八ヶ岳西面クライミング 2010/2/11-13

アルパイン(雪山)

●11日(祝) 曇り後雨
諏訪南IC付近のコンビニで他会と合流。
福岡のピナクル山の会と大分の豊稜会が九州から車をぶっ飛ばしてきた。
片道10時間のドライブだが、5名で1人2時間の運転。我々は東京から2時間で来たので同じ計算だとか。
ちなみに今回の費用は往復交通費+共同食+ガス等で一人あたり8,900円。安いっ!!
この日は行者小屋にBCを張った頃から、雨が降り出し、中岳クーロアール、阿弥陀岳北稜とも中止。
長距離移動だったので、ちょうど良かったかも。早々に交流宴会に突入。
夜中12時頃までは雨だった模様。

●12日(金) 曇り後雪
【小同心右稜‐小同心クラック継続】 ★中退
A久‐S津(ぶなの会) T中-K島(ピナクル山の会)
6時BC発 ‐ 12:30小同心クラック基部 ‐ 14:00懸垂開始 ‐ 大同心稜下降 ‐ 18:00 行者帰着

小同心ルンゼに入って直ぐに左側の尾根(小同心右稜)へ上がりこむ。
スギ林を越え、2550m地点でロープを出す。岩稜+雪壁で2ピッチ。
その後の雪稜部はノーザイル。再度岩稜が現れ2ピッチで小同心基部にぶつかる。
モナカ雪の腰ラッセルに苦戦し、アプローチに6時間かかってしまう。
※このルートは初心者を連れた訓練にはちょうどよさそうでした。

小同心クラックはホールド、スタンスが豊富と聞いていたが、全て氷と雪に覆われ厳しい登りとなる。
ぶなの会Pが先に取り付かせてもらい、1ピッチ終了時点で14時。
終了点が目前だったけど、4人全員が抜ける事を考えるとタイムアウト。
懸垂で基部に戻り、大同心稜経由で帰着。12時間行動。

【石尊稜】
M田-S本-I丸(豊稜会+ピナクル)
6:00BC発-14:00 行者帰着

前日の雨のせいか下部岩壁、上部岩壁ともベルグラが張りつめ、
プロテクションも見つからず困難なクライミングを強いられた模様。
雪稜部は小同心右稜とは打って変わりほとんどラッセルなしだったとの事。

●13日(土) 晴れのち雪
【赤岳主稜】
S本-T中(豊嶺会+ピナクル)
6:00BC発-7:30取りつき-11:30赤岳頂上

一番乗りで取り付く。前日の石尊稜のイメージでかなり緊張して取り付いたが、
実際は雪の付き方が良かったようで、サクサク快適なクライミングだったとの事。

【ショルダーリッジ右】 ★転進
M田-K島-S津(豊嶺会+ピナクル+ぶな)

7:30ショルダー取り付き-赤岳主稜へ転進-赤岳頂上
取り付きは昨年私が取り付いたチムニーを目指したが、氷化して上がり込める状況で無かったとの事。
無理せず赤岳主稜へ転進し、問題なく完登。

【ショルダーリッジ左】 ★★ヒヤリハット有り
A久-I丸(ぶな+ピナクル)
7:30取り付き-12:20ショルダー

アプローチは文三郎道の途中から赤岳沢へ下りトラバース。
雨の後に雪が降ったので、雪崩を警戒していたが、実際はクラストしていて全く問題なしだった。
リッジ末端から潅木帯脇の雪壁を登ると、登山道からも見える大きな岩壁基部にぶつかる。
ショルダー左は雪壁と岩稜が2~3ピッチ毎に交互に現れ変化があって楽しい。
岩稜のセクションは痩せたリッジが続くが、残地ピンは皆無なのでプロテクションは全てピナクルでとる。
自分でルーファイし左右にリッジを乗り越えながら進む。
最後、右ルートと合流したあたりから傾斜は緩み、凍りついた小ピークを乗っ越すと縦走路にひょっこり飛び出して終了。
岩は痩せたリッジが続き高度感もあるが難しい所でも3級程度で、ショルダー右に比べると易しい。
今回は風が強くて飛ばされそうでしたが、登攀中は3日間で唯一の好展望を楽しめました。

【ヒヤリハット報告】事故未遂
リードで岩場のトラバース中に滑落し7~10m落ちてしまいました。
ランナウトは3m程度でしたが、50mほとんど一杯延ばしていた為、墜落距離が伸びました。

怪我:なし
状況:大きなピナクルがありピッチを切れる場所であったが、急傾斜かつ強風の通り道でピッチを切るには不快と判断。先を見ようとトラバースした際に滑落。
シュリンゲが残り少なかった為、そのピナクルにはランナーをとらなかった。
原因:雪の斜面に薄く雪が載っただけのスラブが隠れていた。一歩前までは雪が安定しており不安なく歩けたので油断した。

足から落ちたので恐怖はありませんでしたが、最後にアイゼンが岩に引っかかったのか体が反転し、頭が下になりました。
止まった時に、右足の靴が抜けそうな状態になっており、むしろその事の方がヤバイと思い、
腰を掛けられる小テラスまで数歩の登り返しは、靴を落とさないように細心の注意を払いました。
ビレイヤーは以前在籍していた会で充分に山行を共にしていた方ですので、全く不安はありませんでした。

まとめ:足元の雪の状態、雪の下の条件は目に見えないので、トラバースの際は一歩ずつ確かめる事。またランナーをとる事。

 

ぶなの会

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