戸台川 象の鼻 2015/1/10-12

アイスクライミング

メンバー:Y川、K田、A澤(JECC)

年末に七丈ノ滝を登りに行ったとき、隣りの象の鼻の氷柱がつながっていることを発見する。七丈を登ったあと、相方が1月の連休は、これを登りに来ないかと聞かれる。緊張が走る。

象の鼻の登攀記録を調べると、最新のもので2005年に佐藤裕介、新野ペアの記録がヒットするだけで、それ以後の記録が見当たらない。もしかしたら、10年ぶりの登攀記録になるのかもしれない。記録がないのは、この象の鼻の氷柱がなかなかつながらないためと思われる。今年の戸台のアイスは稀にみる当たり年で、結氷状態が良かった。

1/10(晴れ)
七丈ノ滝沢の出合にテントを設営して、象の鼻の偵察に行く。年末はまだ結氷していなかったF1が登れる状態になり、K田さんも一緒に3人で登る。
40m F1の上のガレ場から象の鼻の氷瀑の全体が見える。下から4ピッチ程のビックルートになっている。最後の象の鼻と言われている氷柱が、年末に見たよりさらに発達してスゴイ形になっている。象の鼻と言うより、足のように巨大化している。

ルートは氷柱の右側が取り付き易いように見えるが、易しそうには見えない。とりあえず、氷瀑の下までトレースを付けに上がる。下の氷瀑も手ごわそうだ。様子が分かったので、年末に見つけたトラバースルートでF1の下に戻り、偵察を終えた。

 戸台P:8:30
丹渓山荘:11:00
七丈ノ沢出合:12:00
象の鼻偵察(F1登攀):12:30~16:00

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
1/11(うす曇りのち雪)
朝6時にテントを出る。昨日付けたトレースのおかげで、象の鼻の氷瀑の取り付きに1時間で着く。

1ピッチ目(A澤)45m 登り易そうに見えたが、とんでもなかった。シャンデリア状で叩き落しながらの登攀。トラバースと垂直のアイス。Ⅵ-

2ピッチ目(Y川)30m 私でもリードできそうな所だったのでリードをする。Ⅳ+

3ピッチ目(A澤)50m 巨大ツララの裏に回りこんで、直登。氷が安定していたので、登り易かったそうです。でも、Ⅴくらい。

4ピッチ目(Y川)最後の象の鼻の取り付きまで10m程。Ⅲ

5ピッチ目(A澤)核心。45m 当初右側のラインを考えていたが、水が垂れていて条件が悪いことが分かった。左側のラインは巨大ツララが行き手を遮り、ルートに取れない。結局、正面から巨大ツララを左に見ながら、直登するラインの氷が良さそうに見えた。下から見ると、少しは寝ているような気がしたが、登ってみたら違った。垂直で難しい。
左のツララに少し体をあずけて休めたのが良かった。テンションしないで、一気に直登する。よくも、リードはアックステンションもしないで登ったと感心する。Ⅵ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
12時に象の鼻の上に出て登攀を終了。昼食を取って、下降に移る。右岸を空中懸垂2回、普通懸垂2回で取り付きに戻る。下降途中から、雪が降り出してきた。

テントではKちゃんがプリンを作って待っていてくれた。我々のテントの近くに別のテントがあった。そのテントの人と思われる方からどこに行ってきたか聞かれる。相方が佐藤裕介さんではないかと気がつく。なんと言う偶然。10年ぶりの再登かもしれない象の鼻の前登者と氷瀑の下で会うとは。
晩ご飯はKちゃんが考えてくれた食事に大満足。我々2人だと、各自用意するとなり、粗末な食事になる。

 テント発:6:00
氷瀑取り付き:7:00
終了    :12:00
取り付き  :14:30
テント   :15:30

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
1/12(晴れ)
今日は舞姫で遊んで、下山にしようと考えていた。が舞姫には10人以上のクライマーがおり、諦めて山荘手前の氷柱に転進することにした。ところが、ここにも先行の3人パティーがいた。難しいらしく、リードを含めフォローも落ちる。時間がかかり、我々は取り付くことを諦めた。4時に戸台に戻った。

 *グレードは私の体感グレードで客観的なものではないです。
*全ピッチアックステンションなしです。

<JECC A澤さん動画>

【JECC 記録】2015.01.16 南ア戸台川流域・象の鼻

ぶなの会

ぶなの会

労山(日本勤労者山岳連盟)加盟 ぶなの会の公式HPです。

関連記事

特集記事

アーカイブ
TOP