メンバー:Y川L、M藤
9/10(土)
5:00 起床
6:00 ベースプラザ発
8:30 南稜テラス
9:00 南稜フランケ登攀開始
14:20 南稜終了点
17:15 一ノ倉出合
マチガ沢出合から見上げる一ノ倉方面にはガスがかかる。
一ノ倉出合からは、巻道は使わず本谷を詰めてテールリッジへ。中央稜取付からバンドを南稜テラスへ向かう。
頭上の鎌形ハングからはキラキラと滴る水。まさか、朝まで降っていた?
南稜フランケ核心3ピッチ目のハング出口のカンテには、取り付きから見上げても流れる水が目視できる程だ。変チの1ピッチ目のスラブも濡れ濡れ。マズい。こいつはシャレにならない。。
Ⅴ+なら墜ちることはないと思っていたが、それは乾いているのが前提だ。
「どうします?」
「行ってみて、ダメなら懸垂で降りようか」
「さすが大先輩。。」
1ピッチ Ⅴ(Y川)
濡れたスラブから右手のカンテへ抜けて直上し、やや傾斜の緩んだところから草付き混じりのフェースを右上。
やけに時間かかるな0と思ったら、草付きが一部泥壁と化して悪い。しかし、Y川さんは予想通り、ハーケン使わず。
今回のコンデションではこのピッチが核心であった。
2ピッチ Ⅴ(M藤)
見上げてもピンは見当たらない。確保支点が心許ないので、左の岩溝にカムを決めてスタート。
細いが手も足もある。ランナウトはするが、それなりに残置があり慎重にこなせば問題ない。のだが、要所が濡れていて滑りそうで怖い。草付きとのコンタクトラインを左上したのちバンドを目指し右上してハング下のビレイ点へ。
3ピッチ Ⅴ+(Y川)
ハング下も濡れてるし、ハング出口のカンテには水が滴り流れている。
ハング下をトラバースしカンテを越え直上するフェースへ。細くバランシーだが手も足もある。しかし、このフェースも濡れており、足の踏み替えなど繊細なムーブには緊張させられる。
4ピッチ Ⅴ+(M藤)
スラブを左上するラインだが、左端以外は濡れてテカテカだ。全然ピンが見当たらないので、出だしのクラックを穿りトライカムで1ピンとりスタート。バンドへ上がる手前の2、3手でⅤ+がついているようで悪い。
バンド上からビレイ点までは20メートル近くランナウトだが、Ⅳ級程度で丁寧に登れば問題ない。
5ピッチ Ⅴ-(Y川)
左へトラバースするが、直上ラインに真新しいRCCがあり、一旦戻り、直上ラインへ。寝ているように見えるフェースは以外に渋いものの、このピッチは乾いていて安心感がある。左手に見える馬の背へ嫌らしい草付きをトラバースし、南稜へ合流。
6ピッチ Ⅴ(M藤)
馬の背から南稜終了点へ。
乾いているしハーケン沢山。
(コメント)
菊池さん本には「墜落が絶対に許されないという性格のルートとして、充分な自信と下地のもとに臨んでいただきたい。」とやけに恐わそうなくだり。その言葉通り、ピリッと緊張感のあるクライミングが楽しめた。ピンが少なくルーファイが難しいとの評判だが、トポのイメージ通りで、その点は問題無かった。
104ピッチはかなり濡れており、フリーでこなすには渋かったが、その分だけ充実したクライミングとなった。
今回、Y川さんとは初めてアルパインをご一緒させて頂いた。予想通り、ハーケンなど使わない乙な登りだ。確かに少々ランナウトするが、限度を超えたものではない。それを味わうのがここの醍醐味なのだろう。
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