足尾 ウメコバ沢中央岩峰右ルート、松木沢ジャンダルム左ルート 冬期アルパイン 2023/1/21-22

アルパイン(雪山)

クロスケ(記)他参加者多数

栃木で有志で開催されているWCMに参加してきました。

有志とはいえWCM。ウィンタークライマーズミーティング著の「冬期クライミング」は自分も日頃から参考にしているトポの1つ。そんな方々がいるような場所に、クライミング歴2年ちょいで参加して大丈夫か?という気持ちを抱えながら参加してきました。内心はとてもワクワクしてましたが。

30名ほどの参加者が全国から集まり、希望ルート別で組んだパーティーで登攀。そして懇親会。という流れ。

主催の山岳会のみなさまが、トポやテント、ご飯など本当にたくさんの準備をしてくださり、盛大にその恩恵に預かることができました。

朝、駐車場集合で挨拶を交わしてからいざ出発。元からの知り合いも2人いた上、主催の方とは先月偶然山でお会いできていたので、ぶなの会から単独で乗り込んでも問題なく溶け込めました。というか、どこどこで会ったことありますよ!と数人から言われる始末。髪色が派手だから覚えられやすいのかな。

松木沢ジャンダルムのあたりに宿泊装備をデポして、初日はウメコバ沢中央岩峰 右ルートへ。昨年この時期にウメコバ沢アイスにきた時より雪も少ないし、沢は凍っておらず渡渉発生…上流側の飛石で頑張りました。

靴脱いでる方も多数いました。女子たちは脱ぎたくないので渡渉ポイントを念入りに探すという。

右ルートは、私にとっては夏アルパインのデビュールートでもあります。以前登った時は豊富な残置物があったんですが、整備と掃除でかなりすっきりしたルートに様変わりしていました。前はハーケンに導かれるまま何も考えずに登った気がしますが、今回は結構ルーファイに悩みました。

あちらこちらで取り付きます

初めてロープを結ぶ方と3人パーティーで10時半頃登攀開始。共通の知り合いがいる+どっかで会ったことあるということで、コミュニケーション問題なしどころか、ちょっと自分の希望言いすぎた感さえありました。笑

1P クロスケ 20m Ⅲ+

あれ、残置ないな?と思いながら登攀開始。やっぱりアックスとアイゼンだと全然違う。クラックが案外閉じてて満足にプロテクションが取れず、なるべく弱点をつきながら短めに切る。

2P D氏 35m Ⅳ

木が生えたルンゼのラインを登攀。難しくはないがちょっと脆いところがある。フォロー登攀なら心置きなく手を使わずフッキングメインで登れるなぁ。

3P M氏 30m Ⅲ

ここから日陰で寒い

M氏とD氏は同じ山岳会の方。ということで下からアドバイスが飛ぶ。ここも簡単に抜けて、側壁の基部まで。

4P クロスケ 30m Ⅱ

通常は3P目の延長であるライン。側壁の基部を取り付き位置まで詰めていく。階段だが藪に道を阻まれて、冬の装備があちこちでひっかかる。多分ここだ、と思うルートは隣のルートのチームが先に登っていたので、とりあえず作戦会議をしようひとまず切る。

合流してトポと睨めっこすると、やはり思っていたルートが右ルートの続きのようだった。16時には撤収開始というルールがあり、このペースではどちらにせよこのピッチで敗退は間違いない。ならいっそ早めに帰るか。それとも少し待ってもう1ピッチ登るか。せっかくここまできたので登ってきなよということで、リード続投。

5P クロスケ 25m V

先行のリードクライマーもかなり手こずっていた核心ピッチ。フォローのクライマーたちもテンションをいれている。かなり際どいクライミングになりそうだと覚悟を決めてスタート。多分夏にここリードしてるはずなんですが、夏のラインはアイゼンとアックスでは難儀しそう(そもそもプロテクションが全く取れない)で、逆に夏は登れなそうなルンゼっぽいラインを選択。核心部のハング超えは、手も足も粒のようなフッキングしかなく、祈る気持ちで1手ずつカリカリと希望を見出す。善処したけど自分のアックスの引き出しが足りず結局1テンいれちゃいました。悔しい。それでもなんとかエイドはせずに抜けられたのでかなり充実した1ピッチとなりました。

先行さんと合流し、時間切れだからと一緒に懸垂で帰ることに。取り付きに着いた頃にはすでに暗く、周辺で登っていた方々も続々と降りて歩き出してました。

テントに戻ると、30人収容可能な大型テントでは既に懇親会が始まっていました。テントに入ってすぐに温かい豚汁とご飯を受け取り、まずは腹ごしらえ。そのあとも途切れることなく提供される食事と飲料の数々。主催のみなさま本当にご馳走様でした。地元みんみんの餃子、パリパリで最高でした。食後のプリンにも感動したなぁ。

懇親会では各々のルートの話、ルート情報の交換、パートナー募集など、あちらこちらで大盛り上がり。全国の参加者からの近々入ろうと思ってたアイスの氷結状況や、より面白いラインの探究など刺激的な時間でした。そんな時間はあっという間で気づけば丑の刻。それでも尽きない底なしのつまみと酒。どれだけ持ってきたんですか。

持ってきたテントに潜って、あたりが明るくなる頃に起床。

すでに出発した仲間もいる中、のんびり朝ごはんを頂き、「さて、今日はどこに誰と登ろうか」と朝食を共にする仲間と話し合う。

ついに橋ができました!ひゃっほう!

近場でいいんじゃないかということで、松木沢ジャンダルム左ルートへ。今日は偶然にもなんと生年月日が一緒だったK氏と2人で。直上ルートのすぐ左にある取り付きには、岩に「左」の文字。わかりやすい。

1P K氏 Ⅴ 35m

最初からいやーなトラバース、上部にもチムニーと乗っ越しの核心が2箇所あるルート。日も当たるのでリードは素手で登っていく。なんとかフォローでテンションはいれなかったものの、フッキングを全力で信用するシーンがあり、フォローとは言えしびれました。

2P クロスケ Ⅲ 20m

上部岩壁のどこを登っていいのかわからず迷子に。ロープが藪に絡まってしまったので、無理はせず短く切る。

3P K氏 Ⅳ 40m

結局左側を登攀。見た目よりもホールドがあり、クラックも豊富なので快適で楽しいピッチ。上部はガレ場を歩いて上部岩壁の基部まで。

4P クロスケ Ⅳ 35m

どこでも登れそうな大スラブを弱点ぽいところをついていく。適度に難しく楽しい。使う番手失敗して、後半後悔することに。岩の影の終了点も見つけるのに難儀した。

あと2ピッチで抜けられそうだったが本日も時間切れ。ということで下降開始。直上ルート沿いに新旧多々ある支点を使用して懸垂4回で取り付きへ。次は上まで抜けてみたいルートでした。

これだけの人数で同じ山域に入ると、あっちこっちで登攀してる姿が眺められて楽しいし、何あのルート!というのもたくさんあったので、足尾、またぜひきたい場所になりました。とても充実した2日間でした!

しかしその前にもっとうまく速くならないと、歯がたたないとこばかりなので、もっと練習しないと。

主催の方の話では、4〜5年の内にはトポを出したい。とのことでしので、それにも期待です!

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