山形 黒伏山 秋風ルート 2023/10/8

アルパイン(夏)

【メンバー】 L NG野師匠、クロスケ(記)

【タイムスタンプ】

10/8 7:20駐車場~9:00 取付き開始 ~ 15:20 終了点 ~ 17:00 取付き ~ 18:20 駐車場

昨年のリベンジで今年も師匠と黒伏山へ。

ロクスノ95号に掲載されている「秋風ルート」は、2005年に開拓され、2021年にボルト整備や掃除が入りフリー化されたルート。元々は人工ルートで、全9Pの内5ピッチが10台以上、しかも最高グレードは11bという、難易度高めのルート。

昨年は残念ながら4P目終了点で雨に降られ敗退…

1年越しにリベンジしにはるばる東北の地に行ってきました。

せっかくの3連休なのに、山形の天気は日曜しかよくなさそう。ということで、土曜は少し手前の青葉の岩場で遊び、日曜にトライ。青葉は初来訪でしたが、短しい強度高めの課題ばかりで指が痛かった…

寒い寒いと言いながら、少しのんびり7時過ぎに出発。いきなりの渡渉は泣きそうでした。前は橋かかってたそうだし、去年は飛石で行けたんですけどねぇ。

南壁に着くと珍しく他のクライマーが中央ルンゼ登攀中。

横に荷物を置かせてもらって登攀開始。

今年は昨年やってないピッチを、ということで奇数ピッチを師匠、偶数ピッチをクロスケ担当。ちなみに偶数ピッチに核心が固まってます。

1P 10c 25m 師匠

去年より濃い藪をかき分けながら壁に出る。スラブ主体のシビアなホールドをつなぐ楽しいピッチだけど、朝イチの10cは怖い。昨年はOSならずで悔しかったピッチ。師匠も1手わからずテンションいれてました。去年ミスった場所はルート取りが悪かったことが判明したので、なんとなくスッキリ。

2P 11b 20m クロスケ

このルートの核心で去年はテンテンだったピッチ。今年はこれをRPすることを目標にしてたので、全神経を集中してトライ開始。絶妙にホールドがつながっているカチ系スラブ。何度か体が剥がれそうになったけど、必死に薄いホールドに指をかけ無事RP。本当に出来ると思ってなかったので大満足。ボルトの感覚も近く、ただのスラブ垂壁にとどまらず立体パートもあり、身長があると優位だけどなくてもなんとかなる、個人的には星3個付けたいピッチです。

3P 5.8 30m 師匠

急にボルトがなくなって迷子になるピッチ。今年は迷子にはなったけど、無事正しい終了点に行けた。この辺りから藪が濃い。

4P 10a 40m クロスケ

出だしは超藪漕ぎ。そこから奥の岩壁を左右にふらふらしながらライン取り。珍しくクラックパートがあるので、ここだけカムを使用。とにかくロープが重くなるので要注意。昨年は雨の中登ったので難しく感じたけど、乾いていれば快適で楽しい。

5P 5.9 30m 師匠

出だしのワンポイントが5.9らしいけど、泥と藪がすごくてよくわからない。そのあとはたくさん藪を漕いで、迷いに迷ったあげく左上して灌木でピッチを切る。よく見たら足場にしてた岩に正しい終了点を発見。

6P 10b 35m クロスケ

出だし10m近く藪を漕いでから、RCCとボルトを目指して左上。最初は階段上、上部はRCCが連打された薄かぶり。あぶみ登攀してたんだろうなぁ。先が見えない怖さに打ち勝って、なんとかOS。このピッチの大きなポッケは水たまりになってました。中央ルンゼに取り付いたパーティーは上部がびしょびしょで敗退してたみたいだけど、こっちは大丈夫だろうか。

7P 5.7 25m 師匠

やさしい階段上だけど、1ヶ所よくわからない。このルートは5.7~9はあまりグレードの違いがない気がするし、どのピッチも癖が強い印象。

8P 10d 40m 師匠

奇数ピッチ担当は味気ないので、ここだけバトンタッチ。後半にこういうグレードは疲れもあって痺れる。トポに書いてある出だしの「思いのほか難しい小ハング超え」は「思いのほか」ってレベルじゃなくて、めっちゃくちゃ難しい。しかもなぜかそこはハンガーボルトになってない…凹角に決まってるハーケンに激落ちしたくない、けど探った感じ大胆なマントルムーブが必要そう…これは時間かかりそうだし無理だ!ということで、エイドで突破。抜け口先にもハーケンだかなんだかがあるので、人工での突破はそんなに難しくない。その後は垂壁だけどガバがたくさんあって10dって感じではない。てことは、あの出だしの思いのほか難しい小ハングに10dがついていたのか…?

9P 5.8 20m クロスケ

岩というか森というか。露出面の少ない岩を木でぐいぐい登る。ここは灌木がプロテクションになるから、スリングは多めにあった方がいい。難しくはないけど、泥と濡れでスリップしそうで怖い。最後の終了点は灌木で。

そこから15mほど藪を漕ぐと三十路ルートに合流。三十路ルートの終了点を使って懸垂5回。藪をこぐ部分もあり、細かく切った方が無難。1部40m以上の懸垂もあるのでロープは2本あった方がいいだろいう、ということで、こんなハイグレードなのに無駄に重いシングルロープを背負って登るという、意味のわからなさ。5kgはあるザック背負っての10dとかしんどかったー。それで11b上がってくる師匠もさすがとしか言えない。

思ったより登攀に時間がかかったけど無事トラブルなく下山。昨年は冷たい雨に打たれながら敗退したので寒い印象しかなかった南壁。雲がわきやすい地形なのか日陰の時間が長かったけど、太陽が照ると半袖でも暑いくらいでした。秋風も感じられて、1番いいシーズンに登れた気がします。

秋風ルートに向けて猛練習してた訳ではないけど、今年の外岩では積極的に11台以上にトライしてたのは、このルートが目標にあったから。自分の最高OSグレードの11bを、2トライ目とはいえ1年越しのほぼオンサイトトライでRPできたのは本当に嬉しい。そしてあの、あまり人を褒めない師匠が珍しくすごいと褒めてくれたのも嬉しい。2日間だったけど、はるばる東北遠征に出てきてよかった。長時間の運転ありがとうございました。

帰りに寄ったとんかつ三州屋、ボリュームやばくて美味しかったからまたこの近くに行くことがあったら寄りたい。

【感想】NG野師匠

2021年秋に整備されたという秋風ルート。
黒伏山には、中央ルンぜ、三十路ルートというメジャールートがあるが、これらに遜色しない好ルートでした。
全9ピッチと長さがあり、一部ブッシュなどがあるものの、随所ですっきりしたフェース登りが楽しめます。
去年は雨で途中敗退、今年はルートを抜けたものの、フォールしたり、解決できずA0したところもあったので、また行って楽しみたいなと思っています。

【使用ギア】

60mシングルロープ×2(1本は懸垂用)、カム #0.4~2(0.75までしか使ってない)、ボールナッツ

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