[メンバー] NG野(記)、Rげん、スージー(会員外)
7/19 8:10 室堂~14:30 剱岳~17:00 三ノ窓
7/20 5:15 三ノ窓~6:30 剱尾根R2~7:00 剱尾根コルB~8:30 中央ルンゼF4下~8:40 下部の岩壁~11:00 ハイマツ帯~12:00 岩稜帯~13:00 上部の岩壁~15:00 剱尾根~15:30 長次郎の頭~16:30 三ノ窓
7/21 4:30 三ノ窓~6:15 剱岳~12:00 室堂
2年前の夏に剱尾根主稜を登ったときに見えた右俣奥壁ドーム稜、近年はあまり登られていないようだが、登山体系に『比較的多くの登攀者を迎えている』とあって、楽しめるルートではないかと興味を持っていた。
ルートは、下部の岩壁が3ピッチ、ハイマツ帯1時間、岩稜帯1時間、上部の岩壁3ピッチという構成で手頃だ。
岩は気を付ける必要はあるが特段に脆いわけでもなく、残置ピン、灌木やハイマツ、カムでプロテクションも取れ、フリーで登れる。
何と言っても景色は雄大で、周辺の人気ルート(チンネ左稜線は10パーティ入っていたとか)と違い、静かなクライミングが楽しめる良いルートであった。
以下に示すグレードは体感。
アプローチ

池ノ谷左俣の雪渓を登り、剱尾根R2へ。
ルート中で雪渓はここだけ。

R2 は、途中のチョックストーン越えが III級くらい。
ノーロープで登れるが、すぐ上に懸垂下降用の支点があるので心配ならロープを出してもよいと思う。

コルBにあがる手前がかなりザレてて悪かった。

コルB から αルンゼを懸垂。

しばらくクライムダウンして、2度目の懸垂。

またクライムダウンして、3度目の懸垂。
これで、中央ルンゼ F4 下に着く。

上部に右俣奥壁ドーム稜の 2ピッチ目に当たる凹角が見える。

右のリッジに上がり、すぐのスラブも登れそうだったが、セルフビレイを取れる残置ピンや灌木が無く、いったん下がったところの踏み跡をもう少し辿る。
そこには灌木があったので、それでセルフビレイを取り、登攀開始。
下部の岩壁

1ピッチ目 III+ 20m (NG野)
出だしは残置ピンが見当たらず、所々に生えている灌木やハイマツにランナーを取って登る。
中間に残置ピンがあり利用。
最後、右に乗りあがったところに、残置ピン3つと汚いスリングがあり、そこをビレイポイントとした。

1ピッチ目のビレイポイントからルートを見下ろす。

2ピッチ目 IV 30m (Rげん)
顕著な凹角に向かい、その凹角を左に回り込んで垂壁を登る。
残置ピン3つのビレイポイントまで。

2ピッチ目のビレイポイントから。
下部の岩壁は日陰で涼しい。

振り返れば、深い谷、険しい稜線、圧倒される力強さ。
やっぱり山はいいなと思う。

3ピッチ目 V+ 40m (スージー)
傾斜の強いスラブを登る。
日射しが射し込んで眩しい。
お助け紐と思われる古びたスリングが垂れている辺りが難しく、残置ピンに加え、ボールナッツを決めて突破。
草付き帯に入り、適当な灌木でビレイ。
ハイマツ帯・岩稜帯

ハイマツ帯に入ると強烈な日差し。
アプローチシューズに履き替えて、1時間ほど登る。

岩稜帯も1時間ほど。
脆そうなところなどあり、部分的にロープを出した。

上部の岩壁に到着。
ここに着く少し前から残置ピンをちょいちょい見かけるようになる。
上部の岩壁

4ピッチ目 IV 30m (スージー)
クラックを登り切り、右の岩稜帯に少し進んだところまで。
ピナクルでビレイ。

5ピッチ目 II 40m (Rげん)
凹角まで岩稜帯を進む。

振り返れば、剱尾根がすぐ隣に見える。
右俣奥壁ドーム稜は、最後、剱尾根に合流する。

マンメリークラック。
これを登れば登攀終了で、ここまで順調にこれて、もう一息。

6ピッチ目 IV 40m (NG野)
出だしが風化してて脆く、少々風化がマシな右寄りから離陸。
マンメリークラックを登り、スラブを少しあがれば、剱尾根の踏み跡に合流。
ハイマツでビレイ。

無事登攀を終え、ほっとする。
ロープを畳み、アプローチシューズに履き替えて、登山道へ向かう。

最後の最後でナイフリッジの下りが結構怖い。
先に見える長次郎の頭に着けば登山道。

今回はメンバーや天気など条件にも恵まれ、静かで雄大な自然に身を置く、右俣奥壁ドーム稜でのクライミングは格別であった!
ギア:ダブルロープ50mx2、キャメロット 03-2、ボールナッツ 1-2、ハーケン(未使用)、ボルト(未使用)、スリング・カラビナなど