頚城 明星山
P6南壁 フリースピリッツ
S藤(記)、他1(元会員 S藤)

いつかは行きたかったフリスピでしたが、ミョウジのカタカナ・ルートは去年のクイーンズウェイとマニフェストでモー懲り懲り、なっかなか思い切れないところに、元会員のS藤さんから「結婚記念日が延期?になったんで行こー!」って言われて、遂に行くことになりました。

結果は、6時15分の登り出しで、12時45分トップアウト、実質の最終ピッチは12時15分終了と、全16ピッチを凡そ6時間半で終えました。通い慣れた下降路は僅か50分、14時には翡翠峡の駐車場に戻ることができました。

ミョウジは遠い!新潟の下の端っこの糸魚川(テポドンの届く日本海)です。
ベースの翡翠峡には深夜1時着、即、寝たけど4時起床だから3時間睡眠でシンド。
朝、ブルブルに寒くてネムイ中、ぼーんやりと朝食を済ませて、5時半には、取り付き一番乗り、と思いきや、後続、ゾクゾク、トイレすらガマンして、執念でザイルを繰り出すも、石灰岩が朝露でチュルンチュルンに滑って、あー気持ちワルー。

そして、次の瞬間、その悪夢は、突然私を襲ったのでした。そーです、2ピッチメの終了とともに、激しく・・催してしまったのでした。
仕方ないので、ハーネス半オロシの窮屈な体勢で、眼下のクライマー達に見守られながら・・敢行しました。
振り返ると、雨飾、焼山、火打、高妻・・頚城の峰々が、茜色の朝焼けをキャンバスに泰然と連なっています。

さて、明星山P6南壁は<背中炙りのミョウジ>の異名をとるだけあって、晩秋といえども、真夏のような太陽が燦々と照りつけます。
ミニザックに入れたカカオマス99%のチョコレート(ビターな香りで美味しい!)がドロドロに溶け出して、背中が血マミレみたいになってしまいました。

そして、湿ってた岩はスッカリ乾いてしまったのでした。要するに、これで登れなかったら言い訳のしようがない、という窮地に追い込まれてしまったのでした。
強烈な高度感と露出感がミョウジのキモイところです。加えて、フリスピは、ルーファイがとても複雑です。下手に逃げるとノーピンで戻れなーい(゚〇゚;)みたいな悲惨なことになります。ルートミスの果ての墜落事故もあったと聞きました。
それで、じゃないけど、Ⅵ-のピッチは恐怖心に飲まれて、オロオロ状態でリードは遠慮させられてしまいました。しかしながら、フォローの分際で、偉そうに申し上げて、大変申し訳ないのですが、いわゆるワンポイント5.8じゃんといった偉そうな感想でした。でも、どのピッチもリードは緊張しまくります。

なんたって、ピンはボロいし少ないし、ガバは所々ユラ~ッて動くし、絶対に落ちられんのです。 
噂の<梅干岩>のクライムダウンも、なかなかに恐ろしかった、けど、それにもまして<パノラマ・トラバース>は(屏風雲稜の核心のトラバリに匹敵かそれ以上に)スンゲー恐ろしかった。実質の最終ピッチはフリクラで9か10aはないかなー?
辛抱たまらずA0コキまくり&ピン踏みまくりの渾身のチョンボで抜けました。

今回の勝因は、パートナーのS藤さんの冴えわたるルーファイとスピートの賜物でした。
また、人工がないぶん、唐幕や屏風に比べると、随分なハイペースで登ることができました。
我々の後続は、ガイド本のグラビアなんかで一方的に顔見知りの保科雅則さんでしたが、保科さんは実に紳士的で煽り一切なしでした。
私と同い年なのに、ウマイ、ハヤイ、カッコイイでした。

ところで、明星山(クライマーの間で通称「ミョウジ」)は勇さんの故郷の山です。  
勇さんによると<明星山>は「みょうじょうやま」と読むのが正しくって「ミョウジ」みたいに友達言葉で馴れ馴れしく呼び捨てにするのは絶対にダメェーーー!!!。