越後 水無川 オツルミズ沢 2025/9/27~28

沢登り

6:00C1~10:45駒の小屋〜11:30越後駒ヶ岳山頂〜14:50越後三山森林公園

◯報告

1日目

翌日の夜に天気が崩れる予報があったが雨雲の動きが遅れると今朝の予報で確認し、少し安心しながら駐車場で準備を始める。まだ暗い中ではあったが最初は林道歩きのため早めに歩き始めた。「巻いてからの入渓でいいよね。」全員合意のもと巻きの入り口を探す。簡単な巻きだと記録で見ていたが、少し手こずり最後に少しロープを出して無事に入渓。高を括ってはいけないと気持ちを立ち戻す。

入渓して早々にカグラ滝に到着。憧れていた沢なので何度も記録や写真で見ていた滝だが感慨にひたる時間もなくさっさと取り付く。中間部からロープを出し快適な登攀を楽しめた。いきなりこんな滝が出てくるなんてすごい沢だ。序盤から興奮気味。その後も次々と滝が現れる。

筆者は越後の沢は初めてだった。行きの車でそんな会話をしたのだが、今思うと2人にとっては懸念点だっただろう。越後の特徴のひとつである悪い巻きにはかなり気を遣ったのと、遅れてはならないと夢中になった。ある程度このような巻きは経験あったがこんなに連続して悪いのは初めてだ。夢中だったのでハイライト的な場面以外はニラにまみれた映像が記憶の多くを占めている。その晩に「越後が初めてとは思えない」と言ってもらえたのは単純に嬉しかった。それなりに上手くこなせたようだった。

そんな巻きを幾度も経て、サナギ滝が見えてくる。「天から水の落つるが如し」の由来はここではないだろうか。遠くまで滝が連なっている。左から巻きながら水線に近づいていく。上部に入り落ち口が見えるくらいからロープを出す。落ち口へ向かうラインとその手前に立つフェイスを越えるラインがあり、後者を選んだ。リードを任せてもらえたが悪い。パーティに貢献したい思いで頑張ったが早いところで諦めればよかった。まごまごしているうちにN島さんがライン変更の判断。切り替えて水線に近いクラックから登る。N島さんリードであぶみを使いつつ無事にサナギ滝を越えた。こちらもなかなか悪くあぶみがあって良かった。

続く80m大滝も豪快で見応え充分。名前が付いていないのが不思議なくらいだ。ロープなしの登攀となる。登ってみるとホールドもしっかりしてフリクションも良く快適といえる範疇であったが、時折感じる高度感は恐怖と爽快さが一体となっている。上手く自分をマインドコントロール。爽快さを感じながら全集中で登りきった。

今日の難所は全て終えたと安堵しそうになるが、まだまだ小難しい滝や巻きが続く。なるべく行程を稼いでから幕営したい。源頭の雰囲気が出てきた1300mほどのところで幕地決定。

2日目

水量も減って、滝もコンパクトになってきたが依然として気は抜けない。大きい雪渓もしっかりしていてそそくさと上を歩ききる。 そんななか休憩していると上空にヘリが何度も頭上を繰り返し通っていく。我々パーティを注視しているように見えこの沢内で事故があったのかと思ったが、後日郡界尾根の向こう側での事故だとニュースで知った。


最後の二俣を越えて水もほとんどなくなり、程なくして山小屋に無事到着。3人で喜びと労いと感謝の握手を交わす。主稜からはどこを見ても絶景だがよくよく見ると険悪な渓相のオンパレードだ。M尾さんは翌週も水無川の計画だそうで俯瞰での偵察を入念にしていた。山頂を経て極悪な極楽尾根を3時間ほどで降り切る。無事にオツルミズ沢を終えることが出来た。

関連記事

特集記事

アーカイブ
TOP
CLOSE