宮崎県 比叡山、鉾岳 マルチピッチクライミング 2019/10/19-22

トラッドクライミング

[メンバー] NG野(L)、ふるけん、とのさん、こまっちゃん、兼続

10/19(土) 比叡山1峰 南面 第1スラブ
10/20(日) 雌鉾岳 大長征ルート
10/21(月) 比叡山1峰 ニードル左岩稜 ※雨敗退
10/22(火) 比叡山3峰 左方カンテ ※途中まで

松原ガイドのブログを読んで、行きたい行きたいと思っていた宮崎県の岩場の行ってきました。
岩場のスケールはでかく、アプローチも至近、ルートは秀逸で、痺れるランナウト付き、なんて素晴らしい。
宿は、庵・鹿川に3泊しました。
キッチン完備で、米と味噌も自由という驚きの宿です。
囲炉裏もあって、焼き物も楽しんできました。
天候にも恵まれ、4日間のうち3日間晴天のクライミングを楽しめました。
雨の1日は別府温泉へ。

■10/19 羽田空港~宮崎空港~比叡山1峰 南面~庵・鹿川

目一杯遊ぶため、早朝6:40の便で宮崎へ。
宮崎に着くと、半袖で快適なくらい暑い。まだ夏です。
この日は午後から雨予報で、1ピッチでも登ろうと比叡山1峰の南面に向かいました。
結果的には、雨は降らず、ピークまで登り、ヘッデン下山になるまで楽しみました。
兼続が風呂に入りたいというので、麓の日之影温泉へ。
調べると食堂があって、車を飛ばし、ラストオーダー1分前に食堂に到着。
全員が名物のチキン南蛮を食べて、風呂に入ったあと、庵・鹿川へ。
既に、先着の東京YCCパーティは宴会中。
我々も22時、宮崎ツアー最初の宴会を始めました。

〇第1スラブスーパー NG野(記)、とのさん

・1ピッチ目(とのさん) 25m IV
簡単なフェースを右上していきます。
前日の雨のせいか若干濡れててイヤな感じ。
右上後に左へトラバースするのですが、岩脆いのと、先行が居るということで短く切ります。

・2ピッチ目(NG野) 20m III-
ほとんど歩きのトラバース。
スーパーとノーマルの分かれるところの確保点まで。
通常はここまで1ピッチで行くようです。

・3ピッチ目(NG野) 50m IV+
すっきりした易しいスラブを登ります。
先行パーティは短く切って、抜いていいよということで先に行かせてもらいました。
北海道から来たという宮崎の岩場の常連さんだそうで、雨予報だからもう下りるとのこと。

・4ピッチ目(とのさん) 45m IV-
すっきりした易しいスラブの続きを登ります。
上部で右へトラバースして隣の岩峰のテラスへ。

・5ピッチ目(NG野) 35m IV+
亀の甲羅スラブのピッチ。
左右あって、左が11aのスラブでRCCボルト。
初見ということで、無難に右へ。
ハング下を右から越えスラブを登ります。
左を向くとニードルがかっこよく見えます。

・6ピッチ目(とのさん) 50m IV+
雨予報はなんだったのか。
晴天のスラブを登ります。
トポでは25mx2ピッチになっているところを繋げて登りました。

・7ピッチ目(NG野) 35m V+
ノーマルとスーパーの分岐点。
ノーマルは草ぼうぼうのに見えます。
予定通り、右のスーパーへ。
今までと違いこのピッチはちょいと難しく、ハンガーボルトがバンバンバンと打ってあります。
細かいホールドのスラブで緊張感あります。
登り切ったとこで確保しましたが、次のピッチは左へトラバースしたとこから始まるので、トラバースしてからピッチ切った方が賢いです。

・8ピッチ目(とのさん) 35m IV-
歩きのトラバースをして、易しいスラブを登ります。
スリングがかかっている立木で終了。

・下降
通常は歩いて下降するようですが、数ピッチで雨敗退のつもりだったので、靴など担いでおらず、同ルート懸垂を始めます。
後続がいるので、待機しながら、忠実に同ルート下降しました。
アプローチ至近で、グレードも手頃、よいルートでした。

〇第1スラブノーマル ふるけん、こまっちゃん、兼続(記)

・取付
トイレのある道路沿いの駐車スペースに車を止め、トイレから20mほど歩いたコンクリート壁の切れ目から斜面を少し登ると取付き。

・1ピッチ目(兼続) 50m IV
取り付きから左上に見える立木目指して、フェースを斜めに登る。
中間あたりは脆いので、やや右側を登り、左へトラバースする。
ここで東京YCCと地元宮崎の西都山岳会の混成パーティが追いついてくる。

・2ピッチ目(こまっちゃん) 60m IV+
トポの2p目はやさしめのスラブ。
そのままトポの3p目もつなげて登ろうと試みるが、ロープが足りず、トポの3p目手前10m付近で切る。
トポの3p目は、高度感のあるカンテ。

・3ピッチ目(兼続、ふるけん) 10m IV+
時間短縮のため、フォローとリードを入れ替え、3pの残りを2人でリード。

・4ピッチ目(こまっちゃん) 35m IV+
亀の甲スラブをハングを避けて右上。
ハング下がやや怖い。東京YCC・西都の3人グループと少し話す。
2年前に同じルートで出会って意気投合し、今回初めてパーティを組んだとのこと。
後続には東京YCCのパーティがもう一組あり、我々と合わせて合計5組が登る混雑になった。

・5ピッチ目(ふるけん) 50m IV+
西都山岳会の方からノーマルのルートよりも登りやすいと示唆を受け、スーパーのルートに合流。ちょっと怖いスラブ。

・6ピッチ目(兼続) 35m V+
スーパーを終わって懸垂してきたNG野パーティに出会う。
NG野さんのオススメに従い、スーパーの方を登る。コブ状の岩は足が甘く、怖い。

・7ピッチ目(こまっちゃん) 35m IV-
易しめのフェースを登って終了。

・下降
下山は、終了点から懸垂。後続のYCC・西都グループの到着を待ったうえに、上から繰り出したロープが岩に引っかかるトラブルがあり、手間取った。
もともと宮崎到着した初日で登攀開始が11時頃だったこともあり、懸垂途中で日没を迎え、ヘッデン下山となった。

・感想
雨天の予報があったため、2ピッチくらいで降りるつもりだったが、天候に恵まれた。クライミングは快適だったが、懸垂下降に課題が残った。

■10/20 雌鉾岳 大長征ルート~庵・鹿川

この日は庵・鹿川からさらに奥にある鉾岳へ。
雌鉾岳の広大なスラブを、痺れるランナウトで登る大長征ルートへ行きました。
この日は一日中晴れで、気温も上がりポカポカ陽気のクライミングになりました。
下降後は庵・鹿川の隣にある那須商店にて、キンキンの生ビールで祝杯。

〇雌鉾岳 大長征ルート NG野、とのさん(記)

「美しいトラバースルート」からスタート、同ルートを6ピッチ登って中央バンドに出たあと、直上はせずにそのまま中央バンドを右端までトラバースしていき「大滝左ルート」 に合流。
あとは「大滝左ルート」の上部を2ピッチ登りピークに抜けるライン。

鹿川キャンプ場に駐車して出発「パックン岩」看板がありどうやらSNS映えスポットらしい。
40分程で取付着。
先行パーティーは1P3人。

8:30 登攀開始
13:30 坊主岩ピーク
13:55 懸垂下降、坊主岩下部より一段下まで
14:15 下降路フィックスロープ伝い
14:40 取り付き戻り、パックン岩見学

(グレード:宮崎の岩場を参照)

・1ピッチ目(とのさん) 45m 5.2
スラブやや右上。ランナーが3つ程。
易しいスラブだけどランナウトするので超怖い。

・2ピッチ目(NG野) 45m 5.3
ここもスラブのランナウト。
松の木で切ったが、ちょい上にハンガーボルトのビレイ点あり。

・3ピッチ目(とのさん) 35m 5.3
スラブ右上した松の木そばのハンガーボルトのビレイ点まで。

・4ピッチ目(NG野) 35m 5.2
スラブを登り、おっかないトラバース開始

・5ピッチ目(とのさん) 35m 5.4
広大なスラブをトラバース

・6ピッチ目(NG野) 35m 5.5
続けて広大なスラブをトラバース。
ワンポイント見切れる箇所を乗り込みで越える。

・7ピッチ目(とのさん) 50m 5.2
中央バンドを右トラバース大滝左ルートに合流

・8ピッチ目(NG野) 30m 5.6
上部バンドまでスラブ直上。
先行パーティーのリードが数回フォールで暫く待つ。
後続のふるけんPは離れたまま見えてこない。
ホールドも細かくなるがフリクションは良い。

・9ピッチ目(とのさん) 58m 5.7
スラブ。フレーク核心ピッチなのにランナーは3つ。
出だし左側から数手で止まり一旦クライムダウン、出だし右側に変更して1ピンについてひと安心。
途中カムを1つとり左斜めに上がり、一の坊主ビレイ点ここまで45m程、更に左のビレイ点まで伸ばす。

・10ピッチ目(NG野) 30m 5.2
坊主岩下部左トラバース 8P目の待ち時間に、二の坊主から坊主岩ピークに出る美しいトラバースルートの最終ピッチの話しになる。
どうも三の坊主まで来ているようだ。

・11ピッチ目(とのさん) 25m 5.4
右トラバースで戻る、二の坊主の基部にランナーがありクラック右手を上がり坊主岩ピーク

・下降
ここから1回懸垂して踏み跡を下ると取付き。
ずっとフィックスロープが張ってある。
調べるとパックン岩がすぐそばなので、見学に行く。
さっき登った大滝左ルートの下にありました。

・感想
快晴で暑いくらいの陽気。
トラバースで所々水の染み出し箇所はあったが、フリクション良くピン少な目に試されながら高度感もあって楽しめました。

〇雌鉾岳 大長征ルート ふるけん(記)、こまっちゃん、兼続

宮崎2日目は、大スラブで有名な雌鉾岳(めんぼこだけ)へ。
下から見上げると1枚岩のすっきりした気持ちよさそうなルートだが、ピンの間隔が遠い。
ま、落ちなきゃいいだけと自分に言い聞かせる。
1日目の比叡山I峰南面のヘッデン懸垂下降の疲れも、庵・鹿川でリラックスできたし、天気もまずまずいい。
取付きで3人でじゃんけんをして順序を決定(こまっちゃん-兼続-ふるけん)。
NG野-とのさんPの後に9:15登攀開始。
大長征ルート(5.7)=下部「美しいトラバース」+上部「大滝左」の合成ルート。

(美しいトラバース)
・1ピッチ目(こまっちゃん) 45m 5.2
スラブ、45mでピン3つ。

・2ピッチ目(兼続) 45m 5.3
スラブ、ブッシュの上まで。

・3ピッチ目(ふるけん) 35m 5.3
スラブ、松の木まで右上。

・4ピッチ目(こまっちゃん) 35m 5.2
バンド帯を右トラバース

・5ピッチ目(こまっちゃん) 35m 5.4
さらにもう1ピッチつなげる

・6ピッチ目(兼続) 35m 5.5
バンド帯をさらに右へトラバース。縦筋の岩を乗っ越した先には悪く怖いワンポイントトラバース。

・7ピッチ目(ふるけん) 50m 5.2
大滝左ルート探して簡単なトラバース。ロープ足りずピッチ切る。

・8ピッチ目(こまっちゃん) 15m 5.2
引続き簡単なトラバース。滝が流れているすぐそばの取りつきまで。
→大滝左ルートに合流!

(大滝左)
・9ピッチ目(兼続) 30m 5.6
このルートの核心ピッチの一つ。剥がれそうなフレークに乗り込む微妙なスラブ。カムも使用して慎重に。

・10ピッチ目(ふるけん) 45m 5.7
これまた核心ピッチ。右上するダイクに沿って1ピン目、さらに右上して2ピン目。ひやひや。

・11ピッチ目(こまっちゃん) 40m 5.2
坊主岩直下の高度感のあるトラバース。
→坊主岩(雌鉾岳頂上に鎮座する特徴的な岩)をトラバースして終了かと思いきや、もう1ピッチ登らないと頂上に立てない。

(美しいトラバース)
・12ピッチ目(こまっちゃん) 15m 5.4
少しフレア気味のクラックを右上、次に左のフェイスを乗り越えて頂上へ抜ける。

(15:45)頂上から懸垂で1ピッチ降り、フックスロープを辿って取り付きまで戻る(16:30)。

・感想
遠いピンを睨みつつ、絶対に落ちないと思いながら足を置いていく。
それでも、スラブをずり落ちていくイメージが頭をかすめる。身体がそのイメージで固まってしまう前にまた一歩踏み出す感じ。
みんな全ピッチを通じて落ちずに抜けられてほんとに良かった。

■10/21 比叡山1峰 ニードル左岩稜~別府温泉~庵・鹿川

午前中、雨がぱらりと降るかも予報の日。
なんとかなるだろうと祈って取付くも、ぱらぱらじゃなく、ざーざー雨が降りだし1ピッチで敗退。
こまっちゃんが別府温泉でカレーが食べたいと言うので、大分県別府温泉へ。
なぜか最初に行ったカレー屋はこの日はハンバーガー屋だったけど、別のカレー屋へ。
帰り道、道の駅で伊勢海老を買って帰り、さしみ、焼きみそ、だし汁と、堪能しました。
捌き方は道の駅のチラシとyoutube動画で学ぶ。

〇ニードル左岩稜ノーマル NG野、ふるけん(記)、こまっちゃん

雨予報だが、宿出発時はまだ降り始めていない。何とか行けるかもとニードル左岩稜へ。
針のような小雨がパラパラ降り始めたが、登攀開始(9:30)

・1ピッチ目(ふるけん) 25m IV
フェイスっぽい岩を登り2ピン目をかけてブッシュ帯に入ったところで本降り。
NG野さんから降りてとの合図で灌木に捨て縄を追加して懸垂。]

■10/22 比叡山3峰 左方カンテ~宮崎空港~羽田空港

宮崎ツアー最終日。
目一杯遊ぶため、飛行機は夜の便。
左方カンテの途中まで登り、昼頃引き上げました。
少し時間が余ったので、宮崎の青島神社を観光して、宮崎ツアー終了。
良く晴れて暑い日で名残惜しい。
また来たいな宮崎の岩場。

〇左方カンテバリエーション NG野(記)、とのさん

・アプローチ
庵・鹿川から向かうとトンネル手前の広場に駐車して、トンネルの上に歩いて行きます。
5分くらい。
岩は一部濡れてました。

・1ピッチ目(NG野) 30m 10a
出だしはノーマルと同じで、途中から左へ。
濡れてる一歩が怖い。
ハング下までクラックを登り、トラバース。
このトラバース、一か所手も足もなく、散々迷ってA0。
ムーブが分かりませんでした。

・2ピッチ目(とのさん) 25m 5.7
濡れててブッシュが多いピッチ。
5.7で易しいのに上部でちっとも動かないとのさんを急かす。
フォローで行ってみると、濡れたスラブに草と泥の詰まったクラック。
とのさんはA0で抜けたそう。
フォローはクラックの草で足を滑らせフォールし、同じくA0突破。

・3ピッチ目(NG野) 25m 10b
左へ回り込んでクラックを登るピッチ。
1ピッチ目と2ピッチ目の悪さから、かなりの警戒モードで登りだす。
でも、登ってみると、このピッチは日が当たり、岩も乾いており、ハンドサイズのとても快適なクラックでした。
トポだともっと伸ばすがビレイ点があったのでいったん切る。
ここで11時半。ノーマル組はすでに取付きへ。

・4ピッチ目(とのさん) 20m 10b
とのさんが後半も登りたいというので、とのさんだけ登る。
10bのピッチの後半だが、易しいスラブで、10bはクラックに着いている模様。

・下降
懸垂2回で取付きへ。

〇左方カンテノーマル ふるけん、こまっちゃん(記)、兼続

8:20 駐車場-8:55 登攀開始-11:20 撤退

・1ピッチ目(兼続) 30m III+
よーく見ると階段状フェースを右上。
今朝の霧で岩がしっとり。かつ定番のランナウト。

・2ピッチ目(こまっちゃん) 40m 5.9+
しっとりしたスラブからハング。このあとクラックに続くルートだったらしいが、ハングを超えられず撤退。

(感想)
ハングはこまっちゃん→ふるけん→兼続→こまっちゃんとトライしたが結局超えられず撤退。
右のカンテからブッシュへ抜けると思っていたが、あとから記録を見ると左側へ抜けるのが正解だったよう。
いずれにしても悔しい思いをした。
1人撤退するごとに、隣のルートでビレイ中のNG野さんに「コラッ!」と叱られションボリ下降。
また、来るのだ!!

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