佐梨川金山沢第4スラブ下部 2016/5/22

アルパイン(夏)

メンバー:Y川L、M中

今回、計画とは違ったルートを登ることになってしまった。アプローチで、金山台地まで行く道を迷ってしまい、初日に第3スラブに取り付くことを諦めたのだ。
以前よりずっとこの金山沢の大スラブが気になっていて狙っていた。今年は雪が少なく、今シーズン行くならこの時しかないような気がした。今週行かなければ、また来年まで課題を残すことになる。そんな訳でM中さんには迷惑な計画を申し出た。M中さんは谷川のαルンゼを希望したが、私は登ったことがあり、この案を却下した。αルンゼなんて、今の人たちは登らないだろうけど、とても面白いルートで、M中さんには以前からお勧めしていた。

計画は第3スラブを登って、郡界尾根からオツルミズ沢上部に出て、越後駒に登るものだった。21日朝出発して、その日は第3スラブを登るつもりでいた。ところが、アプローチの道を間違え、なんと金山台地に着いたのが昼近くになると言うチョンボをしてしまった。アプローチ道をよく研究して置かなかった罰であった。


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21日 晴れ
車を大チョーナ沢の出合の先に停めて佐梨川林道を詰めた。昔は桑の木沢の出合まで車が入れたが、現在は荒れて大チョーナ沢の出合の先までしか入れない。一応、駒の湯の人に断って、佐梨川林道に入った。

桑の木沢出合からは明瞭な踏み跡にそって歩いた。ところが、ある程度歩いたあとで、この道が桑の木沢を詰めあがるだけの道であることが分かった。出合まで戻り返して、本来の踏み跡を探すと、桑の木沢を渡渉する踏み跡を発見した。ところが、ここでもドジを踏んでしまった。本谷沿いの踏み跡に騙されて、それを進んでしまった。そのうち、その踏み跡らしきものも消えてウロウロする羽目になった。


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アプローチ道の概念図が分かっていれば、桑の木沢の左岸沿いに踏み跡があるはずと見当をつけることができていたのに。。そうすれば、分かりにくい踏み跡を追うことができていた。結局踏み跡を見失い、ヤケクソで藪の薄いところを登って行くと、尾根に付いたしっかりした踏み跡に合流した。運がよかった。しかしながら、まだ林道終点から200mくらいしか進んでいなかった。ここまで来るに、なんと2時間以上かかっていた。

それからは、踏み跡に沿って歩くこと30分程で山の神に着いた。さらにそこから1時間ほどで赤岩スラブを横断して金山台地に辿りついた。金山台地は15畳程の平らな所で、人の手で作られたような平らな場所だった。他パーティーの記録だと金山台地まで3時間ほどで着いているが、 我々は5時間半ほどもかかっていた。


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金山台地からは各スラブが正面に良く見え、素晴らしいロケーションの所だった。第3スラブの登攀ラインもよく分かる。ただ、もう昼前となり、これから3スラに取り付く元気はもうなかった。恐らく、中央バンドまで行けるかもしれないが、中央バンドでの快適なビバークは望めなかった。

少し休んで、どうするか決めることにした。今日は金山台地でビバークするにしても、明日はどうしようか?そこで、第4スラブを中央バンドまで登って日帰りで戻った記録を思い出した。第3スラブより第4スラブの方が見応えがするし、規模も大きい。懸垂下降も第4スラブの方が残置ボルトがあるような気がした。
と言うことで、明日は第4スラブを中央バンドまで登って、懸垂で帰ってくる計画にした。ただ、第4スラブに雪渓から取り付けるかどうかはっきりしないので、偵察に行くことにした。


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台地をさらに行ったところから金山沢の雪渓に降りた。第3スラブに行く場合の取り付きあたりは、雪渓が開いてなく、岩壁に簡単に取り付けることが分かった。しかし、第4スラブは2mほど壁と雪渓が開いて、取り付けそうもない。ダメかと諦めかけたときスラブ右寄りになんと、1m程で跨いで渡れるところがあった。明日のために、ハーケンを1本打ってスリングをつないで、跨ぎやすいようにセットした。
2時半には偵察から戻り、夕方までのんびりして、早めに寝た。


佐梨川林道 6:00
金山台地  11:30
偵察    13:00~14:30

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22日 晴れ
4時に起きだして、5時には台地を出た。5時半に第4スラブ下の取り付きにいた。インゼルの左ルート経由で60mザイルで7ピッチ登って、中央バンドに着いた。
9:45着。途中から陽が当たり、喉がカラカラになった。スラブは3級くらいで易しい。足拍子のダイレクトスラブ程度。


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懸垂は右のスラブを使った。灌木支点3、残置ボルト2、ハーケン支点1の計6回の懸垂で、再び雪渓に戻った。
12:30。昼食はチョコレ-トひと箱だけで、お腹が空いた。暑い日となり、汗を吹きながらの下山となった。来るときとは違って、2時間半ほどで車に戻った。4時着。


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*金山台地から観察する限り、3スラの後半のルートは木登りルートに見え、登りたいと思うルートではない。やはり、4スラが一番すっきりしていていい。ただ、強者を退けているルートでもある。気楽に取り付けるルートではない。

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