3/16(土)と 17(日)の錫杖岳の3ルンゼの報告です。

初日、間違ってP4ダイレクトに取り付いてしまって・・最初のピッチはアイストンネルを快適?に登って、次のピッチで右往左往、ノーピンにして凄く難しい・・こりゃ違うと敗退。その日は正しい3ルンゼの取り付きを確認して一旦下山、早々の宴会。
翌朝、2時半起床で再びアタック、ヘトヘトでしたが、快晴に恵まれて素晴らしい景色の中、なんとか登ることができました。

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【O田さん】
下りにも関わらず足取りは非常に重かった。土曜、ルートミスで登山口の駐車場まで戻る雪道の中途のことである。
こともあろうか、この帰り道、リーダーが、「正しい3ルンゼを見つけたので、明朝早起きして再アタックしよう!」などと言い出してパーティー皆が乗り気配なのた。

O田としては、敗退でも、下山したら、温泉ぬくぬく、ビールしゅっわと、焼肉じゅーじゅー、ワインじゃばじゃばで、日曜は寝坊して惰眠をむさぼり、このままノンビリ帰京、という腹づもりであった。あげく「今日は下山しても温泉はなし、明日に備えましょう」と女性とは思えない輩まで出る始末。

翌朝起床タクティクスに考えを巡らすと、H明リーダー&M恵さんはワインをシコタマ嗜らせば寝坊必須。今回、金曜日に明大前17時集合・出発で土曜の早立ちに備えたはずなのに、土曜朝の3時間以上寝坊で証明済み。M田ちゃんはポカ好きなのでまっ敵じゃないな。唯一、読めないのがS原さん。どんな朝行動をとるか油断禁物、寝たふり作戦は通用するのか。

そして迎えた日曜の朝、というか深夜1時、ふと目を覚ますと月夜に映っての蠢く影が……。寝ぼけ眼で時計確認して引き続き睡眠続行だが気が付くと2時半、皆、しっかり起き上がっているではないか。影の正体は菅さんで1時には既に起きていたらしい。これでは寝たふり作戦ではかなうはずがない。
日曜は3時半駐車場スタート。前日に増して足取りは重かったのは雪道が登りのせいだけではない。ナント、当日になってM恵さんから膝の調子が悪く参加辞退の申し出があったからである。

今回のザイルの予定は、リード・H明リーダーでM恵さん&O田はフォロー。「ステキ!韓国で登りこんで一段とかっこいい!」とリード役を下から囃し立てて「あのリードのアイゼンやバイルの打ち込み方って性格がモロ出てるよね。40歳越えるといろいろ出るから人として注意しましょ」ってM恵さんとビレー中にアホ話しながら延々とフォローで楽しく登るつもりでした。それがツルベになってしまうではないか。
取り付きでリーダーに「小生はアイス小学2年生だからフォローに徹するのでよろしくお願いします!」とアイコンタクトしてもまったく目力が弱いのか意思疎通コミュニケーションに失敗でした。

肝心の登りはツルベで5P。リード中、喚くこと少々。登りタイム3:35は状態が好天ベストだったこともあったけどまぁまぁだったとは思います。
寒くない錫丈、最高っす!

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【M田さん】
楽しみにしていた一の倉尾根が雪の状態悪く中止となり、転進先として八ヶ岳権現東稜が候補に。一週間前に天狗に行ったばかりだったので、わくわく。ところが決定した転進先は錫杖3ルンゼ。錫杖なんて自分には遠い遠い世界だと思っていたので、決まったその夜は恐ろしくてよく眠れなかった。

1日目、3ルンゼと間違ってP4チムニーにとりついてしまう。
チョックストーンの中を氷の滝水がジャージャー流れる穴をくぐる。ビッチョビチョになり飛び出すが目の前に見える景色は登れる雰囲気ではない。
敗退決まった瞬間、皆に申し訳ないがちょっとホットしてしまった。

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2日目、昨日敗退後の偵察で3ルンゼを確認でき、本日早朝3時30分出発、やっぱり行くですか3ルンゼ。
1P目のみ、ロープ出さなくても行けそうな雪のルンゼだったのでリードさせてもらう。そのあとのピッチは完全S原ガイドによるガイド山行。しかし、金払ってないのでフォローの自分は2人分のビバーク装備担いで登攀。そう甘くなかった。重い!!

3P目で雪氷と岩の狭い狭い隙間を通り上に這いあがらないといけない箇所でザックが前にも後ろにも動かず、体が完全ロック。大谷不動で氷人形となってしまったが、今回は雪氷人形か?必死でゴリゴリ格闘。やっと抜けれたと思いきや短いハング箇所はバーチカルアイス。ここは今までの練習の成果か?サクッとあがれびっくりした。

4P目以降、先行が苦戦しているのか?リードS原さんのロープの動きがときどき止まってしまう。この日、無風快晴、気温はどんどんあがり最後尾を登る自分の下から氷や雪がどんどん落ちる音がする。待ってる時間長いといろんなものが目に入ってしまい、悪い妄想しまくり。

おまじないのような雪氷のスクリューや、ぼろ枝、ぼろハーケンからランナーを回収しながら、終盤アブミ箇所へ到着。ワンポイントだけなんで、リードだけど私が荷物担いであがりましょう・・とS原さん男気を見せる。荷物背負ってるとアブミで抜けるの大変そう。下から見ていて落ちないで落ちないでと祈る。

最終ピッチ。傾斜も緩くなり、ほぼツボ足。最終地点にたどり着いて見えた槍や穂高の景色はすばらしかったです。

パートナーS原さん、おんぶしまくりでしたが、いい経験させてもらいました。辛抱強く引っ張ってくれてありがとうございました。

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【S原さん】
2013/3/17(日)
(タイム)起床2:30-新穂高温泉駐車場3:30-6:00 3ルンゼ取り付き

体調不良のM恵さんにテントキーパーしてもらい、暗い登山道を前衛壁に向かう。前日の3ルンゼ偵察(彷徨とも言う)の疲れからか、何故か元気なO田さん以外は皆足取りが重い。

(タイム)3ルンゼ取り付き6:30-12:00 3ルンゼのコル-岩小舎14:30新穂高温泉駐車場

■P1 Ⅲ 40m M田 F1

■P2 Ⅲ 30m S原 F2 ここまでは硬い雪に埋もれた凹角登り。

■P3 Ⅳ 40m S原 F3 右のベルグラから右壁との間のシュルントをずり上がり短い垂直の氷柱を越える。シュルントを抜けた奥に古いボルト。

■P4 Ⅳ 50m S原 F4-F5 チョックストーンCSと右壁の間にできた氷床のトンネルをくぐり左上に抜け出て氷の凹角を進む。ザックをひとつにまとめフォローに担いでもらったので穴をくぐるのに苦労したようだ。

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■P5 Ⅳ 50m S原 F6 二番目のCS左の岩壁をワンポイントのプレートアブミで越える。CSの上は硬い雪(氷ではないのでバイルが甘い)なので、乗り越えるのに緊張する。その後は雪の急斜面を詰めて3ルンゼのコルに抜ける。

支点は主にスクリューでとったが、雪面の緩い凹角では、岩壁のピトンやクラックでのカムを使った。F6ではCS端と左壁の間に#2のカムが決まった。

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ルンゼを登っている途中、左右の壁の隙間から焼岳方面の景観が広がってくる。最後にコルに抜けると、今度は槍~穂高の絶景が一望できる。右手にはP4頂部に発達したキノコ雪、左手には北面の氷瀑、グラスホッパーの最上部がそびえる。左端の氷柱がまだつながっているようだ。

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下降はコルの支点からグラスホッパーの基部に向けて60mダブルの懸垂2回。春の陽気ですっかり緩んだ雪に苦労しながらたっぷりかいた汗を新穂高温泉の深山荘で流して帰京した。

夏は暗く湿ったイメージの強い3ルンゼだが、今回は快晴の空の下、最後まで快適なクライミングだった。傾斜の強い部分は少ないが、トンネルや岩壁など、様々な要素が出てくるのが楽しかった。

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