山岳会におけるIT化の取り組み

道具

みなさまお元気でしょうか?ぶなIT担当のYHです。
今回はぶなの会で最近取り組んでいるIT化の内容を少しご紹介したいと思います。

まず前提として、山岳会では基本的にHPを運用していると思いますが、ぶなの会ではWordPressでHPを構築しています。現在のHPは三代目で10年ほど運用しており、1年ほど前にデザインもリニューアルしました。

SNSは「Instagram」や「Facebookページ」でまったりと発信していますので、よろしかったらフォローして頂ければと思います。

会内での情報共有はメーリングリストを長期にわたって使用しており、こちらで計画の共有や下山連絡を行っております。

元々は「freeml」を使っていましたが、2019年12月のサービス廃止に伴い、別のサービスに移行を余儀なくされました。移行後のサービスでもログ参照などの機能は同様に使えるので、メール内の広告がなくなった分、文章が読みやすくて結果的に利便性は向上した様に思います。

ただ、150人の会だとメーリングリストでは雑談がしづらいという事情もあるので、別途コミュニケーションにチャットツールも活用しています。

また、情報をストックしていく為に内部のWiki系ポータルサイトも構築しており、Googleサイト、Googleフォーム、GoogleスプレッドシートなどのGoogle系サービスと組み合わせて運用しています。

ここまではよくある形かと思いますが、コロナ禍で2020年4月よりZoomも有料版の契約を行っており、月に2回の例会と1回の運営委員会はWeb会議を活用しています。

Web会議ツール自体は他の山岳会も活用している様ですが、Webでは例会への参加意識が低くなるという課題が見えてきましたので、通常の山行報告や机上講習とあわせて、Lightning Talk(好きなお題で5分×数人が発表)などにもトライしており、オンラインならではの盛り上げ方を研究しています。

LTで改良バラクラバについて語るM氏

さらに最近では積年の課題であった、下山管理効率化のソリューションとして、下山管理アプリの試験運用を実施しています。

山岳会は会務の担当者が短期間で移り変わっていくので、学習コストが高いツールを採用することができないという事情もあり、今回はノーコード かつ PWA(Progressive Web Apps)のツールを採用して手離れのよさを高めています。
また、プロトタイプを提供して会員の要望をヒアリングしながら追加実装していくという方針とも親和性が高く、約半年にわたってマイナーバージョンアップを続けてきました。

下山管理表(ダークモード)

なお、ノーコードツールで対応できない、メール配信・データ成形・別シートへの転記などは、GAS(Google App Script)でコーディングしています。
コーディング部分では、特に下山管理対象の計画の各ステータスに応じたメール配信のロジックが苦労したところで、パターン分岐の仕様調整に気をつかったのは勿論のこと、ちょうどよい時間帯に鬱陶しすぎない頻度でメールが配信される様に意識しました。

GASはトリガー設定の柔軟性がやや低く、アプリとの連携で発火タイミングを上手く制御しきれずに暴発気味になるのが悩みの種ですが、そこは何とか工夫でカバーしています。

その他、下山管理アプリのおまけ機能として、今まで以下のようなものを試作してきました。

・会装備の管理
・事故&ヒヤリハットの参照
・初級者用クライミングチェックシート
・Googleカレンダーと同期したスケジュール表示
・ジム利用情報の共有

いずれもニーズをヒアリングしながらアップデートを続けており、事故&ヒヤリハット参照は「いいねボタン」ならぬ「参考になったボタン」を追加してみたり、共有すべき情報をチャットへ自動ポストしてみたりと、より便利な仕様を模索中です。

事故&ヒヤリハット
ジム情報共有機能

会運営は、問題がある部分を改善して変えていくことの繰り返しです。会の活動を一つずつ可視化し、課題を明確にした上で、会の現状に即したツールを選択して会員にとって使いやすい形で提供することを心がけています。
IT化により、今まで手動で対応してきた会務が少しづつ不要になってきましたが、こういった取り組みで各自の今後の目標に向けた準備や、仕事やプライベートを成り立たせる為の時間を増やすことが重要になります。

山岳会は外部から会務が面倒という印象を持たれがちですが、実際は違ったと会員が言える様な運用改善を今後も意識して行きたいと思います。

ぶなの会

ぶなの会

労山(日本勤労者山岳連盟)加盟 ぶなの会の公式HPです。

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