[メンバー] L:K、G間、Y川(会員外)

[ルート概要]
・アプローチ
槍見の駐車場より明瞭な登山道を登って錫杖沢出合いまで60分。出合いから樹林帯の踏跡を伝って前衛壁基部へ45分。

■左方カンテ 9P Y川リード
左方カンテは記録も多いので割愛。トポにはオールナチュプロで登るような記載となっているが、現時点では要所要所でハーケンあり。左方カンテだけ登るならカムはC4#3以下1セットで十分。


 

■烏帽子岩 4P G間リード
(以下、グレードとピッチスケールはK体感)
1P目:20m フェース Ⅳー
ガタガタした階段上フェースをピナクル目指して登り、テラスでピッチを切る。
ホールド・スタンスは豊富だが前衛壁より岩は不安定な印象。
プロテクションはリングボルトとハーケン。

2P目:20m フェース Ⅳー
1P目と似たようなピッチ。浅い凹角を直上し烏帽子のピークに突き上げる見事なフェース直下のテラスでピッチを切る。このフェースは恐らく25mくらいで見栄えも良く、登れそうなラインも見いだせるので下界にあればフリーの登攀対象になるのではないかと思わせる。

3P目:35m トラバース~短く被った凹角 Ⅳ
テラスを右下に降りてバンドトラバース。終了点直下の短い被った凹角がポイント。

4P目:15m 歩き Ⅲ
簡単な階段上の岩を登って烏帽子の頂上へ。今回は4Pで登り終えたが、5Pの記録もあり恐らく3P目のトラバース後にピッチを切るか否かで変わると思われる。切らなくてもロープの流れは問題ない程度。


・下降
烏帽子の頂上から5m程下ったところの松の木より懸垂×2。2回目の懸垂ポイントは1回目の松の木より10m程下にあり。60m一回で降りたという記録もネットで見られたが、一度切ったほうが無難。二回目の懸垂ポイントから60m懸垂でギリギリ、西肩の岩小屋横に下降。

■見張り塔上部 5P Kリード
1P目:5.9 フェース~ハンドクラック
大洞穴上部からの染み出しでフェースが濡れている、を通り越してヌメっている。
限られた使えるホールドとスタンスを探り、カムを多めに取って慎重に突破。上部は快適ハンドクラック。


2P目:5.9 凹角~トラバース~フェース
ステミングで快適に登れる凹角を直上後、右へトラバース。トラバースはスタンスとホールド豊富で、中間で黒エイリアンあればプロテクション取れる。簡単なフェースを直上後は広大なスラブ帯に出て、適当なクラックを見つけてカムでビレイ点構築。

3P目: スラブ Ⅱ~ 草付き Ⅲ
ここは日本の岩場では分けて記載されているが、実際は1ピッチで登ったほうが効率的。
頂上につながるルンゼ状の岩基部でピッチ切る。

4P目: 草付き Ⅲ
ここは日本の岩場に記載が漏れていると思わる。3P目の岩基部を乗っ越したあと草付きを導かれるよに直上。

5P目: 5.7 草付きルンゼ~クラック
頂上へは色んなライン取りが可能で左の凹角が一番簡単に思われる。今回は冬季に奮闘して登った頂上直下のクラックのラインを選択。バイルとアイゼンでのミックスはかなり難しかったが、素手とクライミングシューズだとものの10分で終了。
頂上からは穂高、笠、槍の素晴らしい展望。

・下降
ピッケルピークを経て、南尾根の明確な踏跡をたどりP6方面へ。今回は現地判断で牧南沢を下降。傾斜が緩く、藪も踏まれているので牧中沢を下降するより楽だと思います。


【G間さん感想】
久しぶりに雨の心配のない8月最後の日曜日、ヘッデン入山~ヘッデン下山の16時間行動で、めいっぱい灼熱の錫杖岳を楽しんできました。
前衛壁左方カンテ~烏帽子岩~見張り塔上部を経て本峰山頂へ立つ、錫杖岳をたっぷり満喫するルート。錫杖岳を初めて経験する私にはとても贅沢なルートでした。
行く前は、途方にくれるほど長いルートに思えました。今回は三人編成でしたので、参考にした前年のマミオちゃんコージさんの記録より時間がかかりそう、なにより私が足を引っ張ること必至なのでビバークも覚悟かなと自分的に不安がありました。エスケープ箇所はあちこちにあるということで安心しましたけど、それでも、時短が大切だと思い、これまでのマルチ経験から私がリードすると迷って時間かけたりするので、前泊のテントでは「私は全フォローでいきます!」と宣言して臨みました。
最初の左方カンテは、変化に富んだクライミングが楽しめました。モーレツな日差しの中でピッチ切ることに神経と体力を消耗させているご様子のY川さんをよそに、私は、いやーフォローだから楽しめるけどリードだとキツいなーなんて言いながらだいぶお気楽な気持ちでいたのですが、やがて、一番ボリュームあるこの左方カンテをスムーズにリードし終えたY川さんに、じゃあ次の烏帽子はゴーマさんかなとゆわれ、えー?せっかくいいペースできてるのに、私がリードしたら一気に時間かけてしまうととまどい、また烏帽子岩についてはあまり情報もなかったので予習さえしてきておらず、こりゃマズイぞといった焦りも感じながら烏帽子岩に向かったのですが、いざその取付にたって烏帽子特有のすっきりとそそりたつ岩容を見上げると、今からここをリードできるのかーと、わくわくした気持ちがこみあげ、不安は一気にふっとびました。
幸い、烏帽子の登攀は簡単で分かりやすく、ルート音痴の私でも迷うことなく快適に楽しく進めることができました。
烏帽子から本峰への途中の藪こぎには急速に体力を奪われ、暑さにもヤられぎみで、見張り塔上部の取付に着いたときにはぐったり。そこから見上げる最初の薄かぶりのフェースは、滴る水で黒光りして威圧感を放ってましたが、リードのKくんはじりじりと着実にクリアし流石でした。私が続きましたが、見た目のわるさ以上にホールドがわるく、濡れているのに加えて苔っぽさも加わったヌルヌメってような感触でとうてい信じられず、スピード重視でいきまーすと、あっさりカムエイドするとゆうヘナチョコぷりを発揮しちゃいましたが、やがて山頂を踏めたときはそれは爽快でした。
下山も長かったですが、明るいうちに登山道まで戻ってこれたのでよかったです。ただ、沢筋の下山のため、薄暗がりの中で私の大キライなカエルが数十匹も跳ねていたのは恐怖で、今回の私の核心でした。。

もともと2×2編成の予定が、残念なことに寸前でT田さんが参加できなくなって三人になり、私は錫杖の景色を見に行くだけでも嬉しいしテントキーパーでいーですよとゆったのですが、そんなのもったいないからぜひ三人で行きましょう!とゆってくれた、いつもエネルギッシュなKくん。安定した登攀、スピード、そしてピッチの切り方など常に安全を意識した冷静な判断をしてくださったY川さん。ご一緒してくださり本当にありがとうございました。
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[行動経過(天候・タイム)]

8/27(日) 晴れ
03:30 槍見の駐車場発
04:30錫杖沢出合
05:30左方カンテ登攀開始
09:00 左方カンテ登攀終了
09:40烏帽子岩登攀開始
11:10烏帽子岩登攀終了
13:10 見張り塔上部登攀開始
16:15見張り塔上部登攀終了
18:30牧南沢を下降し錫杖沢出合
19:10槍見の駐車場着