北ア 剱岳 チンネ左稜線 2023/8/11-12

アルパイン(夏)

【メンバー】ビッグワン、K坂(記)

【タイムスタンプ】

8/11 02:40馬場島-05:50早月小屋-09:00~09:30剱岳-11:10三ノ窓-11:40三ノ窓発-12:20取付き-16:40チンネの頭-18:00三ノ窓

8/12 05:00 BP-06:50剱岳-09:00早月小屋-12:00馬場島

 速攻&軽量化を意識して1泊2日でチンネ左稜線へ。

 初日は2時に馬場島に到着し、そのまま準備して歩き出し。馬場島への道のりの後半は風邪気味のビッグワンに代わって珍しく自分が運転したので車内でもほぼ睡眠をとれず、とても眠い。夜明け前なのに湿気がひどく、まるで熱帯林の中を歩いているようだ。30分もしないうちにでなんて馬鹿げた計画を立ててしまったんだろうとひどく後悔したが、しばらくすると眠気もなにも感じず白目剥きながら無心で足を動かせる境地に達した。

【暗いとおどろおどろしい】

早月小屋以降はビッグワンが真っ白になりかけていたが、なんとかいいペース?で登り9時頃には山頂へ。9時くらいに山頂行ければなんとかなると踏んでいたので、行きたいかは別にしてこれは今日中にチンネ行けるなと思った。山頂では日大山岳部PTや源次郎尾根から来たという関西蛍雪のパーティーなどビッグワンの知り合いに会い、しばし休憩。

大賑わいの山頂を後に北方稜線を池ノ谷乗越まで。途中でガイド中のHaraさんとすれ違う。北方稜線は気は抜けないが想像よりかは歩きやすく、紅葉の時期など歩きに来てもいいなと思った。

池ノ谷乗越からはガレガレの池ノ谷ガリーを下り三ノ窓へ。池ノ谷ガリーのガレ具合はなかなかだがこれは死ぬなって感じではなかった。午前中に三ノ窓に着いてしまったので行くしかない。しばらくして関西蛍雪のパーティーも取付きへ。午後からでも2パーティー取付くなんてさすが人気ルートだ。登攀中は荷物を一つにまとめてフォローが背負うスタイルにした。じゃんけんで勝ったビッグワンから登り始める。ルート自体は特に難しい箇所も迷う箇所もなくさくさく進む。午後でも大体は晴れていて抜群のロケーションを楽しんだ。

【若干雪渓があった】

【取付き しっかりとしたテラスで分かりやすい】

核心といわれる「鼻」に到着するとロープソロの方が登攀中であった。30~40分休憩。このあたりはガスっていて寒くなってきた頃に登り始め。鼻はリードもフォローも適当にフリーで登り、4ピッチほど登るとチンネの頭にたどり着いた。登攀は待ち時間を抜くと4時間かからないくらい。悪くないペースだったと思う。そこから2P懸垂し、池ノ谷ガリーを下って三ノ窓へ帰還。長い一日だった。

【鼻と先行者】

【チンネの頭へ】

2日目。計画では本峰南壁を登ることにしていたが、当然のようになかったことにした。あとで聞いた話だと本峰南壁A2は7時頃で6PT取付いていたとか。行かなくて正解である。

【池ノ谷ガリーから小窓ノ王】

池ノ谷ガリーのうんざりする登り返しをこなした後、再び山頂へ。前日を上回る大盛況、無限に人が湧いてきてこれまたうんざりするほど。この日の上市町のどの場所よりも剱岳山頂の方が人口密度が高いことは間違いない。

山頂看板の写真撮影は列を作っていたので、「これが本当の裏剱だね」などと熱にうなされたようなギャグを言いながら山頂の祠の裏で写真を撮る。

あとはひたすら早月尾根を下るのみ。昼には下りて、温泉入って、きときと寿司を食べた。夜は松本で打ち上げして無事終了。いやー疲れた。

チンネ左稜線詳細

1P目:20m Ⅳトポ通り(ビッグワン)、2P目:50m Ⅳトポ通り(K坂)、3P目:60m Ⅱ (ビッグワン)5mフェイス後延々トラバース。その後草付ルンゼを詰める、4P目:45m Ⅲ (K坂)フェイス、5P目:40m Ⅲ(ビッグワン)快適なフェイス※トポ7P目、6P目:50m Ⅲトポ通り(K坂)、7P目:20m Ⅴ(ビッグワン)鼻 先行P待ち40分くらい、8P目:30m Ⅳ-(K坂) 凹角〜リッジ、9P目:40m Ⅲリッジ~フェイス(ビッグワン)、10P目:40m Ⅲ(K坂)リッジ、11P目:20m Ⅲ(ビッグワン)水平リッジ~チンネの頭

○装備に関して

ロープ:屈曲もなく、落石等で破断のリスクがあるルートでもないのでシングル60mを選択。

ヌンチャク類:アルヌンは重いので持って行かず、スリング+ビナ1枚セットのみ。残置ハーケンにスリングを直接タイオフした。

プロテクション:カムは1セット持参。残置豊富だし岩角等でも取れるので、なくてもなんとかなりそうだったが、せっかく持ってきたので使えるところでは使った。

幕営:ツエルト、シュラフカバー、タイベックシートのみ。マットはK坂は薄い50g程度のものを持参、ビッグワンはなし。普通に寒かった。しかもいい場所は先に取られてしまい、小石が敷き詰められた上で寝たので非常に腰が痛かった。

【下はゴツゴツだったが景色は素晴らしかった】

食事:ガス、火器、食器もなしにしたので、K坂は菓子パン、ビッグワンは水で戻したα米。疲れた水分不足の体に菓子パンは苦痛だったが、1泊ならいいかなという感じ。水で戻したα米は結構いけるらしい。水は三ノ窓で取れるか不明だったので、担ぎ上げた。

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