■2012年10月13日(土)
■S藤H明、O田M彦
■奥秩父 瑞牆山 カンマンボロン岩 大ハングルート

下部は、前回の敗退時に5ピッチかかった90mを、3ピッチ1時間で快調に仕上げる。
1ピッチ目は相変わらずなんとも悪い。ピンはH明が4年前に中央洞穴を登った時に打った残置1本。仕方ないので概ねカムでとって行く。
2ピッチと3ピッチ目は頭上のボルトラダーを1ピッチで登ってもよいが、中央洞穴方向へフリーで登る。
そして、いよいよ、核心の大ハング、垂直20m+ルーフ30m+出口のリップ5mをリードとフォローとで合計7時間!!もかけて登る。二人とも下手だと思う。


垂直部20mはややピンが遠いが普通の人工、切れそうなボロボロのシュリンゲを死んだ気で摑んで、ルーフ付け根に至る。
ここから、水平移動開始、最初の3ピンまでは壁があるが、いよいよ足ぶらの宙吊り状態になる。途中、極端に遠いピンが出てきて、眼下110mの空間をターザン方式で空中遊泳する。
そしてピンが完全に途絶える、ツバメの巣の先にある錆びたリングボルトの頭に、尋常ではない伸びで執念でインクノットを掛ける、そして、ソロリと体重移動。とりあえず飛ばない。ほっ。次は抜けそうな錆びたハーケン一枚に目をつむって乗る。

そこから、名物の完全ルーフがメゲルくらい延々と続く。ヘルメットが天井に当たるまで、高く立ち上がり、必死に伸びをして隣のピンをとる。コツは、可能な限り高いステップに足を入れて、両手ゴボウで立ち上がり、3秒以内(力尽き果てる前)に狙った位置にフィフィを入れる。
残置シュリンゲは長年の風化で擦れて、芯が露出している為、そっと乗ってからシュリンゲを補強して進む。


最後のリップは、あまりの困難さに絶望的になる。とにかく、立てない、次のピンが取れない、心身ともに限界状態、最後の力を振り絞ってジリジリとフィフィ位置を上げる・・そしたら、天井を蹴ることができた!蹴り上げる瞬間に立ち上がりチョンボを繰り出す。取れた!
それにしても、このピッチは、リードが登れたとして、もしも、フォローが途中で力尽きると、降ろすも助けるもできないという危険な状態に陥ってしまいます。

ルーフを抜けて、すっかり脱け殻・廃人状態なのに、ここから厳しい夜間登攀が始まる。
易しいボルトラダーからフリー混じり50mを登り終了と思ったら、ありゃー未だあった!・・最終ピッチの脆くて急峻なチムニー・・ノーピンのためカムのみでプロテクション・・を40mを登って、足腰立たないくらいのヘトヘト状態で終了。
暗闇の中、パートナーと固い握手。カンマンボロン岩塔の反対側に懸垂4回で着地。暖かいテントに戻って、創作焼きそばと安物ワインで完登祝いの宴会の中・・いつしか意識不明・・気がついたら朝でした。