赤沢岳奥壁左岩壁正面チムニールート / 北西壁中央稜 2023/4/22-24

アルパイン(雪山)

【メンバー】 L NG野、みっつん、クロスケ(記)、にしの

【タイムスタンプ】

4/22 7:00扇沢 ~ 12:00 稜線直下BC ~ 15:00 スバリ岳山頂 ~16:00 BC

4/23 5:00 BC発 ~ 6:00 奥壁左岩壁 ~ 6:15 正面チムニールート登攀開始 ~ 13:30 終了 ~ 15:00 赤沢岳頂上 ~ 15:30 BC

4/24 5:00 BC発 ~ 6:00 赤沢岳頂上 ~ 8:00 北西壁中央稜 登攀開始 ~ 15:45 終了 ~ 16:45 BC ~ 19:00 扇沢


前から気になっていた赤沢岳の冬壁。昨年のリベンジに向かうNG野師匠とみっつんに便乗して来ました。

スキーヤーで賑わう扇沢、板の代わりにアイゼンとアックスを担いで屏風尾根へ。昨年に比べて随分雪が少ない模様。尾根はロープこそいらないものの振り返って見ればかっこいい雪稜という雰囲気。汗だくになりながら4時間半ほど歩くと麓から見えてた稜線へ。トポにもあるように本当に素晴らしい幕営的地でした。

スバリ岳中尾根を一応計画してましたが、取り付くには時間がいまいちなので登山道でスバリ岳頂上だけピークハント。明るい時間からテントの中で宴会して明日に備えます。

3時起き5時発で赤沢岳奥壁左岩壁へ。昨年も行っているNG野Pについて行くだけなのでお気軽。笑

壁にはちらほらとベルグラが発達しており、ちゃんと冬壁の様相。クロスケPは取り付くルートを事前に決めていなかったので、壁とトポを睨めっこして正面チムニールートに取り付くことに。NG野師匠Pはリベンジでダイレクトルートに取り付いた様子。ほとんどクライミングシューズで登ったとか。


1P クロスケ Ⅴ 60m

チムニーを詰めるはずが、小ハングが乗っこせず右回りで。悪かった。謎の残置ハーケンに導かれすぎてロープいっぱい中途半端にピッチを切る。

2P にしの Ⅴ 30m

出だしが悪く、右から回り込んだ後は快適な草付き。

3P クロスケ Ⅴ+ 30m

高度感があるフェース。めっちゃ怖い。ちょこちょこ残ってるハーケンをたたき直して使用。傾斜が緩んだところで終了。

4P にしの Ⅲ+ 30m

落石が怖いけど優しいルンゼ状。

5P クロスケ Ⅲ+ 30m

どこでも登れる階段状。岩峰の頭で終了。 隣の尾根ではNG野Pが尾根を詰めてるところだった。

時間もまだ早いので赤沢岳のピークハントをしてから下山。劔がよく見える気持ちのいい山頂でした。


翌日は3人パーティーに編成を変えて北西壁へ。

赤沢岳山頂から北西尾根をちょっと下って、トポ通り?3つ目のコルらしきところを壁に向かってルンゼ下降。こちらは奥壁に比べて寒いのかベルグラも発達してて、ミックスクライミングになりそうな予感。真ん中の中央稜をセレクトしてリードじゃんけん。

1P NG野師匠 Ⅳ+ 30m

階段状からスラブを避けて左回り。トラバースが悪かったが、回り込んだ後は雪壁。のはずが、なぜかフェース側にロープが回されてるので際どいドライに。アイゼンが滑りやすくフォールはしなかったものの悪かった。ロープを頑張って回したらしい師匠は「楽しかったでしょ?」と他人事。取り付きで煽った仇がこんな形で返ってくるとは…。

2P クロスケ Ⅳ 30m

じゃんけんに勝ったのでリードの権利を頂く。ベルグラの張ってる階段状と草付き。どこでも登れる。ピュアアイスをあまり叩き込みたくないので岩で繋げられそうな右上してから左にトラバースするラインをセレクト。チムニーの入り口でピッチを切る。ハイマツがたくさん生えてて嬉しい。

3P NG野師匠 Ⅴ 15m

ベルグラの張ってるチムニー。傾斜が強く、フェースにあがるところがすごく悪い。ボールナッツ2個に命を預けたリードに拍手。にしの好みのクラックがあるよ、と短めにピッチを切る。

4P にしの Ⅴ+ 30m

見た目からして悪そうなので、リードは素手になってトライ。寒いのでフォローはグローブで登攀した。右上するクラックから、フェース、トラバースしてからの雪壁という盛り沢山な内容。案外ホールドがあり見た目ほど悪くなかったがアイゼンではクラックは難しいし、後半の何もない逆層スラブのトラバースはやばかった。 スラブから雪壁に移る時の必死さよ。こんなんよくリードするなぁと感心してしまった。

5P クロスケ Ⅲ+ 50m

左のルンゼか右のルンゼか偵察してから、日も傾きかけて来たのでより優しそうな右回りで。ルンゼの雪壁を詰めて右の岩峰に乗ったあと、草付きとハイマツを使ってまたルンゼの雪壁に戻る。正しい正面壁の真下でピッチを切る。

6P にしの Ⅲ 55m

正面の壁も登りたいとこだが、日が暮れそうなのでルンゼを詰め上がる。途中アイスっぽい箇所もあったが壁に比べたら高速道路のよう。 稜線も視野に入り、ここでロープを畳みガレ場を詰めて北西尾根に出る。

北西壁は日が当たらず風も冷たくすごく寒かったけど、ミックスクライミングが楽しめて素晴らしい壁でした。

絶対ヘッデンだな〜って思ったけど、さすが雪山。下山は高速移動できるので、BCから2時間弱で下山完了!くたくただけど充実の3日間でした。色々あって家に着いたのは1時半と、もう少しで24時間行動になるとこでした。笑。他にもルートたくさんあるのでまた来年も訪れたい場所になりました。


【感想】(にしの)

赤沢岳と聞いてもパッとイメージが沸かなかったのですが、行ってみると立山、剱の絶景をバックに固い岩を登れる素晴らしいエリアでした。また既存のルートも基本的にはハーケンが少ないためルーファイのしがいがあってとても楽しむことができました。
次回はぜひ厳冬季に行きたいのでルーファイ能力を養いたいと思います。


【使用ギア】キャメ#0.1~2、ナッツ、ボールナッツ2set、トライカム

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