滝谷クラック尾根 2015/8/1-2

アルパイン(夏)

メンバー:A山・T内マ

■ 取り付きまで ■
※ 北穂高山荘に取り付きの写真あり。
※ 『2mの凹角、20mの懸垂下降、フィックスロープ』とある。
→ 前日に登攀したH口さん、T濱さん情報によると、B沢はガレガレで懸垂した。トラバース用のフィクスロープもあるが、切れていた。

北穂高山荘から大キレットを下る。小さいはしごを2つ下ったところで、まだ下に続く登山道を右手に、トラバースするように稜線に向かう。踏み跡は明瞭で、至るところに「×」「×」と書いてある。コルに「B沢入り口」と書かれた石がある。

B沢のガレ場は思ったより悪くないのは、前日のH口さん、T濱さんが石を落としてくれたおかげか。

左側を注意しながら降りていくと、尾根の向こう側に「登るならここ」と乗っ越せるような感じの場所がある。
さらに近づくとピトンもあり、腰の高さに『○↑』と書いてある。

NCM_1337

■ タイムレコード・登攀記録 ■
3:20  起床
4:20  北穂高小屋発
5:30  B沢から岩場を30m右斜上→懸垂せずそのままトラバーストポ3P目に合流
10:00 終了点
10:20 下山開始
16:20 上高地

(↓)ピッチを切ったところは必ずしもチャレアル通りではありません。
1P目 T内 30m
2P目 A山 45m
3P目 T内 40m
4P目 A山 40m
5P目 T内 40m
6P目 A山 〈核心〉 40m
7P目 T内 45m
8P目 A山 70m
9P目 T内 25m
10P目 A山 30m

○1P目 T内 30m
30mほど右上。凹角を越えたところで切る。
実は、最初は20mほど上がったところで切ろうとしたが、A山さんに時間がないから行けるところもまで行くように声を掛けられた。よく見ればちゃんと(私でも行けそうな)ルートがあり、反省。

○2P目 A山 45m
懸垂下降せずにそのままトラバース後、カンテを右から回り込んでトポの3P目に出る。

●3P目 T内 40m
リッジ上の凹角からフェースに。傾斜も緩く、快適。

●4P目 A山 40m
高度感が出てきて登攀気分が盛り上がる。快適。

●5P目 T内 40m
開放感のあるピナクルまで登り、旧メガネのコルに降りる。初めての『登ってから降りる』に戸惑うものの、A山さんに「降りるならそれぞれのロープをヌンチャクに掛けて」と声を掛けてもらい納得。
コルは両側が切れ落ちているので、ちょっと覗き込んで高度感を味わいながら歩いた。
「ロープで行けるところまで行くように」という最初のアドバイスを念頭に、トポを無視して旧メガネのコルを通り過ぎ、さらにクラック沿いに登る。クラックとはいえ、手はジャミングが決まり、足はフェースに置くところがあるので、私でも行けるレベル。
久々のジャミングだ~、と思いながら乗っ越す。
岩の側面右側をトラバースするようにロープを延ばすが、そろそろロープがない。
でも、支点を取る場所もない。。
悩んだ挙げ句、残置ハーケン1つとカム2つ(でも番号小さめ)、固定分散で支点を作る。ろくにカムを使ったことがないが、本番なので必死!!!!手前過ぎず、奥過ぎず、下方向に何度も力任せに引っ張り、安定していることを確認した。
(ただし、あとで、1mほど進んだ岩陰にハーケンがあるのをA山さんが発見。ちゃんと見れば、欲しいところに打ってあるものだ、と反省)

●6P目 A山〈核心〉40m
尾根を左側に乗っ越す。尾根に乗ったところに走るクラックがジャンケンクラック。オフィズスサイズ。こちらは2mほど上にハーケンがあるが、その上はなにもない(NPってことだったのでしょう)。
A山さんはピトンに導かれてさらに左側に回り込む。こちらもフェースに2本クラックが走っている。この2本のクラックのうち、左側を登る。
こちらも、手はジャミング、足はフェースに置いたりクラックに入れたりして登った。が、クラックは久々、かつ初心者の私にはクラックにうまく手が決まらず、フォローの強みでレイバック気味にバランスを取りながら登った。ピトンの場所を見ると2本走るクラック。どちらも登れそう。
このフェースの上部で、ほぼ同じ高さでロープを屈曲させて右側にあるピトンにもヌンチャクが掛けてあった。手足の長さの問題で、かなり手足を伸ばして右側に移動して直上。なんでこんな登りにくい登り方をしたのだろう、とA山さんに聞いたら、なんとここでロープが1本出てこなくて大変だったらしい。それはさぞかし恐ろしかったと思う…。
(※というか、私がピッチを切った場所が悪かったせいですよね。。。すみません。。。)

●7P目 T内 45m
トポだと「細いリッジ」だけど、旧メガネのコルの方が細かったような…。
左に回り込み、ガレ場に入るが自分では支点を作れそうなモノがない。
正面のフェースにもピトンが見えるが、ロープの残りが不安。
判断が付かず、ピッチを切る。

●8P目 A山 70m (50mでは足りず、一旦ビレイ解除して同時登攀)
A山さんはぐいぐいとロープを延ばして一気に行った。

●9P目 T内 25m
ちょっと登ると、昨日、小屋の横から覗き込んだときの岩が見えた。もうすぐで終わり。ここでロープを切る。あとから来たA山さんに、「もっと行けそうなのになんで切ったの?」と聞かれ、A山さんがガレ場で最後はかわいそうだと思ったから、と答える。

●10P目 A山 30m
5mほど上がってバンドに出て姿が見えなくなった。と思ったら「ガレ場です…。ピンが必要なところがない…。」と悲しげな声が聞こえた。
トポは「バンドをトラバース、肩へ抜ける」となっているが、さらにリッジを右上し、小屋のすぐ近くで終了。

ガッツポーズ。

NCM_1338

■ 感想(T内マ) ■
楽しかった~(^▽^)/
ガレ場は、去年、剱南壁Aフェースのアプローチ(平蔵のコルから下降)でこわい思いをしての2回目なのでびびっていましたが、あまりこわくありませんでした。
これならGWの剱で急な傾斜を降りたときの方がこわかった…これもぶなの会で経験を積ませていただいたおかげです!
岩場がもろいという話もありましたが、ちゃんと確認して登れば、あとは上を目指して上がるだけ!フリクションも効くし、ホールドも豊富でした。ただ、大きいものも動くので、やっぱり常に確認することが大切だと思いました。
大キレットから見えるので、ちょっと恥ずかしかったです。。
相変わらずの課題は、*ダブルロープの流れを考えること→ゲレンデマルチピッチに行ったり、他人の登りをもっと研究します。*支点の構築を素早くすること→特にセカンド確保するときが遅いので、ジムでもどこでも、時間を見つけて繰り返し練習します。
また、どこまで行ってピッチを切るのかということもものすごく悩んでしまいました。カムも持っているのだから、もう少し思い切ってロープを延ばして、ピッチ数を減らし、スムーズな登攀を心掛けたいです。

NCM_1320

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