K田です。

メテオラ(ギリシャ)クライミングの報告です。

 

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<メテオラ概要>

メテオラと言えば、巨岩にそびえ立つギリシャ正教の修道院群が有名です。はじめの修道院は11世紀に建てられ、14世紀には24にもなりました。20世紀初頭までは階段もなかったとのことで、当時はまさに人を寄せ付けない修行の場であったのでしょう。

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修道院の文献よりますと
「天使に守られたこの地は、神が創造した地球上で最も素晴らしい地形といっても過言ではありません。聖メテオラのすべての地、岩の一つ一つが、聖人の足跡により聖させています。」とあります。世界遺産となり賑やかになったメテオラなのですが、現在でも6つの修道院が存続しています。

*** 聖域であるこの地、なんと!登れます。 ***

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【山域・ルート】
ギリシャ・メテオラ(マルチ・クライミング)

【登攀期日】
4/30-5/07

【メンバー】
・K田、T沢、I原、S井

【行動経過(天候・タイム)】
・04/28 成田 → 04/29 テッサロニキ→ メテオラ
・04/29-5/09 メテオラにてマルチクライミング&観光(クラックorミックス)
・05/09  メテオラ→テッサロニキ→ 05/10 成田

【ルート概要 】
今回のツアーでは目標ルートが2つありました。
ひとつが「エッグダンス」
もうひとつが「ピラーオブドリームス」です。
後半にこれらを登るべく、前半はメテオラのクライミングに慣れることに力点を置きました。

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4/30 (DOUPIANI)

・Green Light (2ピッチ)5c 60m

・Daedalus(3ピッチ)5c 95m
このエリアには短いマルチルートがいくつかあり、足慣らしには調度良かったです。今まで登ったこともない岩質と刺激的なランナウト、初めは恐々でしたが徐々に馴れてきました。そして頂からの景色と風はサイコー!こうして日々、高度を上げて行きたいと思いました。各頂にはお弁当箱のようなものが埋め込まれており、中に手帳が入っていました(サミットレジスター)。名前やコメントを記入できるシステムになっていたので、初日の感動をそこに書き留めました。

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5/01 (YPSILOTERA ROCK)

・West Ridge(5ピッチ)5c+ 120m

今日はいよいよ目標の一つ「エッグダンス」を!との勢いでしたが、下から核心部を見上げて全員一致で「ムリ!ムリ!ムリ!ムリ!絶対に無理~!!!!」(涙;)という事で、対岸のルートを「エッグダンス」の偵察も兼ねて楽しもう!と言うことに。。。

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下部(1P、2P目)が渋い。ボロボロのフリーソロ・ランナウト。1P目のワイドからフェイスへ這い出るラインを、先行PのI原さんが大声をあげながらリードしていく。続いて同ルートをK田リード。確かに岩が脆くて信用出来ない。ですがムーブは面白いという印象でした。実際の核心は2P目でしたが、ここはフォローで良かったなー。と思う恐ろしさでした(笑)。

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5/02 (VULTURE WALL)

・West Ridge(5ピッチ)6a 140m

「エッグダンス」TRYはレスト明けと決めて、本日は長いマルチを選択。ひたすら快適に高度を上げる。頂に立つと、真横のピナクルに大勢の人?観光客???こちらの写真を撮ってますけど~^^;?どうやらお隣は、メテオラで一番古くて大きい修道院「メガロ・メテオラ」の様です。

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今日は土曜日。週末なので、修道院の頂も、「エッグダンス」の頂も、私達の居る頂も人気が多い。明日は日曜日。きっと同じに賑わうのでしょう。何処か郊外へ旅に出ようかな?と思う私達なのでした。

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5/04 (GRAIL)

・Egg Dance(5ピッチ)6a+A1 130m

今日は誰よりも早起きして、朝ごはんを作り、「ご飯だよー!」とみんなを起こす。緊張しているんです。そして、、、楽しみなんです^^だって今日は「エッグダンス」の日。今日はやるぞぉー!がおー!!!「エッグダンス」は二つの岩峰(低い岩峰と高い岩峰「卵岩」)から構成されています。

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出だしは悪いスラブ、やがてハングのち楽しいオフィズス、そして低い岩峰の頂を経て、、、

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卵岩に空中で乗り移るエアームーブ(核心)の場面となりました。この二峰間距離が日本人サイズではないのです^^;広い。。。最初に一番長身のS井さんがエイドでTRY。思ったよりも幅が広くてなかなか足が届かない様子。おりゃー!何度も蹴りこんで、やっと片足が届き大の字になった。。。のですが、今度は手が遠い!^^;日本人は小さいのよね。。。かなりバランスが悪い中、何とか踏ん張って卵岩へ移っていった。スバラシイ!一人超えれば占めたもの♪I原、T沢が後に続き、最後は私の出番です。あちょー!あちょー!と足を蹴り出すも、全く届かず股関節を痛めそうなので早々に諦めまして、残してもらった対岸のヌンチャクを掴んで思いっきり空中を飛びました。

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ガツッと卵岩へ張り付いたら、あとは5.10c位の楽しいフェイスを登るだけ。頂で待っていてくれた皆の笑顔が満足感に溢れていました。

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5/05 (ADRACHTI)

・Gordian knot(2ピッチ)6a 40m

1P目は不得手なハングなので、T沢さんにリードして頂く。フォローは気楽ー♪と侮るなかれ。ホールドは玉石。パーミングでのハング越えは思いの他厳しく、ヌンチャクを掴みながら必死の思いでT沢さんのもとへ辿り着いた時には腕がパンパンにパンプしました。2P目はK田リードの悪いスラブですが、珍しくボルト間隔が近いので何とかこなす。結局この短い40mが、今回メテオラで登ったムーブの中では断トツに難しく、スッカリ自信喪失しました;;まだまだ修行が足りませんなー。(反省)

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5/07 (HOLY GHOST_NORTHEAST PILLAR)

・Pillar of Dreams(9ピッチ)5c+ 250m

いよいよ挑む日となりました。「ピラーオブドリームス」。今までの集大成です。250mの長いラインに、クラックあり、オフウィズスあり、スラブあり、ハングあり、垂壁あり、ランナウトありボルト間隔が15m位、ルートを外れても気が付かない恐れがある為、特にライン読みは何度も確認しながら慎重に進みました。後続のI原&S井Pがなかなか追いついて来ないので、少々ゆっくり目。変化に富んだムーブと高度感を楽しみながら高みを目指します。やがて頂へ。遥か下に修道院が点在し、麓の村カストラキがいつもよりも小さい、さらに遠くに残雪の残った高い山々が見えます。風が気持ち良くて、とても満たされた気持ちになりました。レジスターに記録を書き込み頂で昼寝をしていると、40分送れてI原&S井Pが到着。やや遅れて、フランス人のカイン&マリアちゃんPが到着。本日このルートを愉しんだのは、この3Pです。帰りは日仏合同の仲良し下降となりました。(これがまた長いんですけどね^^;)

p☆_DSCN8461(Pillar of Dreams)

この岩峰(ホーリー・ゴースト)には修道院の廃墟もあり、アプローチとデプローチも面白かったです。取り付きに監獄の跡があり、下降途中には洞穴に教会。小ピークに十字架、岩の到るところに信仰を感じました。私にとっては、これがメテオラで一番楽しいルートでした。今の私の実力で、これ以上のルートはないでしょう。大満足です。ということで、心がイッパイになりましたので、これにてメテオラ・クライミングはおしまいと致しました。

<岩質・状況>

岩質は砂岩で基本的には砂が固まったものの中に大小の玉石が含まれており、その玉石がホールドとなります。ペツルのロックフェスティバルも開かれたからか?ボルトもしっかり整備されており、平均して30~40メートルに2~3の割合でボルトがうってあります。ランナウトを楽しむことも出来ますが、怖いのでガバ石ににスリングを巻き付けたり、スリングに結び目を作って岩に噛ませる等、臨機応変に工夫しながら登りました。(カムやナッツが決まる所は少ないです)更に。。。たまにホールドの玉石がすっぽ抜けますので、非常にスリリングなクライミングとなりました。

<特記事項>

現時点では登攀が可能ですが、今後はどうなるかわかりません。「興味のある人は早くおいでー。」と、トポに記載されています。確かに世界遺産!更にギリシャ正教の聖地!そこでこんなことが許されているなんて、ギリシャ人のオオラカさには頭が下がります。観光で行くだけでも物凄く良い所ですが、クライミングで行くと更に良いと思います。奇岩群が結構標高が高いので、マルチピッチがオススメです。

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<感想>

長い間、建築的に興味があったメテオラですが、それ以外の部分でもスバラシク居心地の良い場所でした。料理も美味しくて、動物達(犬、猫、カメ、野鳥、ヤギ)もマッタリと暮らしており、明るくてオモテナシ上手のギリシャの方々はどんな場面でも気持ちよく迎え入れてくれました。更にこの季節は、何処へ行ってもキレイなお花畑♪見渡せば風光明媚な自然。気まぐれに修道院を巡ったり、遺跡観光へ出掛けたり、シーフードを食べる為に港町まで小旅行をしたり。。。のんびり、のんびり時間が流れておりました。帰る日はとても悲しかったのですが、生きているうちにこの地に身を置く事が出来た縁に感謝しつつ、また何年が後に、フラリと立ち寄りたいと思える気持ちになりました。

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以上です(K田)

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