甲斐駒ヶ岳 黄蓮谷左俣 2008/12/20-22

アイスクライミング

L,S藤H明、S見K子、S口M恵

■S見K子(記)
当初は3時出発でルート不明瞭の五合目からの下りを暗い内に時間で解決し、ビバーグにはならないようにとの計画だったが、偶然居合わせたガイドが、こちらの動きを察知したのか、まさか3時に起きるとか考えてますか?
と探りを入れられ、それでは困るらしく、坊主の滝上に出るアプローチをご案内しますとばかりに結局皆で5時出発になった。

H明さんに言わせると、1時間以上楽なアプローチだし、坊主の滝をカットして、さらに時間短縮だといっていた。状況がよくわからなかった私はあんまりにもあっさり出合いに着き、さらにその出合いの沢が小さくて「えっ?」という感じだった。

夜明けとともに登攀開始。埋まってしまったのか段差のような氷を登り、二俣へ。時々出てくる氷を登り、気がついてみると大滝だった。大滝には昼過ぎに着くのだろうと勝手に想像していたのであんまりにも時間が早くてびっくりだ。今日は天気もよく穏やかで登攀日和というのであろうか、快適なアイスクライミングが楽しめる。
ガイドPはものすごいスピードで、あっという間に行ってしまい、沢床は私たち3人の貸切だ。のんびりと後ろから追いかけられることもなく黄蓮谷左俣のアイスを満喫できた。

今日の氷は状態もよくモノポイントのアイゼンも、バイルも良く決まってうれしい。あんまりにも快適だったので、明日の篠沢七丈瀑も期待したら、夕方から雪が降り出し、朝には雨になっていた。小屋の前には水溜り。篠沢七丈瀑は、今回は登ることができなくてちょっと残念だったが初めての黄蓮谷左俣は楽しいクライミングでした。黒戸尾根がもう少し楽ならもっと快適なクライミングになるのに・・・。

■S口M恵(記)
先週、黄蓮に行った友人は、今年は凍ってなくておもしろくなかったと言っていた。右は7時間のラッセルだったって。私が行くのは左だからそれ程ではないだろうがいやな感じである。小屋へ真っ暗の中帰るの?朝3時起きなのにやだなぁ。黒戸尾根の刃渡りも怖いなぁ。それなら行かなければいいじゃないかとも思うが、やっぱり黄蓮左は一度は行ってみたいのです。

結果は、怖い刃渡りには鎖がついていて全然怖くなく(20年ほど前にはなんにもついてなかった)、先行したガイドさまのおかげでアプローチと帰りの時間が大幅に短縮できて明るい内に悠々と小屋へ帰還できました。
ロープは大滝で2回出してもらったと思います。最後の滝は最初がとても薄く、スクリューは完全に気休めでしたね。あーいやだ、いやだ。

終了してから沢をしばらく詰め、左にトラバースするとあっけなく縦走路に出ました。体力の劣る私はH明氏とS見さんについていけず、ひとりでマイペースで小屋まで歩きました。雪が降り出す中、のんびりと下山するのは気持ちがよかった。

■S藤H明(記)
黄蓮谷左俣は登れましたが、日曜夜から湿雪がたくさん積もって篠沢七丈瀑は登り(れ)ませんでした。
左俣は七丈小屋を朝5時に出発して14時15分の小屋帰還でした。前日1パーティー入っていたのと、恐ろしく速いガイドパーティーが先行してくれたため、ノーラッセルでかなり楽させて貰う。(雪も締まっていました。)

沢床までは田辺新道を使う。五丈小屋跡から降りるよりも圧倒的に早くて安全だが、勝手知った人がいないと降り口がわからない。坊主滝が省略になってしまうが凍っていないとの噂と面白い滝ではないのでパス。大滝までザイル不要。

大滝(60mⅤ-)は難しくないが、上部がスラブにサクサクのベルグラにフワフワの雪が乗った状態で15mほどランナウト・・緊張する。大滝の上のベルグラの滝(35mⅣ+)が核心。岩が透けて見える。スクリューは1/3程度しか入らない。絶対に落ちないと信じて登る。
GPSとガイドパーティーの踏跡のおかげで七丈小屋まで僅か15分のところに飛び出す。

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