知床半島・海岸線一周 2011/7/31-8/5

登山・縦走

■メンバー
Y田L、I、K池

■日程
7/30羽田空港~女満別空港~ウトロ
7/31ウトロ~タキノ川
8/1タキノ川~ポトピラベツ川
8/2ポトピラベツ川~ポロモイ
8/3ポロモイ~知床岬~赤岩
8/4赤岩~モイレウシ
8/5モイレウシ~相泊~羅臼
8/6羅臼~本別(レンタカー周遊)
8/7本別~女満別空港~羽田空港

●初日(7/31 晴れ ウトロ→タキノ川(C1))
14:00 ルシャの番屋(林道終点)
15:50 タキノ川番屋(C1)

知床林道の終点にあるルシャの番屋から知床半島の事実上の一周は始まる。
昼過ぎから海岸線を歩き始める。なお、ウトロ側はこれより手前は林道が通行禁止、およびルシャ川河口周辺が立ち入り制限区域となっていた。
番屋のオヤジは「タキノ川の番屋は誰もいないんじゃないかな」なんてことを言っていたが、ほどなく正しくない情報とわかる。あんまりよそのこと興味ない人やったんかなぁ。

Iさんは赤石沢でやった捻挫が痛いと言う。まだ先は長いのに…明日はもう少し分担荷物を減らさないと。
まぁこの日はひたすら歩くだけでタキノ川が見えてきた。時間はまだ早いが、すぐ先に泳ぎポイントがあるため本日はここで終了。番屋にテントを張ることを断りにいくと、話の流れで番屋に泊めてもらうことになった。

ここの番屋は定置網でカラフトマスとか鮭を取っているらしいのだが、最近は夏の間は2泊で交代する勤務体制で、人数も少ない(4人だけ)ってことで2階建ての広々とした1Fの隅っこで寝かせてもらうことに。
んで余り物の味噌汁から風呂から色々いただいた。テレビも観られるし快適。しかし知床にいる気がしない。
あと海に釣竿を出すも当たりなし。今年はまだあまりカラフトマスが来てないらしい。

漁師のおっちゃんの話によると10年くらい前は北大ワンゲルとか探検部とかがよく来てたらしく、どうしても我々を学生にしたくてしょうがないらしい。こう見えても平均年齢4○歳なんですが…。
定期的に同じルートをうろつく子連れ熊の話とか、泳ぎ中に熊に会って逃げ帰ってきた女の子の話とかいろいろ聞かせていただく。まぁ戻ってきたパーティの方が印象的なんだろな。

一日いい天気だったのですごい夕焼けが見れた。いつも行く羅臼側は山が邪魔して夕日が見れないのだが、こちらは見事に海へ沈む。明日も夕日と酒が飲めるかと思うとチョー楽しみ。
そして夜、外に出て天の川なんぞ見物する。小屋の常夜灯がまぶしいがそれでも星はすげーたくさん見えた。
ふと気がつくと漁師は寝静まっていたので、われわれも早々に就寝。

●二日目 晴れ(8/1 タキノ川→ポトピラベツ川河口(C2))
9:00 C1
11:05 蛸岩(泳ぎ×2)
12:35 カシュニの滝
14:00 カシュニの岩(泳ぎ×1)
14:20 カバルワタラ(クマ×4)
16:20 ?の岬(泳ぎ×1)
17:05 知床川
17:40 ポトピラベツ川(C2)

核心通過の日。
明け方から漁師さんたちは出かけていった。早い。
が、我らは泳ぎポイントが近いためゆっくり目の出発。
東側に山があり日が当たるのがやや遅いので。
1時間ほどで最初の難関、蛸岩に到着。
どう見てもへつれない岩場となったのでここからは泳ぐしかない。
各自水着に着替え、ボートを膨らませる。渡渉?のシステムだが、2人乗りゴムボートに3人分のザックを乗せ、デイジーチェーンでボートにセルフを取って引っ張って泳ぐ。(両サイド1人ずつ、後ろ1人)
この方法、事前検証なしのぶっつけ本番だったが意外とうまくいった。

水は8月とはいえオホーツクの寒流で冷たい。天気はよいが晴れてないと出てからがひじょーに寒くてしょうがない。
ただ、ボートを引っ張って泳ぐのは思ったより進まない。
30m程度泳ぐだけでもけっこう体力と時間を奪われる。
当初はへつらずまっすぐ入り江を越えるつもりだったが、計画変更して泳ぎは最短距離のラインとする。
2-3本泳いで浜に上陸。ちなみにこの岩は知床岬クルーズの観光スポットなので頻繁に観光船がやってきたので手を振る。けっこう近くまで寄ってきてた。
そのあとのカシュニの滝は滝の裏をへつって回り込むので泳がなくていい?と思いきや最後一本だけ泳がないといけないポイントがあった。ボート膨らましたままでよかった。

この辺でクマに遭遇してる記録が多いし、昨晩の漁師の話もあったので、岩陰にクマが隠れてないかと気にしつつ「ハーイ、ベアー!(←アラスカ風)」と声をかけながら進む。
すると?カバルワタラの廃屋番屋を通り過ぎたあたりで小熊を2頭連れた母熊と遭遇(距離は100m以上)。
こっちに気が付いてはいるが海岸の玉石をひっくり返しての餌取りに母熊が夢中で、近づいてもなかなか動いてくれない。

海岸は狭いのでそこにいると向こうに行けないんだけどなぁ。
じわじわと押し込んでいくと(距離は50mぐらい)根負けしたように進み始め、母熊だけ小熊から離れて土手に上がっていった?かと思えばそれは別の単独のクマだったり。もうわけわからん。
クマのおかげでかなり足止めをくらう。この家族は最終的にはわれらの泳ぐ岬の付け根の崖を巻いていった。やれやれ。

そしてこの日最後の核心と思われる岬を泳ぐ。先端付近まではへつって行けたが、反対側はすっぱり落ちており泳がざるを得ない。ここは波も高くてけっこう大変だった。陸にたどり着いて握手を交わす。このあとは海岸ゴロタ歩きのみ。
夕方やや遅くなったものの、なんとか目的のポトピラベツ川に着く。記録では一段上がった右岸にいいテン場ありとのことだったが、手近にあった左岸も一段上がるといい感じのテン場好適地があったため、ここで終了。
川床すぐ近くで焚き火。乾いた流木が多く快適だった。夕陽を眺めながら酒を飲む。あまりに日常から遠く離れて楽しすぎ。優雅な休暇の過ごし方やなぁ晩飯は…なんだったっけな?忘れた~イケさんごめん。この知床シリーズ最高のテン場でのオレの記憶は、夕陽と酒で占められてます。
そしてサイコー過ぎたためかこの日、オレもIさんも飲み過ぎ、以降の日程の酒がビミョウに足りなくなった。
(記 Y田S)

●三日目 晴れ(8/2 ポトピラベツ川→ポロモイ湾番屋付近)
8:30 C2
10:10 レタラワタラ
10:20 観音岩
11:20 イタシュベワタラ(クマ×3、泳ぎ×1)
13:15 アウンモイ(泳ぎ×2、クマ×3)
16:40 ポロモイ(C3、クマ×3)

イタドリを敷きつめた寝床は最高で、目覚めると知床連山がきれいに見ることができた。8時半に歩き始めころにはガスってきてしまい、連山はもやの中に消えていた。
マムシの川にはマムシエキスが流れているという噂があったが、おいらにはつべたい水であった。オキツチウシ川手前の番屋は完全に崩壊していて土台だけが残っていた。

レタラワタラから観音岩のあたりは石灰岩の奇岩地帯があり、アフガニスタンで見られるような仏塔やら石窟みたいなものがある。池さんは将来ここに住むそうだ。 
フレッシュなうんちがあるなぁと思っていたら、イタシュベワタラ番屋前で昨日遭遇と同じと思われる母子クマと遭遇。 番屋の人達が爆竹で追い払おうとしていて、クマがこっちに逃げてきたが、行きたい方向は反対らしく、番屋の裏を回って向こう側に進んでいった。
我々は番屋前でのんびり「ぶな弁当」を食べる。番屋の人達はとーっても暇そうだ。クマが小さい岬を回りこんで行ったので、適当に距離をとって出発。

◆浅瀬歩き
このあたりは浅瀬が発達しており、おおむね快適な磯歩きで進む。
ただしボートがパンクしたようで、見つけた穴にガムテープを貼ってもそのうちへしゃげて来る。
他に穴がないか探してもよくわからない。ある程度ぺしゃんこになると抜けないので、ガムテープごときじゃ空気圧に耐えられないのかもしれない。使用直前に毎回、空気を入れて何とか乗り切ることにする。
アウンモイの番屋は廃墟だった。記録を読むとアウンモイの先で行き詰まり高巻くとあるが、我々はボートもあるので水線で行く。結果的にたいしたことなかった。アウンモイからポロモイ間は水は冷たかったが海はとーってもきれいだった。
エメラルドグリーンの海はどっかのリゾートを思わせる。こういうところなら泳いでいても気持ちいい!
るんるん気分で角を曲がると、クマがこっちを睨んでる!距離はそこそこあったが油断していたのでドキっとした。
またも例の母子グマ。プレッシャーを与えて(といってもこちらも睨むだけ)やつらを先に歩かせ、適当な距離ができたらこちらも歩くという繰り返し。
どこの子供も同じであるが、かぁちゃんと後をちゃんとついていくガキもいれば、遊びに夢中でなかなか動かないガキもいてなかなか進まない。とりあえず、かぁちゃんが離れれればこちらもホッとする。結局こいつらとはポロモイ番屋近くまで一緒で、最後にはどっかに行ってくれた。

16時半に良かテンバを発見したが、とりあえず200m先の番屋に挨拶に行く。
ポロモイ番屋は、城塞のように石垣と石塀が組まれており、おっさんがクマが危ないから番屋前にテントを張りなと言ってくれたが、電灯が一晩中ついてそうだし、発電機やらもうるさそうなので協議の結果謹んで辞退させていただく。

先程のポロモイ番屋手前でテントを張り、池さんが件の番屋で水とマスの切り身をいただいて戻ってくると、なんとまた母子が我々のテントに向かってくるではないか。
どうもこのテントの向こう側にネグラがあるのか、なんとしてでもテントを越えて行きたそうである。
威圧しても寄ってくるそぶりを見せたので、爆竹を鳴らしてなんとか撃退。爆竹は効かないという前評判であったが熊によるようである。少なくても仔熊はビビっていた。かぁちゃんも「ナニすんのよ」って顔をしかめていたが仔熊もビビルので仕方なく反転していった。ほとぼりが覚めた頃にまた来るんじゃね、と思っていたら予感どおり、30分後ぐらいに今後はテントの断崖側を通過しようとして草むらからかぁちゃんがのぞいてきた。
きっちり目を合わせて睨み返したら、とぼとぼと崖の弱点をついて登って、高巻きルートを行った。ガキんちょは木登りしたりと楽しそうである。
崖の上に行くと仔熊が何度も石の爆撃弾を落としてきてたが、わざとでないと信じたい。
(記:I)

●四日目 小雨のち晴(8/3 ポロモイ湾→赤岩)

8:55 C3(クマ×1)
10:05 メガネ岩(泳ぎ×1)
11:05 文吉湾
12:00 アブラコ湾(知床岬)
13:30 アブラコ出発
13:50 知床岬灯台
14:50 赤岩番屋(C4) (クマ×1)

明け方、テントをポツポツ叩く音で目覚める。
今回初めての雨。
しかしここに居てもしょうがないので小雨の中焚き火準備。
雨は7時前には上がった。

9時に出発して番屋で缶コーヒーもらっていると、モーニングショーが始まった。
主役は昨日の母子ではなく、単独1頭。テンバの方向から登場。出発が遅れていたら、また爆竹騒動であった。
もう誰も驚かない。驚くどころか石塀の中からの見物とあって、まるでクマ牧場である。
キャッキャッ言いながらビデオに収録。主役は上手に消えて行きました。
文吉湾までの海岸ラインはおおむね磯歩きで、ここは巻く記録もあったが奇岩地帯でもあり、引き潮を狙って水線で行きたい。眼鏡岩や獅子岩を見物し、最後に2級程度の岩を登って文吉湾の防波堤へ上がった。文吉湾で武装解除、踏跡があって岬の台地まで上がれる。台地に上がると踏跡はやや不明瞭であるが視界があるので楽勝。

12時、アブラコ湾(知床岬先端)に到着。海上からは見たことがあったが、自分の足で初めて踏んだ知床岬だ。
Y田さんの奥さんが自作した「知床岬」看板が掛けられていたそうだが、世界遺産にとっては廃棄物扱いで処分されたということで残念。
アブラコ湾ではお約束の栗ひろい。Y田さんの話だと、他にも人が入っているらしくツブが小さいとのこと。
大きいのは、潜らないと取れず、この冷たい水温でかなり痺れた。指の痺れが完治するには実際一晩かかった。
小さいとか言いながら3人で大漁収穫。運ぶ手間と剥く手間を考えて小さいのは選別して海に返した。赤岩の途中、岬の灯台に寄っていく。
何年か前の工事道の跡があって歩きやすい。灯台までは石の階段を登っていく。天気も良くなり眺めは絶景であった。
台地を降りるといよいよ赤岩。キタキツネが出迎えてくれた。

今年86歳になる自称キャサリンの番屋へ泊めてもらった。赤岩の番屋はいくつかあるがキャサリン以外誰もいない。
今年は昆布が超絶不漁で、キャサリンが来たのもつい最近らしく、他の人は帰ってしまったか、そもそも来ていないそうだ。
確かにこの先の番屋は、崩浜まで人がいなかった。キャサリンは毎年春から秋まで昆布漁をしに一人この番屋にいる。
一人と言ってもミサキとクロスという犬が一緒。90歳までこの番屋暮らしを続けるという。
先代の犬は熊に食い殺されたにもかかわらずだ。
ネパールで会ったトラを撃退するおかんもすごかったが、このキャサリンもただものではなく、6年前NHKが1時間の特番を組み全国放送したという。是非、M島さんに会わせたい!

噂をすれば、夕方に単独のクマが登場。
ミサキ達はビビリで果敢にアタックもせず、吠えては引き返しを繰り返しながらなんとか追い返した。
キャサリン邸には五右衛門風呂があり、沢水を流木で沸かす。ちょっと浅いがとっても気持ち良かった。
晩飯はとれたてのウニ丼とマス切り身。食後はキャサリン猛烈にしゃべるしゃべる。
22時を過ぎてもしゃべるしゃべる。こちらが眠くて耐えられない。
確かに90歳まで番屋生活できそうなエネルギーとオーラを感じた。

●五日目(8/4 赤岩→モイレウシ)
8:20 C4
9:20 カブト岩
10:45 男滝女滝
13:30 ペキンの鼻
15:40 モイレウシ(C5)

朝5:30頃皆で起きる。良い天気。キャサリンは朝いちから栗剥きに励む。
のんびりしてると腹が減りすぎたI嵐さんがラーメンを作ってくれて、朝食をとった。
キャサリンに別れをつげ、浜を進む。キャサリンの白い犬、ミサキちゃんがずっと我々についてくる。
カブト岩で最初の高巻き。道があるがガレガレなので、横の草の中を登る。
暑さでへろへろだったミサキ、ここはさくっと登り、みんなまだ~?とばかりに上から見下ろしている。
以前Y田さん、S津さん、I藤さんのパーティで知床山行をしたとき、この場所で熊に会い、緊張する状況になったそう。
何度も来ているY田さんは、「はいここが撮影ポイント~」とガイドのようだ。

その後女滝、男滝を通り過ぎ、若い男性二人のパーティに会う。知床岬に行き文吉湾から船で帰るそう。
ミサキはここでこのパーティと一緒に番屋に引き返した。その後も岬までピストンするという3人パーティに会った。
ペキンノ鼻の手前でまた高巻きがある。踏み後があるはずだが不明瞭なので、岩が露出しているところを上がってみた。思ったより悪かった。

15:00過ぎにモイレウシ川河口到着。ここは1件だけある番屋の敷地のような場所。でも番屋が閉まっていたので、テントを張り少し離れて焚き火をした。I嵐さんは釣りに出動!ゴールを前にして酒を切らしていたY田さんは「ティータイムにでもしますか。」と信じられない発言。私は付近で採れた貝で味噌汁を作ってみた。
I嵐さんは7,8匹のオショロコマをゲット。小さいのは網焼きにして食べた。
私はこの旅初の自前のお魚にテンションが上がったが、Y田さんは「オレいらん。。。だって酒無いし。。。」としゅんとした様子。テントに入るとI嵐さんが「熊来るか?ナイトショーか?」とあおる。
確かにこの日はこの旅で初めて、熊に一度も遭遇しなかった。いったいいつ現れるんだと、かえって怖い。しかしナイトショーは無く、夜は平和に過ぎた。

●六日目(8/5 モイレウシ→相泊→(ウトロでレンタカー回収)→羅臼)
8:50 C5
9:20 タケノコ岩付近(クマ×1)
10:30 トッカリ瀬
11:00 観音岩
13:00 相泊

未明に釣り人を乗せた船が湾に入り、明るくなる頃また移動して行った。朝から濃霧、時々弱い雨。
引き潮待ちもあるのでゆっくりと9:00前に出発。
途中の巨岩帯で、この旅において最も至近距離で熊と遭遇。岩と岩の間を通過しトンネルから出るような形で開けた場所に出たら、いた。距離約3m。
熊鈴をつけ、「ハ~イベア~(アラスカレンジャー風)」と大声で呼びかけながらトンネルから出たので、あちらは気づいていた様子。ダッシュで逃げてくれた。

私の方は、「いるわいるわ。」と慌ててトンネル出口に登りかえした。若い熊だった。
泳ぎの懸念のあったトッカリ瀬は引き潮で所々岩が出ており、用意した棒でバランスを取りつつ繋いで楽々通過。
ここで親子(人間)が渡れずに停滞していたので、棒を譲った。

崩浜まで来ると、全ての番屋が開いてフル稼働。大勢人がおり昆布の加工に精を出している。
家族総出らしく、小学生が重機を操縦しているのを見て驚いた。
13:00相泊到着。ゴールだ!歩いてすぐの海岸の温泉で汗を流し、ヒッチハイクで羅臼まで。
乗せてくれたのは漁師さんで、別れ際に鹿肉のブロックをくれた。
その後は道の駅に荷物を置いてウトロまでヒッチ。好奇心旺盛な若い女性二人組みが乗せてくれた。
ウトロで車を回収し、日が暮れる前には羅臼の温泉付きキャンプ場に落ち着き、乾杯した。
(記:K池)

【K池感想】
せっかくの機会だからと、あまり下調べも出来ずに飛び込んだ知床の旅。
熊、潮の満ち引き、水平線に沈む夕日、番屋と漁師、ライダー。。。私には新しいもの尽くしだった。
特に動物との濃厚な出会いと、キャサリンという女性を知ったのは大きかった。
特別な旅なので、これからじっくり時間をかけて消化して、自分の中にも新しい計画が出来るといいなと思う。
旅慣れたY田さん、Iさん、初めてのおつかいみたいな私の面倒を見てくれてありがとうござました。
二人の水平移動志向や過去の旅の話も面白かった。Y田さん、誘ってくれたこと、下山後も北海道グルメをめぐりめぐってくれたこと、ありがとうございました!

【I感想】
大学時代、チャリンコで北海道を回っていた時、羅臼で知床岬まで歩けることを知った。
確か当時は往復でも2~3泊の行程だったと記憶している。この時、なぜか行かずに宿題としてしまった。
知床峠をチャリで越え、ウトロから漁船に乗せてもらって岬まで行ったが、断崖が多く斜里側のトレッキングはかなり大変だなぁと感じ、行くならやはり羅臼ラインだろうと思い、当時一周なんてことは思いもしなかった。
Y田さんから一周の話を聞き、斜里側はどうすんの?ということで記録をいくつか教えてもらい、本を買いいろいろ調べた。
確かに完全な断崖はルシャまでのようだ。と同時に友人がカヤックで一周し、いてもたっていられなくなった。
今回Y田さんも私も、妻の出産という大イベントを抱えて日程調整がとても大変で、なんども挫折しかかったが、結果的に踏破できて本当に幸せである。メンバーと家内に感謝したい。
(おまけ)踏破後、ライダーN野さんに会い、またバイクで北の大地を走りたくなった。

【Y田感想】
初めて知床岬に歩いて行ったのはツーリングライダー時代の2003年。山の世界に飛び込むきっかけを与えてくれた場所。
その時から「いつかは一周」と考えていた。真剣に考えるようになったのは5年くらい前から。
しかし一般のトレッカーでも容易に入れる羅臼側と異なり、斜里側は地形も厳しく泳ぎもあるため近年はほとんど記録を見ない。そしてヒグマだらけという話…。当時、まわりに一緒に行けそうな山をしてる人もおらず。
仲間を求め山岳会の門を叩くきっかけともなった。(山じゃないけど…まぁきっかけですから。)
今年、ここ数年来最大の障害だった知床林道通行止め解除のニュースを見て居ても立ってもおられず、今回の知床行きとなった。
知床の海岸は手付かずの自然、とか人跡未踏、とかいう感じではなく、古くから漁師を中心に人はたくさん入っており観光船も毎日のように来る。

舟や人工物を見ない日はないのだが、それでも海と山の豊かな自然は圧倒的だった。
毎日、海に沈む夕陽と酒を飲める時間が持てるってなんて贅沢なんだろうと思った。
Iさん、K池さんと3人で行くのは初めてだったがおそらく山旅志向という意味で近かったんではないか。
みんなそれぞれこの旅を満喫できたのかなぁと思う。ありがとうございました。
最後に個人的な話ですが、8/6に予定日を控えながらも快く送り出してくれた妻に感謝したいと思います。ありがとう。
そして・・・知床から帰った数日後、娘が生まれました。「美岬(みさき)」と名づけました。
(あれ、どっかのワンコと同じ名前だ…)いつか一緒に知床岬に行く日が来るか…な?

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