○山域ルート:錫杖前衛壁・左方カンテ

○期日:9月29日(土)
○メンバー S山M彦(L)・T塚M

<概要>
○28日(金)
20:10 韮崎駅集合
23:20 新穂高手前5kmの温泉駐車場で車内泊

○29日(土)
04:50 槍見温泉駐車場を出発
07:10 前衛壁・左方カンテ 1ピッチ目登攀開始
10:40 終了・・終日貸し切り・快適な天気だった。
12:20 7回の懸垂で取り付き戻り
14:15 駐車場 戻り
16:40 韮崎駅 解散

<各ピッチ詳細>
①1ピッチ目・S山リード
以前から50m地点の左壁に確保支点があるが、ギリギリなので10m手前の立木にてピッチをきる(2ピッチ目は短いので問題ない)

②2ピッチ目・T塚リード
途中から傾斜が増しうす被り手前の左クラックにカムが決まる。超えると右壁に残置のカムがある。左上に上がりテラスへ。

③3ピッチ目・S山リード
ぺツルの確保支点が心強い。出だしは右から超えた後、カムで支点取れる。ここから核心。右下前方に錆びたボルトがあるが明らかにルートではない。右手上にうす被りフェース上部にクロモリハーケンの残置がある。でもこんな難しい箇所は以前はなかった。(これに騙されてはいけない)
右壁のクラックにカムを決めて、右壁方向へ乗りこすと、4級程度のホールド、スタンスが豊富なカンテがあり、こっちが正解である。終了点まで15m以上のランナウトになるが、昔からも同様だった。 最近の記録を見ると、このピッチでルートミスして皆さん苦労している。

④4ピッチ目・T塚リード
いつもはチムニーが湿っていて不快だが、今回は乾いていて快適なピッチ。
(カムの残置が1個あり)T塚さんもチムニーを楽しまれたご様子。

⑤5ピッチ目・S山リード
ここが核心と事前に予想していた。以前はリングボルトがあったが、それが完全撤去となると、カムを決められるクラックがあるのか?
取り付きのフェース10mはツルツルで落ちたらアウト。右壁との凹部を登ることにする。カムは使えない。2m上の右壁に残置ハーケンあり。
チョックストーン(浮いてる)下のスタンスが安定しているところで、右壁のリスにハーケンを打ち込む(右隣の壁であり、あとの人のために残置)
ここから、バンドを左へトラバースして、中央のクラックに#0.5~#1 のカムを3個使って核心を越えた。以後は残置は皆無なので、途中から右の立木に支点を取って40mのピッチを超えた。時間的にもまずまず順調だった。

⑥6ピッチ目・T塚リード
左方カンテの由来となる快適なピッチ、もちろんT塚さんへリードを譲る。
左の立木を使ってぺツルの支点へ支点を取り、A0 することなく快調に登り見ていてまったく不安なく、確実にカムをセットしながら、ロープを伸ばす。

⑦7ピッチ目・S山リード
ここは以前から何も変わっていないスラブ壁。途中の以前からのぺツル支点も健在であり、傾斜もゆるくなり40m一杯に伸ばして、ぺツル支点の確保点へ。

⑧8ピッチ目・T塚リード
傾斜のゆるい20mを終え山頂。紅葉の始まった槍穂を眺めノンビリと昼食。

<下降>
New左方カンテは、懸垂支点はぺツルの支点が2個づつ整備されているので心強い。
注文の多い料理店に1パーティが居たので、7回の懸垂で登攀ルートを忠実に下降。
懸垂の結び目は解くことなく、ダウンしたロープ端を連続して次の懸垂支点にセットすることで、安全・スピーディに終えることができた。

<リーダーコメント>
初めてT塚さんと実際にお会いしたのは8月1週の小川山。
朝一のアップでマラ岩の上部の”卒業試験10b”を一撃したモチベーションに惚れ込んで、秋には錫杖左方カンテに行きませんか?とお誘いした。
今年のお盆は悪天候で自分の沢合宿は不発、岩合宿の皆さんも雨に祟られたので、9月はしっかりマルチトレーニングして錫杖へ繋ぐことで意気投合。
三つ峠で初めてロープを組んでハーケン打ち抜きとカムの練習をこなした。

22日はプレ本ちゃんとして、小川山の涸沢岩峰群2峰ダイレクトのNPマルチで本格的なカム支点クライミングに慣れ、かつ懸垂の手順も確立してきた。
自分は5回目の2峰だったが、4ピッチ目の10a のクラックは初めてリード、T塚さんも1ピッチ目の10a を余裕でリード、・・心の準備も整った。

もちろん8月末から毎週木曜にインドアに通って持久力UPも完了しておいた。
秋の週末好天なのに、かつての人気ルート左方カンテは我々だけの貸切だった。
他の壁に2パーティ居ただけで、超快適なクライミングを楽しむことができた。
今年の記録をネットで見るにつけ、やはりここまで残置支点を撤去していいのか?
初級者も登れる人気ルートだったのにちょっとやり過ぎでは?という気持ちもある。
とはいえ、会の皆さんは、私とT塚さん(平均年齢58.6歳)のクライミングの実力もご存知のはず(たいしたことはないという意味で(笑))
このレポートを参考にして、楽しんできて欲しいと思います。案ずるより生むが易し。

<T塚コメント>
昨年九月、青梅線の車中でN藤さんに出会い、その後、PUMPで「アルパインはやらないのですか」と聞かれました。「私にはその力はありません」と答えると「ぶなの会にお入りください。一緒にやりましょう」と言われました。N藤さんの言葉が、心に沁みました。
それからちょうど1年、錫杖の左方カンテに行くことができ、充実感があります。
4月から本ちゃんプロジェクトで訓練を積み、六月に谷川、南稜デビュー、八月に剣、八峰Aフェース、魚津高ルートいずれもN藤さんと登らせていただきました。
一区切りついた、という時に、小川山でS山さんとお会いし、秋に錫杖の左方カンテへ行きましょう、ということになりました。

しかし、New左方カンテは「残置ハーケン無し!」 だから①ハーケンをすばやく抜く ②カムを確実にセットして登る ことが必要、ということで、9/8 三つ峠、9/22 小川山マルチNPルート:ダイレクトルートと、S山さんに稽古をつけてもらいました。
なかなか自分はイケる、という気持ちになれなかったのですが、いざ、取り付きに立つと、気負うことなく自然に「さぁ行こう」と、いつものクライミングを楽しむ気持ちになったのがフシギです。
あとは、1ピッチずつ、S山さんのアドバイスをいただきながら、楽しみつつ快適に登ることができました。カムもしっかり効いて、うれしかったです。

S山さん、本当にありがとうございました!感謝!
本ちゃんプロジェクトで鍛えてくださったA山さん、N藤さんにも感謝です。
みなさん、ありがとうございました。