山域、ルート: 谷川岳一ノ倉沢衝立岩ダイレクトカンテ・ルート
期日: 2013年7月20日(土)
メンバー: A山L、S原

7/19 新宿2215-ベースプラザ(BP)で仮眠
7/20 起床500-BP発530-615一ノ倉沢出合-800中央稜取付
  ダイレクトカンテP1取付945-P2 1120-P3 1330-P4 1445-1600終了
   -1930一ノ倉沢出合-2010BP-帰京

谷川岳一ノ倉沢の衝立岩。人の接近を拒むように荒々しい岩肌を見せて聳えるこの垂直の壁を、初めての本格人工で登ったのはちょうど1年前のことだった。それから前穂東壁やゲレンデのルートを登り、技術と体力には多少の自信がついたが、前回泣かされたのは脆い岩と深い笹藪、そして貧弱なプロテクションだった。あれから1年、どれだけ荒廃が進んでいるのだろう。

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昨年と同じメンバーで恐るおそる取り付いてみると、懸念は良い意味で裏切られた。登攀ルートも下降路も、最近支点が整備されているようなのだ。ぐらつく腐ったピトンが減り、代わりに新品のリングボルトが増えている。大ハング周辺の核心部には、Petzlボルトさえ加わった。ここで固め取りしておけば、それ以外のピンは前進のみに使えるので、精神的にも肉体的にも負担が減る。脆い岩と深い笹藪は変わらないので、登攀者が増えている訳ではなさそうだ。

当日は朝から微風快晴、時々薄曇り。この時季にしては気温が低めで、雪渓上では寒いくらいだ。クライミングには絶好のコンディションだが、周囲には中央稜に3パーティほどが向かっただけ。

一ノ倉沢出合からすぐに崩壊しそうなスノーブリッジが登場。雪渓沿いに右岸を巻いて越え、左手の踏み跡を進み、200mほどで雪渓に降りる。雪渓から1度間違えて手前の尾根に上がり、約30分のロス。
テールリッジまで雪渓通し。中央稜取り付き下で準備してから、衝立取り付きに向けてアプローチ。

_Tsuitateiwa_1207s
AP1 60m フィクスト・ロープに従ってアンザイレンテラスへ
AP2 15m テラス右の懸垂点から一度下降し~右手Petzlの取り付きへ

取り付きからは昨年と逆の順番で登攀。

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P1 40m IV- S原 踏み跡を右にトラバース、直上するルンゼを見逃して大回りし、ハング下のテラスまで
P2 40m IV A2 A山 ダイレクトカンテ下~左側のディエードルをピナクルまで。多少遠いピンもあるが、全体に良好
P3 20m A2 S原 カンテ左下を大ハング下まで登り、右上してカンテ上に抜ける。核心部ではリング欠損したボルトにケブラー紐をタイオフし、そっとアブミに乗り込む
P4 40m IV A1 A山 垂直のフェースを右にトラバース、昨年よりボルトが増えており、ほぼボルト通しで進む。全ルート中唯一カム(#2)を使用して補強

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終了点から約15m右上の懸垂点に向けてトラバース、笹藪がひどい。
北稜からの下降路に出て、立ち木の残置ビナから左下に向かい、踏み跡に沿って懸垂2回+最後は空中懸垂で白い岩のテラスへ。
フィクスト・ロープの先からさらに懸垂30m~沢沿いの踏み跡を下り、略奪点に出てから、左手の小尾根を越えて細い沢(衝立前沢)を下り、大岩懸垂1回で前沢出合へ。
雪渓末端ではステップを切って上がり、急な雪渓を下り、右手の赤い印から右岸を巻いてスノーブリッジから一ノ倉沢出合へ。この時季、雪渓用のミニバイルと簡易アイゼンはまだ必要だ。

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今回、昨年に比べれば余裕を持って登攀することができた。慣れもあるが、登攀ルートと下降路の支点が整備されていたことが大きい。先日佐藤佑介氏らがフリーで登っていたというが、そんな動きと関係するのだろうか。
アンザイレン・テラス付近には、未使用のボルト部品が多数デポされていた。隣の雲稜第一ルートなどを含め、衝立岩の支点が再整備されることで、伝統あるこの岩場がスポート・クライミングのエリアとして再び活性化するとしたら、クライマーとして嬉しい限りだ。感謝と応援の想いを込めて、散乱していたボルト部品を集め、見知らぬ篤志家のために改めてデポしておいた。