H部です。

自身にとって3度めのチャレンジでガンガラシバナへ行ってきました。非常に悩ましい天気のなかルートを完遂でき、感無量です。M中さん、H光さんありがとうございました。

【メンバー】
M中(L)、H光、H部(文)

【7月19日】
11:50入渓→14:00一の俣越→14:40赤場沢→17:00幕営地(標高485m)

入山前の天気予報はなんとも微妙だが、H光さんは晴れると主張している。確かにGPVをみるとそんな気もするが・・・基本的には雨ベースではないのか。
とりあえず初日に今早出沢へ降り立てれば翌日以降のメドはつく。やってやれないことはないだろうという強気の判断で入渓点へ。案の定強めの雨が降っており、沢はコーヒー牛乳色の濁流と化している。雨と水が引くまで車でしばし待機。(というか寝不足解消)

IMGP1777
昼前まで待ってようやく雨が止んだので行動開始すると、同じタイミングで釣り師が戻ってきた。彼らは今早出までは行かなかったらしい。
さて、一ノ俣沢の遡行は用意だが、一ノ俣越へ突き上げる沢は分かりづらい。今回は詰めに入るのが早すぎて無駄に藪を漕いでしまった。3年前も来ているのだが・・・。基本的には沢通しに登り、標高630m付近で左から入る沢を詰め上がるとスムーズにコルへ上がれます。

2014-07-19 12.49.41
一ノ俣越からは踏み跡を使って30分ほどで下降。今早出沢は濁りがあるもののだいぶ平水に近づいているようだ。時間も時間なので安全そうな幕営地を探しながら遡行する。標高485m付近で絶好の幕営地を見つけたので本日の行動は打ち切り。ささやかな焚き火を起こして入山を祝った。

20140719-GR248611
20140719-GR248629

【7月20日】
5:20出発→7:20ガンガラシバナ→10:30登攀終了(&雨宿り)→12:30稜線→16:00ドゾウ平沢出合(ジッピ)→17:00幕営地

夜は雨が降っていたが出発する頃には小雨程度に。水も引いて次第に青空も見え隠れしてきた。2時間ほどでガンガラシバナの取付き。

IMGP1815
IMGP1828
周囲をスラブの大伽藍に囲まれ、雪渓のモヤも相まって荘厳な雰囲気に圧倒される。大滝の基部まで雪渓がつながっているので左壁を巻きながらテラスへあがり、ロープを結ぶ。ルートについては無数に取れるので省略。大体5~6Pくらい、支点は灌木で取ることになるだろう。カムはあまり使えない。

20140720-GR248660
IMGP1861
2014-07-20 07.44.29
2014-07-20 09.00.54
2014-07-20 09.31.36
登攀中から天気が怪しくなり始め、5P目でとうとう雨が降り始めた。大粒の雨が対岸から迫ると同時に、あちこちの壁に200m級の滝が登場するさまはなかなか壮観。早出川の名前は伊達ではなく、壁を流れ落ちるだけだったガンガラシバナの水流もヒョングリの瀑水に変わっていった。登攀終了後、タープを被って1時間ほど雨宿り。雨が止むと同時に再び夏の空が顔を出し、増水するままだった沢からは水が引いてゆく。なんとも切り替わりの早い沢だ。

スコールでスラブ帯に無数の滝が出現

スコールでスラブ帯に無数の滝が出現


ガンガラシバナのスラブ滝が大ヒョングリ滝に

ガンガラシバナのスラブ滝が大ヒョングリ滝に


ここからは断続する雪渓を処理しながら高度を上げ、稜線に出たところで向かい側のドゾウ平沢へ潅木を伝って下降する。標高700m付近までは容易に下降できるが、ここから600m付近までは滝が連続して3回ほどの懸垂を強いられた。

2014-07-20 15.17.32
さて、ドゾウ平沢を下りきった出合が有名なジッピ。山行前の打ち合わせでは上流から下るだけという話も出ていたのだが・・・目の前にするとそんな話はどこへやら。空身でロープを引き、暗く深い用水路のようなゴルジュに入っていく。水流はさほど強くないが、周りの異様な気圧されたか、水から上がった時には思わず雄叫びを上げてしまった。

このあと咆哮をあげ突破する(H部)

このあと咆哮をあげ突破する(H部)


2014-07-20 16.22.09
2014-07-20 16.25.41
そうこうしているうちにまたも天気は悪化。大粒の雨が降り始めると同時に水位が上がり始める。ここでの増水はシャレにならないので安全地帯を探すと、ちょうど尾根が降りてきているポイントを発見。
藪を刈り払ってタープを張った。落ち着いてから沢の様子を見に行くとあちこちから滝が流れ込み、ジッピ付近は白い飛沫が舞い散る大変なことに・・・。怖えー。

IMGP1905
20140720-GR248705

【7月21日】
5:00出発→8:20今出→9:20赤場沢出合→12:20一の俣橋

昨日からグッと水は引いて平水に戻ったよう。まだ水温が低めなので泳ぎは気が乗らないが、一度覚悟を決めて水に浸かってしまえば楽なもの。煌めく水面をプカプカ浮かびながら下降する。一度ひょうたん渕を巻き下った以外は問題になるところも無く、美渓を下っていけばあっという間に今出に到着だ。後ろ髪を引かれながらも遡下降をこなすと、昼過ぎには入渓点に戻ることができた。

IMGP1913
2014-07-21 07.34.21
2014-07-21 08.14.51

<M中感想>

川内山塊は、地形図には「雨裂」の記号、いわゆるガリーが至る所にあるのが特徴的。限られた休みのなか、ガンガラシバナの登攀を含めて「川内で遊ぶ」ためには、この特徴が危険な崩壊地なのか、登ったり、灌木をつないで懸垂したり、ルートとして使える地形なのか、川内山塊のスケール感把握を含め実際見ておく必要があった。
そこで、調査も兼ねて4月に室谷から矢筈岳に登ったわけだが、感想に興味を持ち、声をかけていただいたH光さん、H部さんと今回のパーティー編成となる。
2泊3日でガンガラシバナ登攀&ジッピ。そして7月の雪渓処理、天候不順による停滞も計算に入れてルートを考える。

2日目、予定時刻、雪渓が吐き出す冷気を纏いながら私達は立ちはだかるガンガラシバナの大スラブ壁を前にする。
ここからは当会の二人の若き将軍たちの出番である。

【ガンガラシバナで】
H光「左から行きます~」
H部「ビレイオン!」
M中「ガンバ~」(アッセンダー、アッセンダー…アタフタ…)
M中「しょうがないなぁ、1ピッチぐらいロープ引くかな」(カタカタ…ミシン音(泣))

【ドゾウ平沢の下降で】
H光・H部「ニラ草のなかに灌木隠れてますから、それ掴んで早く来てください」
M中「えっ、この捲きロープ引いてくれないの!?」(プルプル…)

【ジッピで】
H部「ホーゥ……」(ジッピの暗峡を咆哮しつつ突破!)
M中「うわーん!!!」(ジッピにビビりながら浮き輪プカプカ)

【下山後駐車場で】
H光・H部「M中さん、あざーす!」
M中「みんな、おつかれさま!」(フラフラ…)

とても楽しかったです。

<H部感想>
1年目は自分の至らなさから、言うのも恥ずかしいようなミスで入渓前に敗退。2年目はメンバー都合で転進(コレはコレで素晴らしい沢へ行けたのだが)。3年目は私生活の事情で計画を見送り。今年もあわやという天気でしたが、強力メンバーのおかげで当初の計画を完遂できました。
ガンガラシバナとジッピを突破し、3日目に赤場沢出合まで戻ってきた時は感無量。下界に戻りたくない。久々にそう思える山行でした。
M中さん、H光さんありがとうございます。自分にとって会心の登山になりました。

(H部)