メンバー:T塚、S藤M

6/22、6/29と計画書を提出しては中止となった計画がやっと実現しました。
しかし、前日の雨で全体が濡れ、グレードは3割増し。そのためか、7:00の時点では南稜テラスに着いたのは、私たちとみどり山岳会の4人Pだけ。1番手を譲っていただきました。
今回よかったことは、二人で息が合ってきて、よいパートナーシップを築けたことと、二人の「アルパイン自立」スタートとなったことです。

ベースプラザ4:00 ~ 一ノ倉沢出合5:00 ~ 南稜テラス取付7:00 ~ 10:00登攀終了10:30 ~ 13:30一ノ倉岳14:00 ~  西黒尾根15:00 ~ 土合18:00

1P目チムニーまで S藤リード。チムニーが濡れているので、ここで切りたい、とのこと。
1P目チムニー   T塚リード。出だし濡れていてすべりやすい。ロープの流れを考えて、短いが1P目終了点で切る。
2P目 S藤リード。濡れているので、慎重に行く。
3P目 T塚先頭で、草付きをコンテで上がる。
4P目 S藤リード。まだまだ濡れているので、慎重に。
5~6P目 T塚リード。馬の背を50mいっぱいにまで伸ばして登る。クラック沿いは濡れているが、乾いた所もあり、天気も回復してくる。ただし、暑い。一瞬雷が鳴ってヒヤリとする。
7P目 S藤リード。けっこう水がたまっているが、頑張ってリードする。

終了点で、大休止。天気も安定しているので、予定通り国境稜線に向かう。
悪いと聞いていたが、本当にそうだった。濡れている、または湿ってるので岩はすべりやすく緊張を強いられる。ここは交代で先頭を務め、コンテで行った。一の倉尾根上に出てからは踏み後も明瞭、気持ちの良い天気で展望が利いたがので迷うことはなかった。N藤さんから視界が利かない時は6ルンゼ下降がよい、との助言もいただいていた。

5ルンゼの頭は残置ハーケンが見えたので、T塚リードで行く。まさに「危うい三級程度」。下部~中間部は触れた岩はどれも滑り落ちるように剥がれる感じだった。ビレイ点などあるはずもなく、動かないと確認できた岩にスリングを巻いてビレイ点とした。まみちゃんの話では、ロープアップの際、岩にロープが触れて落石があったということだった。ここも無事通過して、草付き、岩、笹の藪漕ぎの後、一の倉岳山頂の少し左側に出た。やった!まみちゃんと握手。30分の大休止。

南稜終了点から一の倉岳までは2時間くらいと聞いていたが、今回は岩が濡れていたため「危うい三級程度の岩」まではコンテで、三級程度の岩はビレイしながら登ったことが時間のかかった理由と考えている。
途中ガスがたち込め視界が利かない一瞬もあったが、登山道に出てからは晴れて大展望。一気に夏山気分となる。見下ろすと、登ってきた南稜の上部~一の倉尾根が見渡せる。後は、オキの耳~肩の小屋~西黒尾根を経て、無事下山することができた。

駐車場に着いた、と思ったら雨がパラつき始め、思わず二人でセーフ!と喜び合った。
2012年、A山さんが掲げた『本ちゃんプロジェクト』の目標、「岩に対して自立した登山者になる」に近づけた気がして、有意義な南稜~国境稜線となったと感じている。(T塚 記)

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約1ヵ月前、出合まで迫っていた雪渓はすっかり溶け、ひょんぐりの滝の手前近くまで後退していました。ひょんぐりを巻いた後はそのまま雪渓に降りられたため、アプローチはますます楽でした。前日の雨で悪かったものの、そのぶん人が少なく、割合静かな南稜を楽しめました。

一番心配していた終了点から上部、濡れた岩まじりの草付などは、沢慣れている人なら高速だと思いますが、沢慣れていない分時間がかかってしまいました。また、そのおかげで前半はずっとロープを出させて貰ったために時間も掛かってしまいましたが、嫌な顔ひとつせず、ロープ出しっ放しに付き合ってくださったT塚さんに非常にありがたく思います。

行動が遅いこともあってトータル14時間行動となってしまいましたが、お互い疲れ果てて行き絶え絶えということもなく、息のあった行動を取ることができたことで、次の北岳バットレスに向けての自信を得られたと感じています。

自分自身の課題としては、濡れ濡れの1P目途中のチムニーを前に心が折れ「T塚さ~ん、切っていいですか~」と弱々しくヘルプを発した時、2年前の初本チャン・中央稜で、ありったけのランナーを取り、可能な限り短いピッチで切った自分を思い出し、変わってないなあと、つくづく感じたことでした。もう少し、強靭なアルパイン魂を養うことを、今夏の目標にしたいと思います。(S藤M美 記)