ルート:滝谷ドーム中央稜
メンバー:T塚L・S藤

2013/8/15(木)
前日の雲稜の疲れも冷めやらぬまま、重たい体にムチを打って北穂テラスまで上がる。
N野さん&M藤さんPが前日に使ったテントをそのまま借り受け、N野さんにアプローチ&デプローチを案内して頂く。夕方一時強い雨。

2013/8/16(金)
4:45北穂テラス-5:15縦走路分岐-6:15ドーム中央稜取り付き-6:30登攀開始-10:00登攀終了

二人とも初めての滝谷のため、悪いアプローチに緊張する。一歩間違えると滝谷出合まで転げ落ちてしまいそうなガレたアプローチが怖い。落石の音がいつまでも響き、ぞぞーっとなる。壁を見れば、今にもボロボロと剥がれ落ちそうで、おどろおどろしい。名だたる「滝谷」に来られてしまったのは、嬉しい反面ちょっと怖い。

N野さんの「かなり下る」のアドバイスに従ってかなり下った結果、ちょっと下りすぎてしまった。少し上がった後に懸垂。分岐から約1時間で取り付き着。

2013 08 16_2013.8.11-17  屏風、滝谷_1089
1P目:Ⅳ級 S藤
クラック左の階段状のリッジを登った後、自然とチムニーに吸い寄せられ、バック&フットでずり上がる。途中で背中のザックが邪魔になり、ウエストにビナでザックをぶら下げる。出口のCSを左側から乗り越える。地味ながらも、意外と体力がいり、息がきれる。そして寒い。手がかじかむ。

2P目:Ⅴ級 T塚
易しいリッジから、垂壁のフェイスへ。フェイスはピトン連打。S藤は入門-初級ルートにしては難しくないか、おかしいやろ!?と、ぶつぶつ言いながらフォローで登る。でもこれは正しいルートらしい。もっと登る力をあげないとー!

3P目:Ⅰ級 S藤
ガレた岩場を歩く。

4P目:Ⅳ級 T塚-S藤
右からも左からも行けるらしいが、右のクラックから左上気味にフェイスを登りハングの下で切る。このフェイスも意外となにやら難しい。N野さんから「雲稜の後だとガバだらけだよー」と言われてたのに、苦戦。残りのチムニー&小ハングはS藤。朝涸沢から上がって来たA山Pに追いつかれる。

5P目:Ⅳ級 S藤
やっと快適なピッチ。最後の小ハングにカムを入れて気持ちよくハンドジャムをきめると、ぽーんと終了点に飛び出た。お日様があったかい!!

終了点で一休みして、A山&I田Pと一緒にテン場まで戻り、各々涸沢まで下山。

快適と言われる割には、屏風以上に浮き石遭遇率が高く(特に下部)、注意しながら登った。前々日にはガイドさんが浮き石で落ち、骨折、救助されたそう。ルートにハーケンはたくさんあるが、ビレイポイントに複数Pが集中すると支点が足りないことが多く、岩角に長スリングを引っ掛けたり、カムを使った。
先行Pがスムーズで、自分たちでルーファイをしながら登ったため、思った以上に時間が掛かってしまった。ルーファイの時間短縮がこれからの課題。でもルートが短く、お天気にも恵まれたため、屏風より更に余裕を持って楽しく登ることができた。一緒に登ってくださったT塚さん、あっという間に追いつかれてしまったA山さん&I田さん、どうもありがとうございました。

2013 08 16_2013.8.11-17  屏風、滝谷_1092_edited-1

メンバー:A山L・I田
 
8月16日
3時起床、4時出発。北穂高南稜を経由で北穂に向かう。
出発して30分後に、I田が体調を崩し、朝食を嘔吐するなど本当に行けるのか不安のあるスタートとなった。
前日までの疲れや、当日の緊張からそうなったのかもしれない。
しかし、しばらく様子を見ながら歩いているうちに体調は回復し、下降点につく頃には普段通りの体調に戻っていた。

6時に北穂分岐点、6時30分に中央稜への下降点に到着。A山さんが以前に来た事があったのでスムーズに下降点が見つかった。30分程足場の悪いガレ場を下る。懸垂下降点を探すも、事前に聞いていたしっかりとした支点が見つからず、古いハーケン2本の支点を使用して懸垂下降した。
下降点から10m程中央稜側に回り込み上を見るとしっかりとした支点が見えたので、もっと奥に回り込めば目的の支点が見えたかもしれない。この時点で中央稜の3P目(4P目?)のテラスにT塚パーティーが見えた。

7時30分取り付きに到着。
先行で3人のパーティーが登攀していたが、かなりスムーズに登っていた。
15分後位にA山さんリードで登攀開始。

1P目?50m(A山リード)
階段状リッジを登る。下部はかなり岩がもろく丁寧に登る。
チムニーの中には手がかりが多そうだったが、チムニーには入らずロープに従ってレイバックで登る。
はじめてのアルパインコースでいきなりのレイバックに戸惑った。
また、後ろには2人と3人のパーティーがいたので、少し到着が遅れていたら渋滞に巻き込まれるところだった。

2P目?50m(A山リード)
事前に聞いていた核心部へ。簡単なリッジを上がり、カンテを左に回り込むとフェースと打ち並べられたハーケンが見える。
気合いを入れて登り始める。足のスタンスは取れるが右手が悪い。なんとかヌンチャクを回収しながら登ることが出来た。
フェースを越える時には、アンダーを取りながら登る。レイバックの次はアンダーとは・・・一番簡単と言われる中央稜でこれとは、先が思いやられる。
トポにはスラブとあるものが多かったが、フェースといった印象が強い。
(ここはカンテ沿いの登るルートもあり、そっちの方が簡単らしいが、今回のラインが一応正解のラインらしい。)

3P目?40m(I田リード)
難しくないガレ場を歩く。

4P目?40m(A山リード)
支点からやや右に回り込みながら凹角を登る。凹角を抜けると、小川山の”卒業試験”の様なフェースがあらわれる。
左側(フェース直上)と右側(凹角のルート)が見えるが、ダブルロープが一本づつ両側に伸びていてどっちを登ればいいか分からない。これは、自分でルートを選べというA山さんの試練なのか?など余計な事を考えながら、結局は左右左とトラバースぎみに登り詰める。
特にチムニーを越えるところが妙に難しく、中央稜の個人的な核心はここになった。しかし、A山さんの張り気味のロープに安心して登る事ができた。

5P目?40m(A山リード)
先行したA山さんが薄暗い滝谷から上に抜けるとちょうどA山さんに日が当たり、雨神様が晴神様に昇華したように見える。(気のせいでしょうが。)
凹角を上り詰める。ガバも豊富でそんなに難しくない。

上に行くと、T塚さんの声が聞こえる。最後はハンドジャムがバチ効きで上に乗り込む。
上に抜けるところまでなら支点からは20m程だった。
11時にドームの頭に到着。待って頂いたT塚さん、S藤さんを含めた4人で北穂テラスまで下る。

アルパインデビューとなった中央稜だったが、長く登山をしていてここまでテンションが上がったのは久しぶりだった。
一人登りながらこっそり「ウヒョー」と奇声を連発したくらい。最高のデビュー戦になりました。

フォローでも一杯一杯なのに、これにリードでルーファイやカムなど適切にランナーを取ることを考えると本当に沢山の練習が必要であると感じました。

最後に、前日の東壁ルンゼの疲れで絶対に行きたくなかった(と思われる)のに中央稜に連れて行ってくれたA山さん、本当にありがとうございました。