■1日目/7月26日 弥平四郎口~三国小屋

飯豊連峰の高山植物を尋ねる山旅、3年越しの計画でした。
「ムーンライトえちご」から磐越西線に乗り継ぎ、福島県に入ると車窓に雨が当たり始める。下車した野沢駅ではついに本降り!明日からの晴天を期待し、ドシャ降りの中、予約していたタクシーで入山口の「弥平四郎口」へ向う。歩きだして10数歩。小さな看板が目に入る。『橋が崩壊している為、通行止め』
仕方なく、駐車場脇の新ルートを行く。飯豊で一番登り安いはずのこのルート、いきなりの急登で話が違う!雨はやんできたもののゼーゼー、ハーハー、頭からかいた汗があごを伝ってポトポト落ちる。ぶな林の中、時々現れる巨木が唯一の慰め。やっと主稜線が見えた頃にはみんなヘロヘロ!三国小屋に着いて、大ショック!橋は直っているとのこと。「だったら、看板、外しておいてよー!」

小屋着17:30。今夜の宿、切合小屋の小屋番さんには非常識だと散々お説教を食らう。が、看板の話をしたところ、「そりゃー、気の毒だったねぇー!」。とたんに態度が優しくなって夕食のレトルトカレーを作ってくれた。この小屋は飯豊連峰で唯一の食事付きの避難小屋。米3合持参で6200円。避難小屋とは思えない料金設定。まあ、何はともあれ、生暖かい800円のビールで乾杯!乾杯!

■2日目/7月27日 三国小屋~飯豊山頂~御西小屋~大日岳(ピストン)~梅花皮小屋

今日は朝から快晴!昨日ガスっていた飯豊本山も、最高峰、大日岳も大きく見える。今日は大日岳をピストンしてから梅花皮小屋まで行く予定。かなりの長丁場になる。相変わらずの超豪華朝食(ご飯、味噌汁、納豆のみ)をいただき、早々に出発する。
歩き出してまもなく高山植物が登山道脇を彩る。ニッコウキスゲ、コバイケイソウ、ヒメサユリ、タツナミソウ、チングルマ、クチバシシオガマ。足元をひっきりなしにガマやらチビやらの蛙が飛び跳ねるのもご愛嬌!ちょっとした岩場、鎖場を過ぎると飯豊山神社。その先の飯豊本山山頂は360度の好展望!でも、のんびりはできず、先を急ぐ。ここからもお花畑。ヒナウスユキソウ、タカネマツムシソウ、そして特産種のイイデリンドウ。その向こうに雪渓を残した大日岳が鎮座している。
御西小屋に大荷物を置き、ほぼ空身で大日岳をピストンする。約1名(男性)が荷物番。平坦な道だったのでちょっとスピードを上げたら、友達がばててしまった。「私、ここで待ってるぅー!」「ダメダメ、行かなくちゃあ!最高峰だよ、最高峰。後悔するよ!」っと、発破をかける。ゆっくり、ゆっくり。それでも、コースタイムより早くに到着!飯豊の最高峰「大日岳」標高2128メートル。

そういえば6年前のGW,ここでビール3本、くれた人がいた。でも、今日はそんな奇特な人はいそうに無い!御西小屋に戻ると荷物番が水を汲んできてくれていて大感激!小屋には水が無いのです。唯一、売っているのは、500円のポカリスエット。ビールは本山同様1缶1000円。ここに泊まらなくて良かったー!

再び重荷を背負って梅花皮小屋に向う。ここからがダラダラとけっこう長い!途中の御手洗池ではシラネアオイの群落が目を楽しませてくれる。ヒーコラしながらやっとのことで烏帽子岳に到着。でも、まだ小屋は見えない!梅花皮岳の下りでやっと小屋が見えてホッとする。到着が遅くなり、部屋は3階の屋根裏。梁に頭がぶつかるがその分ゆったりでラッキーだった。
今夜のメニューは「たらこスパゲッティー」。だが、疲れ切ったメンバーが今日はソーメンが食べたい!と言う。ソーメンは明後日の朝食。でも、水場が近いし、まあ良いか!ここのビールは800円。氷水でビンビンに冷えている。ここで知り合いを見つけ、ビックリ!ほんと、世の中、狭い!

■3日目/7月28日 梅花皮小屋~エブリサシ小屋

朝、小屋の前から日の出を見る。冬は寒くてテントから出たくない。沢の中では日の出は見えない。これが小屋泊まり夏山登山の特権かな?とも思う。今日は6時間行程。のんびりと縦走が楽しめる。でも、今朝の朝焼けが気になる。(お天気、下り坂?)北俣岳は高山植物の山。みんなの足が進まない。「200メートル(水平距離)、1時間だね」って言いながら写真を撮り撮り歩く。「あれ、シナノキンバイ?それともミヤマキンポウゲ?」と思って近づくと、「なーんだ、ニッコウキスゲかー!」ってことが何度もある。ニッコウキスゲには悪いけど、多すぎてちょっと見飽きてしまった!

門内小屋からは、頼母木山の奥にエブリサシ小屋が見えている。しかし南側の空には雲が広がってきている。お盆に通る丸森尾根と梶川尾根の分岐を確認しながら先を急ぐ。頼母木小屋に着くころには雨は時間の問題となる。エブリサシ小屋は完全無人小屋なのでここでビールを調達する。1缶700円、標高が下がったせいか、ちょっとビール代も安くなった。6本調達。
歩き出して30分後、ついに降り出す。強風と雨とガス、花や景色を楽しむ余裕も無く、せっせと歩く。いきなり目の前を走る影!野うさぎだった!

相変わらずの強風の中、小屋から東に50mほど下って水を汲み、ついでにビール冷やし用の雪も取る。小屋に戻ると同時に大荒れ。小屋が飛びそう!雨漏りもしてきた。まもなく若者1人が到着。続いて、16:00前、合流を約束していた友人3名が濡れネズミで到着。冷えたビールとこの時の為に担いできた天ぷらを揚げて乾杯する。やっぱりビールは冷えたのがウマイ!

■4日目/7月29日 エブリサシ小屋~大石ダム
雨は朝まで断続的に降り続く。風も吹き荒れる。大熊尾根は沢沿いだが増水で渡れなくなるほどの渡渉はないと言う。ガスで何にも見えないエブリサシ山頂にタッチ!下山にかかる。

メンバーの4人は今日中に帰京する。電車の時間を焦るのかペースがやたらに速い!私を含む軟弱者3人は胎内泊まりの予定なのでまったく急がない。のんびりと着いて行く。時々広いぶな林の中を通るが概ね黒部の下の廊下(関電歩道)のような右側が断崖絶壁のようなところを歩く。遠くから見るとぞっとするがいざ、行ってみると、道幅があるのでたいしたことは無い。しかし、つまずいて右側に落ちたら命はない。全員、落ちないで無事に下山できますように!と、祈らずにはいられない。

大石ダムの末端にある大吊橋を渡るとりっぱな林道となる。ここに来てやっと一安心!いつもはあまり水を飲まない私も、今日は1リットル以上飲んでしまった。3リットル飲んだ人もいた。
本日の行動時間、8時間。4日間よく歩いた。もう歩くのに飽きてしまった。明日は「二王子岳」に行く予定だったが、朝起きて、曇りだったら中止にしよう!快晴だったら・・・やっぱり登らなくてはならないのかなー?みんな、どうするー?

宿泊予定の胎内パークホテルに着いたら、仙台の友人がメロンとトマトとワインを持って訪ねてきてくれていた。感謝!感激!