2025/9/6-7 (土日)
LRげん、クロスケ(記)
[行動経過]
9/6 07:00馬場島 ~ 14:00 池の谷二俣 ~ 17: 00 剱尾根コルE (泊)
9/7 5:30 コルE発 ~ 11:30 長次郎の頭 ~ 12:45 剱岳山頂 ~ 19:00 馬場島
前日の台風の影響もそんなになさそうだったので、9月の劔へ。
3年前の残雪期以来の池の谷、そして初めての劔尾根。
今回は1泊2日で抜ける計画なので、そもそも馬場島も遠いし(片道6時間)なかなかタイトで睡眠が不足しがちな計画となった。
駐車場がいっぱいの馬場島を少し遅めの7時に出発。やっぱり東京からは遠いですな。。
時期的にも遅いトライではあるので、全ては池ノ谷の雪渓次第…さてどうなるか、と歩き始めた。

とりあえず前日の増水問題はなさそうで一安心。

小窓尾根を乗越て、池ノ谷に合流。二俣手前から雪渓が出てきた。
雪渓の脇を歩いて出合着。
ここが本当の劔尾根の始まり地点だね、と尾根を見上げる。岩には×マークが書いてあったけど、どういう意味だろう。
この辺りから雪渓の上を歩く時間が増えてきた。右手のRを数えながら、このあと雪渓から降りられず水が汲めない可能性を考慮して、少し手前で汲んでおくことに。だいぶ急になってきて、アイゼンとバイルを駆使しながら登っていくと、今回最大の難関が立ち塞がった。


目的地のR10で途切れる雪渓と、あまりに怪しいアーチ。
渡るのはありえなそうな形状。これぞ自然が作り出す美。
ウロウロと偵察した結果、とりあえず雪渓から降りてみることに。ボコっとした氷のような雪渓に溝を掘って、なんちゃってボラード懸垂。降りる距離は15mくらいだけど、どうしようもない時は登り返さないといけない、という緊張感。
沢床まで降りて落石と、雪渓の破壊に注意しながら側壁を偵察。脆そうだけど、なんとかなりそうだ、ということでロープを抜き背水の陣で側壁を登攀。なんとかはなったけど、ほんとうに脆くて落石がすごい。
R10に無事に入れて一安心して、なんだ、ここでも水汲めたじゃん、とワイワイ歩いていると、突然背後で大きな衝撃音が聞こえる。
あーーー、、、これはさっきのアーチ落ちたかな。
見えないからわからないけど、他に落ちそうな雪渓もなかったし、多分そうでしょう。我々が落としまくった落石がトリガーとなったのだろうか。というわけで、文字通りシーズン最後の劔尾根になったのでは。。

コルEはテント一張り分のスペースがちゃんとありました。

日本海を見渡す素晴らしいテン場で、素晴らしい夕焼けを堪能しました。
さすがにこの時期のこの標高(2400m弱)は少し寒いけど、前日の睡眠不足もあり爆睡でした。
2日目
さて、やっと劔尾根本番。順調に行ってここから7時間の登山と8時間の下山、というロングスケジュール。
しばらくは藪漕ぎがひどい。朝から視界もないし、いまいち。

Ⅲ程度の岩登りでセクション。岩は硬いが、湿度が高すぎて全体的に湿ってる。
雨が降ってる訳ではないが、霧が濃すぎて360度の霧雨状態だし、藪についた雫でびしょ濡れ。さすがに濡れると寒い。。

今山行の核心ピッチ。エイドで抜ける人が多いようで、たくさんのお助けひもがぶら下がっている。Rげんは見事フリーで突破。荷物重いのにやるなぁ。

この辺りが門、と呼ばれる場所なんだけど、霧が濃すぎてよくわからない。
岩も湿ってるしで、クライミングシューズより沢靴の方が相性がいい気がする。あまりロープも出さず、黙々と登っていく。

終盤のナイフリッジ。そろそろ長次郎の頭が見える頃だと思うのだけど。遠くで人の声も聞こえてくるので、北方稜線もだいぶ近そう。
と思っていたら登山道に合流。目標時間より少し早いくらいで抜けられて一安心。とはいえここから長いんだけど。。

こんな天気でも続々と登ってくる人がいる劔の山頂。もういい時間なんだけどね。
このあとは、実は初めての早月尾根で下山。とにかく長い。これは登りたくはないわぁ。。

早月小屋の辺りからはガスも切れて晴れてきた。けど残念ながら登ってきた劔尾根は見えず…
しかし小屋までもなかなか遠いですなぁ。。そこそこ急ぎつつ、でも飽きないようにお喋りしながら歩く。面白い話してよ、とふったら、求める面白い話のレベルが高すぎる、と怒られたw
山って歩いてる時と、行きと帰りの車の中で12時間くらいは会話の時間あるから、ネタが尽きるよね。みんな何話してるのだろ。
最後の方は、大きな木が増えてきたので、
「北アルプス巨木100選」入賞か、どうか、なんて話してました。まぁ最後1時間くらいは暗くてよく見えなかったけど。

ヘッドライトで見る、「試練と憧れ」
早月尾根の登山口にあったんですね。
ここからさらに6時間の運転、ということで、下山後も核心。家に着いたのは3時過ぎでした。
でも長く山に入れる山行はいいですね。雪渓処理はあまりしたことなかったので、なかなか興味深い山行になりました。今度は冬の小窓尾根にもきてみたい。