L,N島S子、S山W(記)

>遡行図

当初の計画では、新人O部くんを含めて3人で金堀沢左俣を詰め、稜線の反対側の八和川西俣沢を下降~中俣沢遡行で狐穴小屋に集中する予定だった。しかしO部君が抜け2名に。
さらに実際の遡行では、後半の悪天のため金堀沢を詰めた時点で八和下降はあきらめ、以東小屋経由で下山となった。しかし、金堀沢自体は完全に遡行できたの山行き自体は、ほぼ成功でしょう。

■8/11:晴れ
登山口出発8:00~三面小屋10:00~竹ノ沢本流14:20~竹ノ沢出合BP16:00

村田駅からタクシーで三面ダムへ向かう。運転手が言うには、林道が崩壊してい大きく迂回するので、料金が通常の倍くらいかかるとのこと。
S山は寝るとき用の着替えを忘れたので、どこかに開いている服屋はありませんか?と運転手に聞くと運転手が自宅に寄ってくれて長袖のシャツを1枚寄付してくれました。感謝感謝。

登山口に到着しタクシーを降りるとアブ君の熱烈な歓迎を受ける。用足ししたらいきなり急所にキスされた。
登山道を順調に歩いて(恐怖の1本つり橋を渡ったりはするが)2時間ほどで三面小屋に到着。2年前のお盆はガッコ沢を遡行して相模尾根をヘロヘロになって下ってこの小屋にたどり着いたのだなあ、なんてことを思い出してちょっと懐かしい。

ここから先は、地図上では道があることになってはいるが、ほとんど獣道程度の踏み跡しかない。時々踏み跡を見失いヤブコギになる。ヤブコギ混じりで2時間ほど進むと下から人の声がしてタープも見えたので、ブッシュ伝いに竹ノ沢本流に降りることにした。
降りてみたら女性が1人でテントキーパーをしていた。他の人は釣りに行っているとのこと。山岳渓流集団「むげん」の人たちで竹の沢中俣沢を遡行する予定だったが、女性がアプローチで捻挫したので計画は中止。ここベースに釣りしているそうだ。

ここから遡行開始。やはりヤブ歩きより沢歩きは気持ちがよい(アブがいなければさらによい)。とくに問題となる個所もなく1.5時間ほど歩いて竹ノ沢出合着(16:00)。本日の行動はここまで。釣りもしたがボウズ。

■8/12:晴れ
BP6:00~相模沢出合13:15~中俣沢出合14:15~中俣沢出合を過ぎた辺りBP15:50

前日はアプローチだったので、この日からが本番だが、実はあんまり記憶にのこっていません。数メートルの泳ぎ+小滝の登攀+荷揚げの3点セットをひたすら繰り返していたような印象。

泳ぎはS山、登攀はN島さんと、暗黙の役割分担で淡々と進む。N島さんが言うには、数年前に中俣沢を遡行した時よりもだいぶ水量が少ないとのこと。おかげで楽させてもらう。時たま小さな高巻きもあるがすべて比較的簡単に巻ける。魚影は濃い。中俣沢出合の過ぎの連曝帯を越えた辺りで行動停止。タープを張る。

幕場先の滝壺にアブをエサに釣り糸をたらしたら25cmくらいのが一匹釣れた。ハラワタをとって胃袋を裂いたら中から30cmくらいのタコ糸のようなものが3本出てきた。???それが寄生虫だと気がつくまでしばらくかかった。刺身で食べようと思っていたが即中止。よく焼いてから食べました。

■8/13:晴れ
BP6:00~金堀沢左俣出合10:25~逆S字ゴルジュ終了12:50~上部二股付近BP16:00

予報では本日午後から天気が悪化するとのこと。場合によっては左俣は止めて右俣に逃げることも考慮に入れて出発する。朝一で大高巻だがわりと簡単に巻けた。その後は昨日と同じで 泳ぎ+小滝の登攀+荷揚げの3点セットを繰り返す。あいかわらず魚影が濃い。

左俣出合10:30着。休憩しながら作戦会議。なんとなく天気は持ちそうだしペースも順調だし、ということで左俣の逆S字ゴルジュに突入。
入ってみたら威圧感もなく開放的なゴルジュだった。心配した雪渓も皆無。わりと快適に抜けることができた。
その後も小滝やら小さな巻きなどを繰り返し上部二股付近で16:00頃行動停止。

■8/14:雨
出発8:00~稜線登山道9:10~以東小屋9:45

タープを叩く雨音で目が覚めた。タープ下でお茶と朝飯代わりに行動食の残りをモゴモゴ食べる。はじめは小降りだったが出発するころには土砂降りになってしまい、雷まで鳴り出した。

土砂降りのなかを黙々と登る。沢は濁流となって増水しているが、すでに源頭なので遡行に支障があるほどではない。ほどなく登山道に到着。感動している余裕もなくそのまま以東小屋へ向かう。大粒の雨が顔を叩いて痛い。
小屋に到着するとアルバイトの可愛いおねーさんが出迎えてくれた。

その日は一日沈殿。ケータイ、無線で他Pに連絡を試みるがダメだった。他Pは13日入山だから、この天気じゃみんな撤退だろう、と思い、翌日は山を降りることにする。

■8/15:雨のち曇り
以東小屋6:00~JR鶴岡駅12:00

強風雨の中小屋を出発しオツボ峰経由で泡滝へ下山する。幸いにも雨は途中で止んだ。
バスを乗り継いで鶴岡駅到着。ふ~終わった。下界は晴れていて暑かった。

駅前の観光案内所でレンタサイクル(無料)を借りて温泉に行く。途中の100円ショップでTシャツと下着を買えた。
さっぱりしてメシを食っていたらイリソウカPの嘉彦君とケータイが繋がった。縦走、ボッカ、イリソウカPは雨で停滞して合同で温泉にいるとのこと。とりあえず連絡がついて安心した。
山形名物の玉コンニャクとだだちゃ豆を買って帰途につく。

■N島節子コメント
この2年間の夏合宿は2人の若き王子+お局の構図でやってきた。今年もそうなるはずだった。しかしO部君が急遽仕事の都合で行けなくなってしまい、今回はW王子+お局の2人山行となりました。O部君をボルダー青年からどっぷり沢の道にはめるべくトレーニング山行をしてきたのにとても残念でした。長期山行でしか味わえない沢旅の良さを知ってもらえたらな、って思っていましたから。でも一番辛かったのでは彼自身ですね。

今回水量も少なく、天気に恵まれ竹ノ沢下流部のゴルジュも特別苦労することもなく通過できたのでゴルジュ突破に燃えるW君にはかなり物足りなかった模様。5年前に竹ノ沢中俣沢を遡行した時と比べると所要時間が大幅に違い、水量次第でこうも違うものかとあらためて実感した。

資料によれば、金堀沢は左俣に入ってからの逆S字ゴルジュの通過がポイントで、距離にしてわずか500mのそのゴルジュに4時間半を要している。どんな難所があるのやらと気構えていたのだが、閉じ込められたような陰惨さはなく、登攀ルートも弱点があり、また巻きに関してもルートはいたって明瞭に判断できる。天気が良かったことと2人だったこともあり2時間半で抜けられた。

一昨年のガッコ沢、咋年の飯豊川本流は持てる力120%を出し切った感があった気がするけれど、2人で協議した結果今回は8割方の力の出し加減だったということになりました。しかし、たいした巻きでもないのに妙に疲れるのは何でだろう?私だけかと思っていたら、W君もそのようで曰く「2人だと行動しっぱなしで、休んでる暇ないからじゃないっすかぁ」なるほど。そういうことにしておきます。

お天気に恵まれれば金堀沢は竹ノ沢支流の中では入渓しやすいと思いました。特に釣好きの方にお勧めです。魚影の濃さがすごくて、なんと上流域にも。W君が釜を泳いだ瞬間に十数匹の魚影が一斉に拡散する光景はとても美しく一生忘れられません。

それから、竹ノ沢に入渓する際、ひとつ難点があります。三面小屋からキスケ沢出合まで右岸のふみ跡を辿るのが一般的でした。5年前に歩いた時はまだはっきりしていて2時間半もあれば着いていたのですが、今現在の状況はかなり不鮮明で所々ははっきりしていても大分薮に覆われています。ふみ跡が怪しくなってきたらさっさと本流に降りてしまう方がいいのかもしれません。ただ、本流の水量にもよりますが、念のため。

■S山コメント
金堀沢に関する感想はN島さんのコメントとほぼ同感で、条件に恵まれたこともあって8割の力でいけました。決して簡単な沢ではないけれど、思ったより難しくないなあ、ちょと物足りないなあ・・と、自分の実力は棚に上げて、偉そうなことを言ってみる・・。