谷川岳 一ノ倉沢 2ルンゼ~滝沢上部Aルンゼ 2012/10/12

アルパイン(夏)

天候:晴れ~雨~晴れ~ガス~晴れ
4:30ベースプラザ発~5:20一の倉出合発~7:10/7:30 2ルンゼ取付~12:20ザッテル~13:00広河原発~18:30Aルンゼ終了点~21:00国境稜線~23:50ベースプラザ帰着

満天の星空の下ベースプラザを出発、幸先良いスタート。
テールリッジをアクアステルスで快調に飛ばすと、見えてくるのが滝沢スラブとドーム、そしてマッターホルン状岩峰。今日はそこまで行くわけだ。途中晴れ間ものぞくが2ルンゼ取付きで無情の雨。結構降られて岩はビショビショ、水流ジャージャーながら所詮ルンゼと割り切って2ルンゼ突入!
ここまで来たら雨でもヤリでもかかってきやがれ!雨は結局1~2時間降り続いた。

その2ルンゼ、トポでは全6ピッチとあるが途中2ルンゼ突入!雨に負けるな!切りやすいところで適宜ピッチを切って進む。
Wさんはクライミングシューズ、T城は沢靴。核心の2・3ピッチ目はさほどの難しさも感じないままクリア。欲しいところにしっかりハーケンが打ってありありがたく拝借。後半は傾斜もゆるみノーロープ登攀を試みるが、再びロープが欲しくなるピッチが現れスタカットのまま石門をくぐってザッテルへ抜けた。細かくピッチを切ったせいか案外時間をかけてしまった。

再び晴れ間の広がるザッテルからは滝沢上部が一望。右手前からD/C/Bルンゼが連なり、正面のドームとマッターホルン状岩峰との間に吸い込まれるようなAルンゼが一直線に天空へ続く。そしてルンゼを源とした清流は、さらさらと滝沢本谷を流れ落ちていく。

ここに立てたということに、感無量。そして山場まだはこれからという思いを抱きながらも、まだ時間が早いから明るいうちに抜けるだろうという大甘な観測は、このあと見事に打ち砕かれる。Aルンゼ全体が小粒ながら難しい滝の連なる登攀的な沢なのだ。

・最初の滝、仮称F1/W 黒い岩のフェース状。水流の右、細かいホールドを探りながら登る。5m。

・仮F2/T城 残念ながら記憶なし。たぶん、易しかったから?

・仮F3/W  残念ながら記憶なし。同じく。

・仮F4/T城 チムニー滝。下部がかぶり気味で手強い。A0/A1/アブミ、あの手この手でどうにか突破。寒空のシャワークライム。8m。

・仮F5/W 残念ながら記憶なし。記憶といえば手が冷えて猛烈に痛かった。たぶん難しかった。

・仮F6/W 残置スリングあり。だいぶイヤラシイ。Wさんも「怖い」を連発しながら行きつ戻りつ。最後は右壁の被った岩をアブミで強行突破。フォローでも怖い!(登山大系中の10m滝Ⅳ?)

ザッテルでは開けていた視界も、F1を過ぎて再びガス。多分F1付近でCルンゼを分け、F4あたりからドーム・マッターホルン間に分け入っていると思うけど・・・。見上げれば両側ともガスの中に薄くそそり立つ岩肌が見える。今どこにいるのか?終了点はまだなのか?だいぶ時間も押してきて、日没への切迫感とともにプレッシャーがかかる。

F6を超えると、やっと最後のクラックのある壁にたどり着く。既に日没を過ぎ薄明かりの中取りつくがついに途中で真っ暗になる。真っ暗クライミングなんて初めてだ!正直ビビって短くピッチを切り、続くWさんが終了点までロープを伸ばす。そしてどうにか暗闇の中終了点にたどり着くも、ヤッターと思う暇もなく、今度は稜線目指して草付きを行く。

滑落は命取りのためロープをつないだまま、スタカットで慎重に。すぐに尾根に上がるが、暗闇にボンヤリ浮かぶシルエットから想像するに稜線はまだまだ遠そうだ。3ルンゼのようなイヤラシイ笹薮はないが、枯れ草を束ねて登るのも違ったイヤラシさあり。吹き付ける風に凍えながら、5ピッチ+5mで国境稜線に飛び出したのはちょうど21:00、再びよく晴れて水上の夜景が美しかった。

ぶなの会

ぶなの会

労山(日本勤労者山岳連盟)加盟 ぶなの会の公式HPです。

関連記事

特集記事

アーカイブ
TOP