[メンバー]
Lビッグワン(記)、大滝モンスター(会員外)
[行動経過(天候・タイム)]
6/25(土) 晴れ
06:40 熊渡
08:30 一ノ滝
09:40 三ノ滝
13:20 大CS滝
15:30 双門ノ滝
18:10 三鈷滝上遡行終了
23:20 熊渡
[ルート概要・特記事項]
間近に迫ったノルウェー遠征に向けて、登攀要素の高くて体力を使う弥山川ゴルジュへ登りに向かった。
実は以前から気になっていていた。大CS滝に僅かに開いた隙間を目指すその大自然の造形美に触れてみたかったのだ。ただし、その穴も年によって開く場所が異なったり、最悪閉じていたりするそうだ。果たして今回はどうなるか。
長野で大滝モンスターと合流し、奈良県を目指してロングドライブ。県内に入ってすぐ仮眠を取ろうとしたが、蚊が鬱陶しくほぼ寝なれず。仕方なく熊渡まで移動。
駐車場から登山道が八経ヶ岳まで続いている。「双門コース」と呼ばれているそうだが、コースにしては橋の枕木が朽ちており、ルートも判別しにくく中々悪い。遭難が多発するのも納得だ。2時間弱で一ノ滝に着く。ここから両岸急激に高度を上げて凄まじく立っており、巨大ゴルジュを形成している。流石、平行距離700m弱で400m高度上げているだけある。クライミングシューズに履き替え。じゃんけんで大滝モンスターからスタート。
一ノ滝は右岸のチムニーから登り、すぐ上の二ノ滝は左岸のフェイスを落ち口まで。どちらも非常に快適。
続く三ノ滝は右岸側を泳いでチムニーの下でビレイ。下界は30℃を越える真夏日の様で濡れても寒さは気にならない。
大滝モンスターがワイドから被ったオフィズスをフリーで越える。#6カムまでふんだんに活用。体感5.10代のワイドだそうだ。フォローはユマールで上がりCS直下で荷揚げ。最近練習しているので、ユマールはそこまで時間掛けず抜ける。
ここから大CS滝まで巨岩帯を進んでいく訳だが、ちょっとした滝でもそれなりに悪い。恐らく岩質が滑りやすく、簡単な登りでも緊張感が伴う。その代わりに岩が硬いのが救いだ。
要所でロープを出したり、ショルダーで小滝を超えていく。途中ビッグワンがゴボウで足を滑らして二の腕を伸ばしてしまった。不覚。落ち込んでいる暇を与える間もなく大CS滝が現れた。
パッと見て弱点が見当たらない。側面にリングボルトが打ってあるが、エイドだとしても手強そうだ。すると滝裏の様子を見てきた大滝モンスターから笑みがこぼれている。見に行くと飛沫の先に一筋の光が差し込んでいるではないか!しかも例年より穴が大きそうだし、水線から外れていて頭からの激シャワーは免れそうだ。
へこんでいる場合じゃない。一瞬リードを譲ろうと頭を過ぎったが、行けるとこまで登ろう。ここは僕の番だ。ゴーグルを装着し腹をくくった。
出だしは左上するクラックにジャムを決めながら大CSの真裏へ。一旦両足を落ち着ける所があるが、そこから垂壁のフレアしたクラック。直上を試みるが断念。身体が丁度入り込める左のCSの隙間から回り込み、ワンポイントカムエイドで、先ほどの直上ライン上部へ合流。すると急に視界が明るくなり穴から脱出できた事を知る。フォローはザックの引き上げに悪戦苦闘したが、肝心の穴はジャストサイズで見事通過。
余韻浸りたいがすぐさま第二のハイライト双門の滝が視界に入る。この時点で時刻は15:30。日帰りで行ける範囲という事で遡行継続。出だしのフェイスはノーロープで。この先流水を横断して対岸のオフィズスに入るのだが、心なしか水量多くないか?瀑水に吹き飛ばされたらひとたまりもない。「無理そうだったら戻ろう。」と一言残し、大滝モンスターは瀑水の彼方へ消えていった。
ロープが動かないのでどうかと思っていた矢先、対岸に黒ヘルメットが見えた。そこからじわじわとワイドからハンドクラックを登りピッチを切る。ザック先に引き上げて貰い、空荷で登る。流芯に近づくと繋がれたロープが暴れ狂っている。何度かためらった。
息を深く吐き一歩前にでる。頭上に降りかかってくる水圧で頭が前を向けない。手探りで腕を伸ばすとガバが、あれ?想像より近くて助かった。
最後はバンドトラバースしクラックを登って終了。双門の滝を越えると渓相は一変、落ち着きを取り戻し明るくなってきた。最後に三鈷滝を越えると登山道はすぐだ。
ここからが大変であった。最難と呼ばれる双門コースとあって道が不明瞭なだけでなく、モンキークライムダウン?まで強いられる。一ノ滝出合までの道のりは、今までの登山人生の中で一二を争う危険度だった。暗闇と疲れでペースが落ちるが、一ノ滝出合まで来れば一安心だ。フラフラと歩きながら星空の元林道を進んでいく。2年前ジロト沢の帰りに見た星空を思い出す。
駐車場に着き倒れる様に眠りについた。 翌日は打って変わって、東大寺&柿の葉寿司を満喫し帰路についた。
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