こんにちは、M藤です。
GWチンネの山行報告です。何とか氷を拝むことが出来ました。
 
 
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メンバー:M籐L、N野

5/1
深夜バスにて滑川インター5時着。タクシーで馬場島に向かうが、ゲートが閉まっている。通りかかった関係者車輌に運良く乗せてもらい、馬場島着。見上げる稜線は黒く雪が少ない。反面、谷筋の雪は多い。
去年は3回した渡渉は1回のみ。池ノ谷ゴルジュも谷底が広く明るい。二股過ぎからは、アイス&アルパインのフル装備と雪渓上にいるとは思えないほどの照りつける太陽が体力を奪う。R4には、一片の氷雪も見当たらない。

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やっとの思いで三の窓着。すぐにチンネ取付方向へ。

左方ルンゼはスカイラインに向け、途切れながらも細く白い筋を延ばす。一方、中央チムニーはチムニー上部にチラチラと白いものが見えるのみ。明日は左方ルンゼでミックスクライミングだ。

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5/2  左方ルンゼ~左稜線
事前にトポは入手出来なくルートの詳細は不明。遠目には4〜5ピッチで左稜線に抜けれそう。2ピッチ目は完全なドライツーリングになる。

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1ピッチ
取付き8時。無人のチンネは 静寂に包まれている。露岩の混じる雪壁を右上する。傾斜は緩いがロープ半分のコールまでピン無し。左に岩を廻り込み、50mいっぱいまで伸ばすも、ビレイポイントらしき物は無い。脆目の氷にスクリュー3本でビレイ。

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2ピッチ
ルンゼを直上し、突き当りにある掛りの浅いピナクルにランナーを取り右上。強傾斜のルンゼに氷は無く、右のフェイスのクラック沿いを登る。適度なガバと、グローブを着用してハンド〜フィンガーサイズクラック。上部は残置が少なくなりカム中心。動きに変化がある楽しいピッチ。気温は高いが、ルンゼに日は当たらない。

 

3ピッチ
カンテを超え悪相のルンゼを左へトラバースし、氷柱へ。氷柱手前のハーケンがグラグラで気持ちが悪い。氷と岩にステミングしスクリューを打つ。氷柱の切れ目を乗り越すように傾斜の落ちた上部ルンゼへ。ここは氷が残っている。スクリューでランナーを取りつつ、小垂壁手前でピッチを切る。

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4ピッチ
小垂壁には残置なし。下部にスクリュー、クラックの氷を穿りマスターカム2番。逆層気味でホールドに乏しくリードには辛めだが、フォローはバイルを使った快適なミックスクライミング。見上げる先には、左稜線のスカイライン。ルンゼは途中で左右に別れる。右は昨秋に登ったT5基部に突き上げる厳しいルンゼ。左が正規ルートだ。ルンゼを詰め上げ、左稜線に合流。T5手前のピナクルのピッチに出た。

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5ピッチ
ここからは氷雪なく、夏と同じコンディション。長野さんはフラットソールへチェンジ。リッジを左へ廻り込み、T5基部へ。

6ピッチ
いよいよチンネの鼻。冬靴+アイゼンの重荷を背負ったN野さんが慎重にフリーで抜ける。フォローで続くが、カンテ登り、ハング越えとバランス悪い。フリーで抜けるがⅤ級にアイゼンは歯応えあり。

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7~9ピッチ
前回は霧中で景色無し。今日は高度感抜群。リッジ通しに進み、14時終了。

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(感想)
左稜線に抜けるすっきりとしたラインに氷。そして、左稜線の核心と、一粒で二度美味しい。ルンゼからリッジへと変化に富み、記録がほとんど無いのが不思議に感じる秀逸ルート。

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5/3

中央チムニー
「所詮3級」とリラックスムードのN野さん。しかし、「3級じゃないだろー」的なルックスに嫌な予感がする。1ピッチ目の取付きまでも悪く、途中で確保する。

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1ピッチ
「所詮3級」と言いつつ、しっかりフラットソールに履き替えたN野さんがスタート。まったく氷は見当たらない。左の凹角沿いを直上するも、氷のある時期(冬季)のルートに思われる。途中から、右のカンテに出る。このカンテ沿いが無雪期ルートだろう。

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2ピッチ
ネット上では、どの記録を見ても、このピッチは「悪い」とあった。
岩は結構立っている。ベルグラを貧弱にした氷。そして、滴り落ちる水。3級らしい素敵な装いだ。出だしから足がない。米粒1/3程の窪みに右足のモノを置き、そっと立ち上がるが、左足は何処にも置けない。左上のハーケンにバイルを引っ掛け、ジリジリと上がり、右のハーケンに何とかクリップ。

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手も足も渋い。氷の下にはハーケンが透けて見える。ガバも氷の下なのか。ベルグラを引っ叩いて全部剥がしてやりたいが、ビレイヤーを直撃するから始末に悪い。左に被さる側壁に身体を寄せたり、アンダーホールドを探ったり、騙し騙しのクライミング。少し氷の厚くなった上部で、赤スクリュー(10cm)にクリップし、やっと一息入れる。氷雪のルンゼを20m程登り、雪を避けるように設置された岩上のビレイ点へ。

 

N野さんが、再びアイゼン装着し、続く。

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3ピッチ
緩い雪壁をハイマツでランナー取りつつ巨大ピナクルまで。

 

4ピッチ
雪の無いAバンドを、右にトラバース。これがクラック?と首を傾げたくなるような岩溝まで。

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5ピッチ
乾いた岩を残置にカムを混じえつつ進む。右上する岩溝はバランスが良くない。「所詮3級」だけにロープの伸びが鈍る。風強く日当り無し。冷える。

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6ピッチ
トポには雪壁20mとある。5m程岩場を登り、「いざ雪壁」の筈が、春陽眩しい終了点であった。13時着。

(感想)
左稜線の核心(Ⅴ)や剣尾根R4より、悪かろうが、渋かろうが、そんなの関係なし。ここは立派な「所詮3級」だ。。

5/4
6時30分三ノ窓発。
昼前から雨予報に、馬場島まで2時間で駆け下る。タクシー待ち1時間あるも、東京駅13時30分着。北陸新幹線のおかげで剱も「近くてよき山」となったと感じる。氷は貧弱でも、天気に恵まれ楽しい山行であった。

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(M籐)