メンバー:M平

<特記事項>
・本命の薬師岳中央カールからの黒部川横断は、出合での横断可否に確信が持てず断念。

・計画を大幅に変更し(当初は黒部川横断後に、黒部五郎~水鉛谷~槍~涸沢~白出沢までつなげる予定だった)、黒部源流域を中心にのんびりと気の向くまま楽しんだ。

・概して山上の雪は少なく、特に稜線や西面は初夏の様相。一方で麓は残雪大め。全山で雨による縦溝祭り。黒部川は2200mまで完全に川が出ていた。

・1週間ずっと晴れっぱなし。雪質は、日程後半はザラメを通り越してグズグズ。

<記録>
4/25(土) 快晴
和佐府橋 9:00 → 10:39 飛越トンネル 10:45 → 12:43 寺地山 12:56 → 14:56 北ノ俣岳の肩 15:09 → 15:42 太郎平小屋

前夜は平湯の穂高荘倶楽部でゆっくり休み、平湯7:00発の神岡行バスに乗る。途中の坂巻バス停で7:57に降り、予約したタクシーで飛越トンネルに続く林道の入れる地点まで。今年は里の残雪が多く、和佐府橋のゲートまでしか車では入れなかった。ここからシール歩行開始(普段より約2kmプラス)。

最初は日当たりの良い箇所は雪がなくて頻繁にスキーを脱ぐが、最初のヘアピンカーブ(飛越トンネル手前4.3km)付近からほぼシールで歩けた。良いペースで飛越トンネルに到着し、右手の尾根を直登し飛越新道に入る。

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ここは毎年通いなれたコース。寺地山から一瞬スキー滑走した以外は、ひたすらシール歩行で飛ばす。それにしても、遠くに望まれる主稜線沿いは雪が少ない。案の定、北ノ俣岳の最後の登りではハイマツ登山道が露出していてシートラーゲン。北ノ俣岳の肩から望む北アルプス最奥部も雪が少ない。。 ひと滑りで営業初日の太郎平小屋着。

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今日のお客は僕一人。4/16に薬師岳南陵カールから高天原~雲の平まで周回してきたという小屋の若旦那(河野一樹氏)いわく、「黒部川出合のスノーブリッジ(SB)は、すでに飛び越えられないほど割れていて、その上流・下流共に川が轟々と流れていた。上流の河原にはSBが崩壊した巨大ブロックが点々とあったので、なんとか飛び石のように渡れた」とのこと。先週の小黒部谷の状況からも半ば予想してはいたが、若旦那横断時からすでに10日経過していることも考えると初志貫徹は中々厳しそう。。
明日、薬師頂上で総合的に判断することにし、夕食後は早々に就寝して英気を養う。

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4/26(日) 快晴
太郎平小屋 7:05 → 9:30 薬師岳 10:09 → 10:17 中央カールの底 10:33 → 南峰避難小屋 11:50 → 薬師沢右俣滑走 → 12:00 右俣2270m 12:13 → 12:50 薬師平 13:30 → 14:00 太郎平小屋

若旦那に見送られて出発。薬師岳までの稜線も西面は雪が少ないが、何とか雪の残っている東面側をシールで歩行できた。頂上直前のみシートラーゲン。
頂上到着後、まずはいつもの岬状(頂上から金作谷・中央カール中間尾根を100m弱下った個所)で金作谷出合のSBを観察するが、やはり真ん中がザックリと割れている。目指す中央カール出合の状況は頂上付近からはわからないので、その上流と下流の状況から推測するしかないが、横断できる可能性は低いと判断。

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だめもとで様子をうかがいに中央カールに滑り込む。カールの底から出合を伺うが、やはり谷が蛇行しているので出合付近まで滑ってみないと状況はわからない模様。出合まで降りてから、渡れずに登り返すのは嫌だな~
横断後にトラバースする夢の平までの山腹も雪が少なく、苦労しそう。総合的に判断し、「もっとコンディションが良さそうな年にまた来ればいいや」と考え、断念することにした。

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カールの底から東南稜まで登り返した後、時間もあるので今後の参考に南陵カールを見学に行く。その後、東南稜を避難小屋のある南峰まで戻ってから薬師沢右俣を滑走する。気持ちの良いザラメで快感! 雪割れしていそうな下部を嫌って途中から薬師平に登り返し、太郎平小屋に帰着。

地図と睨めっこしながら今後のルートを決め、下山管理係にメールでルート変更を連絡する。(~黒部五郎岳~五郎沢出合で黒部川横断~祖父谷~雲の平~高天原温泉・赤牛岳東面~水晶岳東面カール~黒部源流~新穂高温泉)

4/27(月) 快晴
太郎平小屋 7:25 → 8:39 北ノ俣岳 9:10 → 赤木沢源頭部を200m程滑走 → 中俣乗越 → 11:30 黒部五郎岳 11:55 → ウマ沢を2500m付近まで2回滑走 → 黒部五郎の肩 14:06 → 五郎カール~五郎沢右俣滑走 → 14:28 五郎沢出合 14:41 → 黒部川を左岸通しに遡行 → 17:00 黒部川源流部2380m

今日からは心機一転、レジャーモードで楽しむことにする。すなわち、「早起きしない、がっつかない、頂上ではのんびり」。
まずは北ノ俣岳まで登り返してから、黒部五郎岳への移動がてらに赤木沢源頭部をひと滑り。その後は、黒部五郎岳の肩付近まで登ってからザックをデポし、頂上でのんびりした後に空身でウマ沢を2回まわす。快適!

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その後、五郎カールから五郎沢右俣経由で黒部川との出合まで滑り降りるが、早くも五郎沢二股から沢が出始め、黒部川の出合でも普通に流れていた。予定ではこのあたりから黒部川右岸に渡り、祖父沢経由で雲の平に登り返す予定だったが、中々面倒くさそう。

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しばらく上流に進むも、祖母沢、祖父沢出合共に水流があり、沢嫌いの僕としては中々渡る気分になれない。ましてや雪割れの厚さが5m位あるので、渡渉前後の登り下りが面倒だし。。。そうこうしているうちに左岸伝いにどんどん上流に歩いて行き、時折高巻も交えながら黒部源流に近づいていく。ようやく2200m付近から谷底通しに進めるようになり、このまま岩苔乗越から高天原温泉を目指すことにする。

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それにしても雪が少ない。源流2350m付近で沢が出てるし、鷲羽岳西面も初夏の様相。一段上がった岬状の台地にツエルトを張って泊まる。

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4/28(火) 快晴 のち 曇
黒部川源流部2380m 7:55 → 8:47 岩苔乗越 9:10 → 10:22 高天原温泉

のんびり起きて、のんびり出発。今日は温泉三昧の予定♪
源流を快適にシール歩行し、岩苔乗越まで。ここで衛星携帯電話で現地状況をSさんに言付ける。その後、岩苔小谷を快適に滑走し、沢が完全に出始める2150m付近から右の高天原台地に移る。あとは通いなれたコースを温泉沢左岸の台地まで。

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早速ツエルトを張って物干し後、温泉にザブン!10日前に太郎平小屋の若旦那が整備してくれたおかげで、湯量が減った湯元の工作&ぬるくなったお湯の入れ替えをするだけで済んだ。寝るまでひたすら温泉に浸かる♪

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4/29(水) 快晴
高天原温泉 6:25 → 温泉沢左俣~稜線 → 9:50 赤牛岳 10:13 → 東面を2550m付近まで滑走 → 稜線 11:00 → 12:02 高天原温泉

今日もメインは温泉なので、半日コースかつ初めての赤牛東面に繰り出す。日が当たり始める前の温泉沢左俣は雪が固くて早々にシートラーゲン。2680mで尾根上に出、簡単な雪尾根をしばらく進むと夏道近くのガレ場に出た。そこからはガレ道を赤牛岳山頂まで歩く。

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赤牛岳東面カールは、うまい具合に頂上から滑りこめそう。早速準備をし、標高差300m程を快適に滑る。ブッシュの出た凸状部でシールオンし、急斜面を稜線まで登り返す。

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あとは丁度よく雪面が緩んだ温泉沢左俣をあっという間に下り、ツエルトを再設営後に寝るまでひたすら湯船に浸かる♪

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4/30(木) 快晴
高天原温泉 8:05 → 岩苔小谷 → 岩苔乗越 11:05 → 11:39 祖父岳 12:10 → 北面を岩苔小谷2500m付近まで滑走×2回 → 14:37 岩苔乗越 15:26 → 黒部川源流部滑走 → 16:00 三俣乗越

今日は水晶岳東面カール~黒部源流の予定だったが、水晶東面は何回も滑っているので少々食傷気味。。そこで、今まで行ったことのない祖父岳北面を滑ることに変更する。朝風呂にのんびり入ってから出発。岩苔小谷を登って岩苔乗越まで戻り、ザックをデポして祖父岳頂上に向かう。

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頂上からは幅広い急傾斜バーンが続いており、雪質もよくて最高!!あまりに気持ち良かったので、岩苔乗越に登り返した後、再び祖父岳に向かう。三俣蓮華岳の斜面を見ると、先ほどは見当たらなかった2人分のシュプールが刻まれていた。昨日入山のSさん達だろう。2回目も快適に滑ってから岩苔乗越に登り返すと、ちょうどSさん&S川さんが到着するところだった。

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しばし歓談後、高天原温泉に向かう彼らを見送り、黒部源流に滑り込む。途中からは左岸の片斜面を、なるべく高度を落とさないように滑り、最後はシール歩行僅かで三俣乗越に到着。三俣山荘の冬季小屋を期待していたのだが、小屋は露出しているものの入口の除雪が大変そうなので早々に断念。山荘脇の地面の出ている広場にツエルトを張る。

5/1(金) 快晴
三俣乗越 8:22 → 三俣蓮華岳 9:05 → 10:15 双六岳 10:55 → 双六谷左俣滑走 → 双六谷2200m → 12:00 大ノマ乗越 12:31 → 秩父小沢滑走~蒲田川左俣林道 → 14:20 新穂高温泉

ツエルトの外でのんびり朝食後に出発。稜線沿いに三俣蓮華岳~双六岳まで歩き、双六谷左俣をひと滑り。双六谷は至る所で沢が出ており、寡雪ぶりに驚く。シールで大ノマ乗越に登り返すと、本日入山のM田さんがいた。今日は双六小屋泊まりという氏を見送った後、秩父小沢にエントリーする。

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残念ながら縦溝&グサグサの雪質で非常に疲れる。。それでもあっという間に小池新道取付の橋に到着。そこからは蒲田川左俣林道沿いにストックで漕ぎながら滑り、意外にも1250mまでスキーで降りれた(重機の除雪が無ければ、もっと降りれたかも)。最後30分程、スキーを担いで林道を歩いて新穂高ロープウェー駅のバス停に下山した。

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<その他>
・主な持参装備
山スキー装備一式、ピッケル、アイゼン、宿泊装備(ツエルト、寝袋、ガスヘッド、コッヘル、ラジオ 等)、ガスカートリッジ大(約半分使用)、5mm20mロープ(黒部川での水汲み時の下降にのみ使用)、通信機器(無線機、携帯電話、衛星携帯電話)、食糧(朝夕4泊分+行動食7日分)

*入山時のザック重量は、約14kg(水1.5リットル含む)
・ 以下の個所で携帯電話(docomo)でメールができた。
北ノ俣岳、太郎平小屋、薬師岳、黒部五郎岳、祖父岳、赤牛岳、双六岳
(M平)