雪山はじめB班 爺ヶ岳南尾根 2025/12/6-7

積雪期登山

○山域・ルート: 北アルプス・爺ヶ岳南尾根
○期間:2025/12/6-7 (土日)
○メンバー:L O川、H本、M松、S山、片O(記録)

◯記録
(*注釈)
食雪=雪を溶かし、水を作ること。
食雪水=雪を溶かして作った水のこと。
雪山はじめ=ぶな恒例の会企画。その名の通り雪山はじめ。

・1日目 12/6(土)
21:20 新宿発
5:00 起床 6:50 日向山ゲート 8:30 登山口 12:00 幕営(2070m地点) 17:40 入眠 

前泊のテント内、入眠寸前にアルファ米を全て忘れたことに気がつく。(食当分)

入山前に気づいてよかった。朝のコンビニでサトウのご飯を調達×5
アルファ米に比べて重量は2倍に増えるが、味も2倍美味くなるからオールオッケー。(サトウのご飯は標準200g)
というか同じく食当のS山さんもカレールウを忘れて、前日の新宿集合から真っ先に初台のコンビニに寄って調達した次第。食当忘れ、気を付けたい…。(都心のコンビニにもカレールウは売っているという覚書です)
あまり忘れ物しない性格のはずですが、、長期山行だと致命的なためマジで気を付けます…。

ちなみにS山さんは、冬山のテント内で人参や玉ねぎを切るというストロングスタイルで挑んでいた。

6時過ぎごろに日向山ゲートへ到着。かなり寒い。シーズン初めで体が寒さに慣れていないような気がする。この2日間でゲートで車から降りた瞬間が一番寒かった。
ゲート前には車が2台止まっていた。車から降りると、すでに林道を歩く先行パーティが見える。(のちに信大山岳部と判明)
林道は少し雪が付いているが、氷結はしておらず、H本さんはアプローチシューズ、S山さんはサンダル(!)で6kmを歩いていた。
今回のパーティ編成は初めましての人も多かったが、行きの車内から話が尽きず、この林道歩きもお喋りをしていたらいつの間にか登山口へ到着。

先行パーティがどこに取り付くかなーと思っていたが、やはり爺の南尾根だった。柏原登山口からトレースはばっちり。私が先頭を歩く。 (ちなみに、一日中ずっとツボ足で歩いた)
今回もストックを持ってきたが、非常に歩きやすい。特に積雪期はストックの有用性が増すように感じた。(もう一本買おうと思う)

1700mくらいまでは柏原登山道を歩く。このあたりでソロの男性に抜かされた。(結局この2日間の入山者は、このソロ男性・我々・信大だけらしい)また、事前情報で1600mあたりに大きなツリーホールがあり、危険個所と認識していたが、結局見つからず。(尾根に乗らなかったからだと思われる)

1800mから南尾根に入った。ここまでトレース上は膝下あたりのラッセルだったのかなという感じの積雪量。吹き溜まりでは膝上あたりまで踏み抜くくらい。
まあしかし、先行パーティが速すぎて追いつけず。気配すら感じない。我々のペースもそこまで遅くないはず。先行はどんだけラッセル早いんだ……。(のちに信大だと知り、大納得であったが)結局、2070mあたりの平らな場所で幕営。2300mのJPまで標高を上げても良かったし、何ならこのペースだと日帰りもできそうな勢いだったが、今回の雪山はじめは、あくまで「生活技術・各種ギア・歩きのチェック」という目的のため、早めに行動を切り上げる。トレースが出来上がり、藪の露出もひどくなく、実に快適な一日であった。雪山で12時に幕場ができるなんて初めてのことだった。

にしても、ここから見える岩小屋沢岳は勇ましい。夏の縦走で通った際はその地味さのあまりネタにしていたような山だったが、冬の様相はかっこいい。いずれは南尾根などにも行ってみたい。
この日は天気が良く富士山も八ヶ岳もばっちり、暖かく平穏な一日であった。

→岩小屋沢岳

テント内で手際よく食雪を済ませ、飯づくりへ。前述の通り、私が麻婆茄子を作る横で、S山さんが明日の朝飯のために野菜を切っていたのだが、見ていてヒヤヒヤした。にんじんを皿の上で切っていて普通にビビる。指を切らないか心配だった。

→冬山テント内のヒヤリハット(?)

→麻婆茄子onサトウのご飯

ついでに面白かったのが、S山さんが 明らかにそれ毒素あるだろうと突っ込みたくなるような青いジャガイモを5つほど持参していたことだ。満場一致で指摘が入り、4人vs.S山さんの構図が面白かった。S山さんも渋々従っていた…。(明らかに青リンゴみたいな色をしたジャガイモであった)

多分、今山行でのハイライトはこの青ジャガイモになるだろう…。

それはそうと麻婆茄子はだいぶスパイシーに味付けしたが、割と好評で嬉しかった。
かなり早いが、18時前には入眠した。

・2日目 12/7(日)

5:50 出発 8:40 南峰 10:15 AC 11:00 出発 12:15 登山口 13:40 日向山ゲート

暖かい朝。初冬だからか冷え込みがそこまで厳しくない。
朝飯はS山さん特製のカレー。生米を用意してくださり、カレーもめちゃくちゃ美味しかった。やはり生野菜は偉大だと感じた。
ゆっくりと準備を進めビーコンチェックをして、出発。テントはフライ・ポールを外して潰しておいた。

テント内から感じていたが、今日は風が強い。昨日よりも雲が高く天気は悪かった。
樹林帯のうちにアイゼンを装着し、すぐに2300mのJPへ到着した。少し休憩を取って、南峰へ向かう。稜線上はかなり風が強く、ときおり身体が持っていかれそうな爆風も吹き付ける。O川さんが先頭を歩いていたが、早く動かないと身体が寒いらしく、キビキビと行動していた。
アックスは念のため出していたが、特に危険箇所もなくストックだけで登れてしまう。

そうすると、山頂直下50m手前あたりで先行の信大パーティとすれ違う。すれ違ってから、すぐに山頂へ到着。風がかなり強いので、写真撮影を迅速に済ませ、逃げるように下山した。
やはりこういう悪天候の際は、まとまった休憩が取れないため、ハードシェルのポケットにしまえるような練乳チューブ・あずきチューブが必須だと思った。(ザックを下ろさずささっと補給できるため)

→爺ヶ岳南峰

山頂から1時間半ほどでテント場まで戻る。デポ装備を回収し、さらに下山開始。ここからは踏み抜いたり、すっ転んだりもあったが、O川さんの下山ペースがなかなか素早く、柏原登山口まで1時間20分ほどで下れてしまった。それにしても、H本さんの体力はすごい。謎に20代が多いパーティの中でも、全く年齢差を感じさせない歩きの強さを感じた。

登山口からゲートまではお喋りしながら歩いたらすぐだった。気温が高いので全く氷結しておらず快適であった。近くの風呂、高速手前のラーメンで本山行を〆る。

○感想

(片O)
帰りの車内で、下山アプリを見ると各パーティともに苦労していて山頂を踏めているパーティはいなかった。しかし、結果的に先行パーティのおかげで私たちは楽に山頂を踏めてしまった。それが純粋に悔しいと思った。南尾根という簡単なルートではあるが、もっと苦労して山頂に届いた方がより充実しただろうし、我々だけ楽をしてしまった、ということがすごく悔しかった。
でも飯は美味かったし、初めての方も多かったがテント内の会話も盛り上がり、振り返ると楽しい登山だったなあと思った。
行き帰りの運転とも、本当にありがとうございました!

(O川)
個性豊かなメンバーと臨む雪山はじめ。リーダーを任せていただき5人もいることから歩きルートである爺ヶ岳南尾根尾根を選択。結果的には先行パーティーの信州大学山岳部に高速道路を作っていただき、登頂することができた。雪山はじめのテント生活や雪山の感覚を取り戻すといった目標は達成されたのでよかったと思う。今年も体の震えが止まらない季節が来たなと思いつつ、もっと雪山に行きたいと思える雪山はじめでした。

(S山)

久しぶり(8年ぶり?)のテント泊かつ複数人での雪山登山で懐かしさと新鮮さがありました。食当になったものの買い出しの時間が取れず家にあった食材を持って行きましたが何とかなって(?)よかったです。ラッセルがなくスノーシューの出番もなかったのは残念でした。比較的体力のあるメンバーが多かったので信州大山岳部のトレースが無くても登頂できたのでは?と思います。道中の会話でぶなの会に対する理解も深まり楽しかったです。青いジャガイモは自宅で全部食べました。

反省点:ビーコン忘れた、VBLをしなかった(上部の強風で手が冷たくなる場面があったので短い山行でもやった方がよいと思った)

(H本)

こんなに若いパーティに混じって大丈夫だろうか?と言う不安もあったが、終わって見ればいろいろ幸運(自分にとって。。)にも恵まれ、皆で山頂を踏めたのはやはり嬉しい。新しい人達との交流は新鮮であり、何かと調整は必要でも得るものも多かった。もっとも最近は優秀な人が多くて、自分が配慮される側になっている気が(笑)。

 運動生理学的な内容と思うけど自身の、行動中の心拍数に注意して、あまり上げ過ぎないことが長時間行動する上では大事で、そのためのギアを身に付けていたり、一定時間内に必ず計画的な休憩を入れるなど一見、見落としがちな内容を拾い上げ実践に活かす積み重ねが、いずれ大きな成果に結びつくって再認識しました。もちろん、普段からのトレーニングがあっての話だけど。

 こういう姿勢を見せられると、こちらも頑張らなくてはと思う(思うだけ)。あと、食当のレベルも高くて真似できないけど、確かに何で貢献できるかを考えさせられます。ありがとうございました!

(M松)

前年は怪我でまるまる1シーズン休んでいたので(そうでなくとも雪山は行っていないが)、ちゃんと着いていけるのか多少の不安を抱えながら参加した。結果的には信州大学のトレースが完備されていたおかげで、へばることなく2日間を終えることができた。また、その余裕のおかげか、初めて山に行ったメンバーと、いろいろなアクシデントを経ながら新鮮な気持ちで山を楽しむことができた。今シーズンこそはしっかり雪山やるぞという決意を再確認できたので、ここから頑張っていきたい。


関連記事

特集記事

アーカイブ
TOP
CLOSE