笠ヶ岳 穴毛谷 二ノ沢奥壁 2018/8/10‐13

アルパイン(夏)

【メンバー】L N巻 、M藤

8/10
お盆の一日前に入山したのに、新穂高にある川沿いの無料駐車場はすでに満杯。ロープウェイの一駅分上にある少し遠い無料駐車場に停め、その場で装備合わせをして出発する。
山腹をトラバースしながら登山道を下り、ロープウェイ起点下の登山センター前の車道を川沿いに詰めて行くと林道入り口で、そこには温泉宿が一軒だけある。この宿の駐車場は登山人気で需要が伸び、1日五百円から千円になって数年が経つ。林道を歩き始めて30分もすると左手が開け、目指す穴毛谷二ノ沢の岩場が見える。

北アルプス南部に位置 する笠ガ岳の岩場は、ほとんど登られていない岩場にしては距離的には近くにある。現役の林道から分かれ、橋を渡り自然に帰りつつある廃林道をヤブ漕ぎして穴毛谷本谷に入る。谷筋には一抱えから人間大の岩がゴロゴロしており、来るたびに押し寄せる岩の波は違う姿を見せる。本谷を200mも歩くと右岸から二の沢が出合う。
二の沢は複雑に分岐している沢で、入ると探検気分にさせてくれる。例年は真っ当な雪渓が残る三俣下も例年の半分くらいで難なく通過し、三俣を中俣に入る。

中俣に入り少し行くと二俣があり、それを右に入る。このころから傾斜が徐々に増し、足場の不安定な岩を落とさないように気をつける。右岸の犬歯ルンゼを見送り、なおも二の沢本谷を詰めて行くと右岸にスッキリしたスラブがあり、ここからアプローチの登攀を開始する。スラブを抜けた斜面には浮き石が不安定に積もっており、マシンガンのように落石が飛んでくる。
しかし、ビレーヤーはカンテ裏に隠れ安全だ。その上もボロい壁を少し登り、時間が遅いので傾斜地だが泊まりとした。ツエルトのフライを張っている最中に雨が降り出し、日付が過ぎ1〜2時間したころ止んだ。この日はジメジメの中、お座りビバークで一晩中ズリズリ、ゴロゴロと不快な夜だった。

8/11
朝、行動し始めて1時間ほどすると雨が降り出す。草付きの割合は多いとは言え、テールリッジ的な尾根を濡れたなか3日分の水と食料を持ち、登るのは嫌らしいのでフライを被り待機。
明日以降も天気は安定しないので、普通なら帰るところだが微妙に悪いアプローチを再び来るのが嫌で粘ることにする。雨はやまないが、降ったりやんだりで強くはないので登攀を再開する。

リッジ最上部の岩場から岩壁に入る。ここから、二の沢奥壁右峰岩壁の登攀開始。1〜5P目まで登り4P上で泊まる。
夜はガス時々雨で静寂の垂直世界だが、大規模整地で横になって寝れるのが嬉しい。

8/12
5~10P目を登攀して同ルート下降。前日と同じ4P上で泊まる。夕方から雷雨で大雨のため、ツエルトのフライと本体、それにビニール袋大で防御。

8/13
同ルート下降。朝は、今回唯一の晴れだったが、その後、 曇り時々雨で二の沢本谷上部では不安定な岩をワザと落としながら下山。

今回の登攀ルート: 笠ガ岳、穴毛谷、二の沢、右峰岩壁、人生楽勝ルートの向かって右50mくらいにあるライン

1P、Ⅲ級、50m
2P、5.7、12m、2~4P目はジグザグしており短くピッチを切らなくてはならない。
3P、10a、8m
4P、5.8、15m
5P、Ⅳ級、45m
6P、Ⅱ級、40m
7P、11a、25m、ムーブ多彩で面白い、しかし時間が無かったのでピンクポイント
8P、5.7、60m、最初の数m以外はⅢ級
9P、Ⅲ級、60m
10P、Ⅱ級、20m、最後に上部の偵察

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