30m N村
いよいよ、待ってました!オフウィズスのライン。瑞牆グレードなら5.8くらいか?このためにCam#5を持って行ったけど、もったいないから節約してたら終わっちゃった。
サイズはちょうど男性ならフィストからリービテーションくらいがちょうど。レイバックでも気持ちよく登れるが、女性には腕力が必要なのでジャミングでの登りがいいかもしれません。オフウィズスが終わったら、最後は頂上までスラブを登る。上で、T橋T濱Pが待っててくれて感動の一コマを味わえました。ハイタッチで終了!

【感想】
ガバもクラックもありすごく楽しいアルパインでした!眺めも素晴らしかった。みんな面白くてずっと笑ってました。また、アプローチやNPアンカーの取り方や、ロープワーク、ルーファイなどたくさん学びました。簡単なルートでしたが、ぶなに入って練習したことがなければ出来なかったと思いました。今までお世話になった皆様、色々と教えていただきありがとうございました。また来年からもよろしくお願いしますー!
(S木)

アルパインは、アルパインに行かないと学べないことがあるとしみじみ思いました。特に、前日に湯河原幕岩でスポートクライミングをやったのでその違いを顕著に感じました。どうルートを取って登るか、どこでピッチを切るか、ピッチを切るためにどう支点を作るか、ロープの長さはどうか…。
仕事で疲れて思うように登れなかったりもするけど、もっと岩が登れるようになりたいと思った土曜日、やっぱり総合力を高めてアルパインに行きたいと思った日曜日。
そして、土日を通して、入れ替わりロープを繋ぎ合ったメンバー。
烏帽子岩の浅間神社で、神様も私たちを見守ってくれていたのでしょうか。最高の土日になりました。
(T内)

中間支点やピッチを切る支点含めてオールNP(中間支点として2-3個位ピトンはあったような気がします)のザ・アルパイン。トポを信じず(というかわからず)自分の登れると思うルートを登る。登る技術だけではない、ルートファインディング、フェース、スラブ、クラック、NPによる支点構築など様々な要素を愉しめます。
極めつけは、山頂で登り終えて、お参りして帰るというまさに「裏参道直上ルート」といういいネーミング。春のアルパイン練習としては間違いなくオススメできるルートでした。
なによりも最高のロケーションで最高なメンバーで週末を過ごせたのが良かった。愉しかった!
(N村)