メンバー:Y川、A澤(JECC)

鹿島槍に2週間ぶりにまた行ってしまった。今回は氷のリボンが目的。2週間前に主稜に行った際、リボンを拝み、主稜の取り付きでリボンに敗退したパーティーの話を聞き、リボンが気になってた。気になっていたのは、私だけでなくA澤さんも同じだったようだ。月曜日有給が取れると言うことで、すぐにこのルートに行こうと言う計画ができた。

ところで、主稜に行ったときも思ったが、鹿島槍北壁と言う名前がついているが、実際は東壁と言うべきような気がする。陽があれば、サンサンと当たるし、壁は東を向いている。それから、主稜についてもどこが主稜なのかはっきり分かるような稜ではない。稜にこだわって行くパーティーもあるが、雪壁をそのままルンゼに沿って登って行くパーティーの方が多いような気がする。こちらの方が登り易く、スッキリしている。

2週間前に氷のリボンを敗退した人の話によると、氷が雪氷でアックスが効かない状態のため、断念したと言っていた。2週間後の今回、どのように氷瀑が変化しているか不安と楽しみであった。

4/2(土) 晴れ

大谷原の駐車場までもう除雪がされいた。たくさんの車が入っていて、駐車スペースがなく、道脇に駐車する。何十人といるのに、天狗に行くパーティーは我々だけだった。今日は、天狗の頭まで行ければいいので比較的のんびり出る。
ずいぶん雪解けが進み、天狗尾根の下の方はもう雪がなくなっていた。気温が高く、雪が腐っている。ズボズボ入るところもあり、濡れる。2時過ぎ天狗の頭に着く。夜から南向きの風が強くなりそうなので、ブロックを積みなおす。

4/3(日) 曇りのち小雨
 
2時半起床。4時天場を後にする。今回は前回より高めの位置から斜面をトラバースする。雪が比較的柔らかいので、前回ほど緊張はない。しかし、やはり斜面は急だ。ヘッドランプの光を遠くに飛ばすと、見覚えのあるような地形が返ってくる。しかし、なんでこの壁のアプローチはこんなにも恐ろしいのか。はやく、この緊張が終わってほしいと願う。

やがて薄明るくなり、蝶型岩壁も確認でき、回りこむと主稜の取り付きが真下に見えた。左手奥に氷のリボンが見える。取り付きに6時着。ちょうど、1時間半くらいでトラバースした感じになる。6時半登攀を開始する。

氷のリボン

氷のリボン


1p目(A澤)
氷は固く、スクリューは効くようだ。しかし、横からビレしていても、氷瀑が垂直なことが分かる。じわりじわりとA澤さんは登って行く。アックステンションなしで、伸ばしていく。ときどき、上からスノーシャワーが落ちてくる。
40mくらいザイルが伸びた時、ビレ解除のコールが聞こえる。やっと登れる時が来た。と勇んで取り付いたら、最初のアックスの氷が切れたらしく、落ちそうになる。氷の形状がひだひだになっていて、凹んだところにアックスを決めると、中が空洞になっているらしく、氷が切れてしまう。こう言うヒダ状の氷柱は面を登るのと比べ各段とややこしい。アックスを刺した氷が壊れる気がして恐ろしい。登らないと状況は変わらないので、何とか私もテンションしないで、スクリューを回収して登った。

F1

F1


2p目(A澤)
登れそうならリードしようと思っていたが、氷の状態が不安でA澤さんにリードをお願いする。また弱気になってしまった。10mほど登ったところで、A澤さんが苦労している。氷になってなく雪が乗っただけでアックスが効かないらしい。氷瀑の途中でアックスが効かない部分が出て来たら、お手上げになる。なんとか雪壁を騙しながら、3mくらいせり上がり、上の氷に到達した。
それから垂直部を10mほど登ってF2の上に抜け、F3下の灌木まで行った。60mザイルなら灌木まで伸ばせる。しかし、この場所は最悪だった。スノーシャワーの直撃をもろに食らう場所だった。気温の高い湿雪のために、濡れ濡れとなる。

3p目(Y川)
F3は綺麗な氷瀑なのだけれど、1分間に1回の感覚でスノーシャワーが落ちてくる。新雪があったように思えないのにに、何故こんなにも頻繁に落ちてくるのか不思議だ。たぶん、上の雪面が広く、風が強いために風に舞った少ない雪が集まって、スノーシャワーになるような気がする。スクリューも大して効いている感じがしない上、早くスノーシャワ-を避けたい一心で滝の上に出た。
滝上を20mくらい登って、支点を作った。F3の上からは天狗尾根のスカイラインが見える。登攀終了が9時半だった。

F3

F3

ここから雪庇の出ている天狗尾根までが長かった。雪が腐っているために、アイゼンは団子となり、潜った。2週間前のようにアイゼンの爪でサクサク登ることができない。3時間かけて、やっと稜線近くまで行った。そこから稜線に抜けるまでがまた苦労した。簡単に稜線に出られると思ったら、雪が不安定でラッセルがひどい。雪庇の雪も柔らかくて支点にならないらしい。30分ほど悪銭苦闘していると、山スキーヤーが通りがかり、上でピッケルを打ち込んでくれ、這い上がることを手伝ってくれた。2時間で天狗尾根に上がれると思っていたら、なんと3時間以上時間がかかっていた。

稜線に出たのが12時半過ぎ。1時前に天狗尾根を下り始め、頭に着いて、テントを撤収して下山を始めた。途中から雨も降りだし、尾根の最後はトレースが消えてなくなっていたので、下降点を間違えて、変な場所を下りた。
大川の渡渉は靴を履いたままで渡渉し、渡渉を終わったあたりで暗くなり、7時過ぎに大谷原に戻った。濡れ物を脱いで、温泉に急行した。もうあと数年は天狗尾根に来るのは、勘弁してほしい心境だ。

 起床       2:30
 出発       4:00
 リボン取り付き  6:00
 F3の上      9:30
 天狗尾根     12:30
 天狗の頭     15:00
 大谷原       19:10