メンバー:LA久、S見、S田

●1日目(曇り時々雨 のち晴れ)
6:50実川林道ゲート - 8:50湯ノ島小屋 - 9:50アシ沢出合(入渓) - 16:00下追流沢出合付近C1

●2日目(晴れ)
5:30出発 - 9:50 御鏡沢出合 - 16:30上追流沢出合付近C2

●3日目(晴れ)
5:30出発 - 9:00 豊実沢出合 - 16:30 稜線 飯豊本山小屋C3

●4日目(曇り)
6:00発 ダイクラ尾根下降 → 小国町


●1日目

車を実川林道ゲート付近にとめると、さっそくアブが集まってくる。飯豊が初めてのS田君はその数に驚いているが、私とS見さんから見ると数は少ない。2時間ほどで湯ノ島小屋に到着。林道から少し入ったぶな林の中に立派な小屋があり、ここでガチャ類を身にまとう。アシ沢出合から入渓した。

新潟県に位置する実川流域では昨日までの台風の影響は、さほど受けてないはずだが、水量は多め。下流域の広い沢筋を水流を見極めながら右に左に渡渉やヘツリを繰り返していく。新人のS田君は「こんな大きな沢は初めてです!」と言って、とても嬉しそうに進む。

通れないゴルジュが出てきたので左岸からひと巻きするとオンベ沢の出合。ここから先も手に負えない水量なので、今度は右岸の不明瞭な踏み跡を進んだ。

沢に戻ると天気も回復し始め、陽に照らされた渓は碧く輝き、前川本来の明るい姿を見せ始めた。時折現れるプールを泳ぎ、真夏の大渓谷を満喫しながら遡行を続けると、釜を持つ2m滝が現れる。A久がロープを引いて泳いで取り付くが磨かれた岩はスタンスが乏しい。ふと見ると潰れたハーケンが1本。不安定な体勢で穴に細引きを通し、アブミを掛けて通過。

その後は天気も回復に向かい、青空が広がる。明るい渓相に時折現れる碧いプールで泳いでのんびり遡行を楽しんだ。問題となる箇所も特になく、下追流沢手前の河原に整地不要の極上物件を見つけ、タープを張った。
 
 
●2日目

5時半に出発。下追流沢を分けると廊下状のゴルジュとなり、いよいよ飯豊の沢となる。昨日に比べ水量は減ったようだが、それでも水勢は強い。細いゴルジュの中に捻じ曲げられた水流が怒涛の様に押し寄せる。激流の弱点を突きながら、時にはロープを使って水線を突破していく。

廊下が右に曲がる部分に登れない7m直瀑が落ちる。右の斜上バンドを登ると大釜を擁した滝が更に2段、巨大なスラブを割って大迫力で水を落としている。なんていうスケールだ。この3段が前川の魚留に違いない。大釜までクライムダウンし、微妙なトラバースからチムニー状を抜け、スラブにフリクションを効かせ滝上へ。

登りきると、すぐに門のような形をした15m滝が立ちはだかる。近づくと3mほどの垂壁を越えたら何とかなりそう。しかし乗っ越し部分は極浅のカチホールドのみで足も遠い。空荷になり極浅カチにスカイフック+アブミを掛けて突破。全員荷揚げ後に引き上げる。

トイ状の突破できないゴルジュをひと巻きし、懸垂で復帰すると墜ちた雪渓地帯となる。片側が庇状となり頭上に残っているので、注意しながら雪塊を乗り越えていく。最後2つのスノーブリッジをダッシュで抜けると、牛ノ首沢と出合い、本流には虹吹の滝が現れた。ここは高巻き、明るいゴルジュに次々と現れる滝を快適に登りながら前進する。

流れの強い淵の先にある3m滝が突破出来そうになく、左岸のルンゼから軽く巻くつもりが、結構追い上げられてしまった。尾根に乗りあがると反対側は切り立った壁で、懸垂50mでは降りられそうもない。沢は前方でS時に屈曲していて、2つの大きな滝を落としている。ここで沢に降りても通過できるか確信が持てないので、距離はあるがこのまま高巻きを選択。「あの滝、登れないですか?」とS田君が言うが、時間はもうすぐ4時。わざわざ冒険する時間じゃないので、高度を維持したままトラバースし、滝上に着地。

するとそこは広々とした河原。目標の上追流沢間近で、この日も整地がほとんど不要の絶好のテン場。薪も豊富で盛大な焚火を楽しむ。上流に雪渓の残骸があり、夜は結構冷えた。
 
 
●3日目

行程は順調に進んでいて、この日中に稜線に抜けられるかもしれない。予定では源頭付近でもう一泊なので、時間には余裕がある。歩き出してすぐに上追流沢が滝となって出合う。本流の10m滝を登るとすぐに淵。泳げば何てことないが、昨夜寒かったせいか朝一の泳ぎは避け小巻きから入る。崩れ落ちた雪渓を過ぎると10m滝が道を塞ぐ。一見登れそうにないが、S田君が見つけたラインに取り付いてみる。腐ったハーケンが一本。逆相でいやらしいが、カムが2本バッチリ決まったのでA1で突破。
 
 
豊実沢手前に大きな雪渓が現れる。乗るにしても潜るにしても前方はカーブしていて出口は見えない。雪渓末端が薄く高さもあるので右岸から少し巻いて乗ることにする。しかし巻きの途中から見通すと雪渓の終点は滝で終わっていたので、そのまま巻いて豊実沢出合付近に巻き下った。先ほどの雪渓の出口は甌穴状の連瀑になっていて、美しい水の造形美を醸し出していた。

この先も大きな雪渓が続くが、こちらは高さが無いので末端から乗って歩く。沢が左にカーブするとゴルジュが狭まり、墜ちた雪渓帯が続く。この辺りがすべてスノーブリッジのままだったら厄介だった。その後快適な小滝が続いたのち、300m以上続く長い雪渓を歩く。最後は三俣となって滝にぶつかる。ここでもS田君は滝を登りたそうだったが、取り付けないので高巻く。次に現れた大きな雪渓は入り口が極薄なうえ出口にも滝が。高巻きの途中から雪渓に乗るつもりだったけど、雪渓の斜度もありそうだし、出口のシュルンドも大きそうなので、そのまま高巻きに突入。途中で12時の無線タイム。服部Pの米田と交信が繋がった。なんと彼らは11日入山し1.5日で大又沢を抜け、すでに本山小屋に入ったとの事。しかも桧山沢のD介Pもすでに稜線直下にいるらしい。我々が1,500m付近を高巻き中と告げると、「頑張って本山小屋まで来てください。」だって。
距離はあったが激ヤブではなかったので40分ほどで滝上へ到着。あたりはすっかり源頭の雰囲気となった。傾斜の増したゴーロの沢に息を切らし、いつくかの支流を分けるといよいよ沢の水も頼りない流れとなる。最後の二俣をS田ルーファイで進むと水は清水となって早々に涸れ、最後は何故か急斜面の笹と這い松のヤブに突撃。前川のツメってヤブ漕ぎなしでお花畑に突き上げるという前情報は何処へやら。方向修正して本山小屋の裏手に登りあがる頃には、我らの到着を待ちわびた仲間が迎え入れてくれた。
 
 
時間は16時半。お盆の本山小屋は人でごった返し、なんとか神社の中に場所をあてがわれ、寝場所をキープ。すぐさまダイクラ尾根を登ってきたM田Pと合流し、沢合宿3P、縦走1Pのぶな13名が飯豊本山小屋に集中した!