S藤H明、S口M恵、I嵐F彰(山岳同人Grappa)

◆S口M恵
3日間の連休。予報では1日目と最終日が雨というやらしい天気となっている。岳沢の予定であったが、案の定、初日から雨が降ったため、予定を変更して、前回ラッセル敗退した奥三の沢へ行くこととした。
雨が止み青空が見え始めた空の下、千畳敷ロープウェイから最低コルへ。前回よりだいぶ雪が締まっていてかなり早く到着。稜線でも降ったのは雪ではなく雨だったのか?

四ノ沢からは、しばらく急斜面で後ろ向きで降りる。男性2人が先に行ってくれて足跡を付けてくれるが、そこはチビの悲しいところ。足跡の間隔が遠くてもたもたしてしまう。
大きなF1とF2が出てきて懸垂で降りる。しかしながら、特に危険なところは無く本流に到着。

心配していた三ノ沢出合までの下降も水にドボチョンすることなく無事に終えることができた。出合いにそびえ立つF1は晴天に青く映え、とても美しかった。

◆S藤H明
奥三は、甘くなかったです。黄蓮谷の右+左の感じです。しかも、かなり長いです。詰めは、槍ヶ岳の硫黄尾根みたいなカチカチの雪壁でした。下山は、目も開けられない程のブリザードに叩かれ、メガネには海老の尻尾が発生、視界0mの中、右往左往しつつ、手探り状態で奇蹟的?に生還しました。本当に危なかったです。

当初、岳沢の計画でした、が、初日の午前、土砂降りのため、前回、3泊4.5日もかかった岳沢に、いつしかアラゴーになった私らが2.5日で行ける筈もなく、敢えなく転進しました。
千畳敷の雪崩れが心配でしたが、まあなんとかなりました。四ノ沢の下降の滑落も心配でしたが、まあなんとかなりました。

滑川の沢床は、テントを張る場所で悩んだ、暖かい・・2000年の甲斐駒ケ岳の事故を思い出す。篠沢と滑沢で同じ日に2人も死んだ。絶対出そうもない場所で埋まってしまった。然るに、安全度の高いところを執拗に主張して張りました。
滑川の沢床のキラキラ雪景色の中、テントを張って、まったりと飲んだのが、ダメでした。やはり初日にF1とF2を終えてないとトータルのタイム的には厳しいものがあります。

雪景色の沢のロマンチックな夜は明けて、いきなりF1(40m)です。噂と違っていて、デカイし立っている。
恐いから、リードしたくなかったが、みんなツベコベ言うので、リードしました。とても美しいブルーアイスで下部が少し寝ていますが上の方は垂直です。

続くF2(60m)は氷結が悪く、こりゃ登れんなぁ、なんて思ったけど、巻く方が遙かに面倒くさそうだったので、騙し騙し登る。そこそこ厳しかった。下は簡単ですが、落ち口の氷が薄くて、荷物担いで登ったせいもあってチビリました。

雪が少ないせいか、その後に続くどの滝もシッカリと氷が露出していて、楽しいというかシンドかったです。♂滝・♀滝は左の雌に入って、次の左ルンゼで行き詰まり、右、左と入って、とうとう訳わかんなくなって、そこから先は迷走しまくって、一か八かで、隣の沢に懸垂したら、きっとそこが、おそらく奥三ノ沢でした。

急なカチカチの雪壁を登って、気がつくと、夕暮れ、奥三ノ沢岳の山頂に立っていました。夜景が美しかったのですが、風が猛烈に強くて、2時間かけてイグルーを組んで、やり過ごしました。
翌朝は、視界0m、天地左右前後・・全くわからず、顔面にブリザードが叩きつけ、メガネには海老の尻尾が発生、人間も飛ぶような悲惨な状況になってしまいました。完璧に死の彷徨状態そのものでした。
島田娘からは、下が真っ白で見えない中、ザイルを連結して100m単位×4ピッチで降りました。マジメな話、その昔のお正月、黒部五郎で死にかけたときにそっくりでした。