2022年11月27日に行われた総会にて、ぶなの600号記念誌が配布されました。
この記念誌は会内向けのものなので、ブログをご覧になられている会外の方に共有できないのが申し訳ないですが、いくつかの記録は当HPで公開しているものでもあります。
そもそも600号記念誌が何なのかと申しますと、ぶなでは月に一度会報を発行しており、そのナンバリングが100番台になった時に、これまでの99冊分の内容を記念誌として集約する形で発行しているもの、ということになります。
記念誌を作成することは一年前の総会で決まっておりましたが、2022年3月に月報599号が発行された後、2022年4月から記念誌作成プロジェクトが始動しました。
編集委員としては6名、そのうち2名はデザインチームとして、表紙は写真家であり最近写真展も開かれたクロスケさん、ページデザインは某山雑誌の若手編集者でもあるKHさんに担当してもらいました。
スケジュールとしては、以下の通りとなっております。
Slackでのやりとりを基本としつつ、月次でZoomによる定例会を行い、進捗と今後の作業を確認していきました。
月報のナンバリングが99カウントされるのは、毎月順調に発行すれば8年3ヶ月ですが、たまに合併号になったりもするので、結果的に期間は10年となっています。
ぶなでは年間1000前後の山行が実施されていますので、10年間で約10000の活動が対象ということになり、まずはこちらの活動のリストアップを行いました。
その上で、各活動に詳しい会員に選定を行ってもらい、最終的に約100記録まで絞り込みました。
選定記録は、岩合宿や沢合宿、海外遠征(チョモランマ、ラダック他)、積雪期長期単独縦走、マニアックな雪稜、山スキー初滑降、沢やアイスの開拓、フリー高難度グレードへの挑戦記録など、エリアや活動形態は多岐に渡ります。
選定は山行のレベルだけでなく、文章としての面白さにもこだわりました。そのため、詩情豊かな文体からエキセントリックな言葉使いのものまで、様々な文体の記録が読めるのも魅力となっています。
元々記録自体はあるので原稿データを作成するのは簡単ではと思われるかもしれませんが、今回は読書体験を向上させるために無謀にも縦書きレイアウトに挑戦しましたので、慣れない流し込み作業に非常に苦労しました。Wordの謎挙動には大いに苦しめられましたが、ヘルプメンバーとして通常の会報編集メンバーを中心に4名追加で編集作業に加わって頂き、予定期間をオーバーしながらも何とかやりきることができました。
個々のこだわりとレイアウト統一化のバランスを調整する作業では、タイトな締切に迫られてかなりエキサイトしたやりとりも交わされました。こういった雰囲気も記念誌作成の醍醐味ではあります。
費用を鑑みて基本は白黒ですが、ルート図が入っている部分を中心に16ページをカラーとしました。
元々の予定ではバッファを一ヶ月取っていましたが、最終的にはパーキンソンの法則がきっちり発動して、きれいにバッファを食い潰した上で期限当日の入稿となりました。
総工数は概算で約500時間となり、編集メンバーの本来の仕事の単価に置き換えると、会費三年分ぐらいは払わないといけないボリュームになってしまいました…。
600号記念誌は無事に総会で配布され、当初のお約束通り、無事に会員の皆様の手に届けることができました。編集委員が記念誌に込めた思いは以下の通りです。
10年間の歴史の中で、多くの個性的な人がぶなに集まり、時には離れたり逝去されたりもしました。
会としては常に順風満帆だった訳ではなく、難しい課題に悩まされることもありましたが、その時々の会員の知恵を絞って解決に取り込み、そして今があります。
その足跡を無事に残せたことに安堵しております。
なお、本記念誌は新規入会者にもお渡ししておりますので、当会に興味のある方は是非お問い合わせください。
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