北ア・剣尾根主稜 2023/5/1-4

アルパイン(雪山)

日程 5月1日から4日まで

メンバー Y田(L)、M井、N島(記)

タイムスタンプ

5/1 室堂11:15→11:55雷鳥沢野営場12:10→13:42剱御前小屋→14:10剱沢野営場(BC)

5/2 BC 5:28→8:05前剱→9:20剱岳9:38→10:47池ノ谷乗越→11:52水場(R10すぐ手前)12:20→12:45コルE 13:14→13:47岩場(1-2P)14:55→15:20コルC(C2)

5/3 C2 4:48→5:25岩場(3P)8:00→8:12岩場(門4P)10:16→10:20岩場(5P)10:40→10:50ドーム11:18→11:30コルB(岩破6P)12:40→12:50雪稜(7P)13:30→15:30剱尾根の頭15:50→長次郎の頭16:10→16:22長次郎のコル→17:37長次郎谷出合17:47→BC 20:00

5/4 BC 7:23→8:08剱御前小屋8:24→9:18雷鳥沢ヒュッテ9:26→10:10室堂


4月30日(前夜)

当然のことながら、本来、定石どおりに馬場島から白萩川を渡渉、池ノ谷を経て取り付くつもりで、4/30昼、東京を出て、一路馬場島に向かった。ところが、折からの強雨、車窓から見る梓川、高原川はあまりにも囂々たる濁流と化していて我々は不安になる。

富山県に入り、問題の白萩川を見てさらに不安は強くなる。一面の白波、これは、沢登り装備で、ガチ本気の渡渉でも行けるかどうかってやつじゃないか。。。。。。

馬場島につき、県警にご挨拶に行くと、お巡りさん、開口一番、「この増水じゃあ、渡渉できないと思うよ。川面、見たでしょ?今は工事中で、高巻き道も使えないし。。。」とおっしゃる。

が、まあ、とりあえず、行ってみて判断します。とお答えし、馬場島でささやかに宴会。

5月1日

早朝に出発し、白萩川沿いの林道を辿る。たしかに、高巻き道は工事のため使えない、そして、渡渉地点にいたって、食い入るように川に見入るが、

無理。これは無理でしょ、渡渉。

ということで、引き返しがてら、さあ、どうする、どうする。。。。と頭をひねる。

飯豊方面に転進?という案も出た。しかし、N島はわがままを言わせてもらうと、GWは剱・黒部にこだわりたかった。じゃあ、立山黒部アルペンルートを使って室堂入りし、八峰?源次郎?などと考えたが、幸い、5月3日、4日の天気予報が好転した。

それなら、室堂から劔の山頂を経て、池ノ谷を下降し、予定通り剱尾根主稜に取り付こう。ということで、ここに、

アルペンルートから室堂→剱沢(ベース)→剱・別山尾根→剱山頂→北方稜線→池ノ谷乗越から池ノ谷下降→剣尾根R10 からコルE→ビバーク→いわゆる「門」(ここまで剣尾根下半部)→剣尾根上半部→剣尾根の頭→長次郎の頭→長次郎谷下降→剱沢ベース戻り→室堂、

という、超長い、かつ、別山尾根プラス剱の山頂経由、さらに北方稜線をかすって主稜に取り付く、という、てんこ盛りな剱尾根主稜計画が、立案されたのである。私のわがままを聞いてくれてありがとう、Y田L・・・。

富山県警に計画変更を伝えると、快く送り出してくださった。急遽アルペンルート立山口に回り、室堂へ。雷鳥坂を登り切ったあたりから、予報通りだが天候悪化、剱沢に幕営しようとするも、固定したはずのテントが吹っ飛んでいく(男性二名が全力で走って捕まえてくれた)トラブル。なんとか幕。急な予定変更に、不安を抱えつつも入山祝い。

2日:風雪のち晴

2時30分起床するも天候回復遅れ、05時30分出発。別山尾根を越え、09時20分、剱山頂に一番乗り。そこから長次郎を超え、池ノ谷乗越から、愛する池ノ谷を一気に下降し、R10 から剱尾根に登り返す。とうとう、憧れの剱尾根主稜に取り付いたのだ、やたら、長いアプローチになっちまったが。。。

下部岩壁、N島リード。コルDとCの間に幕営適地を得てビバーク。このルートの華、「門」は荘厳に聳え立ち、その上を幾望の月が輝く。振り返れば日本海に夕日が沈み、富山県の、水を張ったばかりの水田が日を浴びて、美しく赤々と輝いている。

3日:晴

0300起床、0450発。コルCの岩壁、Y田Lリード。アブミをかけ替えてこなす。次が、「門」、M井が余裕でリードしてくれ、ドームの頭へ。

剣尾根は、ドームの頭までの下半部と、そこから長次郎の頭までの上半部に別れ、下半部が核心である。なので、当初の計画では、ま、下半部さえこなせればいいでしょ、R2を降りて池ノ谷通って帰っても。。。。と思っていたのだが、ドームの頭についた時点でまだ1100過ぎと余裕であったので、上半部も登攀することとする。2ピッチザイルを出す、いずれも容易、野島リード。その先はザイル不要だが、くだらないところで野島が不注意のため20M?程滑落したため、そこだけザイルを出した。

剣尾根の頭1530。長次郎の頭1610。そこから長次郎谷を下降し、剱沢のベースに登り返したのだが、まあ、だらだらと長いこと長いこと、すでに登って降りて登って降りてきた身には、誠にこたえた。

4日:晴

晴天。良く寝た。

N島は、前日滑落したときに足をひねっており、「足首よわよわ君」を自称するM井君に足首を固定してもらっている。一晩経って、痛みが出るのではないかと案じていたのだが、驚いたことに全く痛くなく、腫れもほとんど引いていた。M井君の固定技術は素晴らしい。ありがたい、と感謝するとともに、ヤマやる以上、打ったり捻ったりする可能性はつねにあるのだから、簡単な固定技術くらい、しっかりマスターしておかんとあかんな、自分のためにも、メンバーのためにも。。。と反省するとともに、なんだ、痛くならないんなら、前夜もうちょっとゆっくり飲んでもよかった、とさらに反省した。

劔御前を経て雷鳥坂下降、登り返して室堂1010

長い旅が終わった。ただただ、感謝です。

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