別山谷 カラスノ谷&箱谷左俣 2021/9/19-20&25-26

①尾上郷川 別山谷 カラスノ谷

9/19(日)
6:30 登山口-8:00 神鳩ノ宮避難小屋-11:30 別山谷-17:20 二俣先C1

6:30に石徹白登山口を出発。神鳩ノ宮避難小屋からメインの登山道を外れて右手に進むことになるが、地図上では線があるものの実際はただの藪、無理やり藪を漕いでブナゴヤ谷へと入る。ブナゴヤ谷は序盤は歩きやすいが、中盤で大量の倒木がつまったエリアがあり、非常に歩きづらい。また、下部はゴルジュ帯で大変なので尾根をまたいで右手の沢に移るのがセオリーとのことだったが、こちらも藪が濃くて難渋する。熊の痕跡もちらほら見かけつつ、源頭から3時間ほどかけてようやく別山谷に降り立つ。


別山谷は穏やかで美しい流れ、特に難所もなく、開放的な河原歩きでモミクラ谷の出合へ。ここから本流はカラスノ谷と名前を変え、沢も徐々に両岸が切り立ってくる。前日に通過した台風の影響で増水気味だが、連瀑帯に入っても基本的に登れる滝が続き楽しい。丸い岩のCS小滝は白泡が激しいが、水中に入れば足場が続いており、左のスリットをずり上がることができる。一つ目の大滝は左岸から巻き、藪はやや濃いめだが特に問題なく、懸垂下降なしで沢底に戻ることができる。その後の小滝は一見登れそうだが、ワンムーブ水圧が強過ぎたので左岸から巻く。しかし一見簡単そうだが、ザレ気味で高度感もあり滝を登っておけばよかったと反省。この谷はあまり安易に巻きの選択を取らない方がよい。


二つ目の大滝も登り様がないので、同じく左岸巻き。その後は快適に登れる滝が続いて楽しい。ゴルジュの入り口の滝は右壁から登れるが、その後のゴルジュは水量多めで、右岸から巻き気味に越える。
クライマックスは岩壁の中に端正な姿で佇む10m滝。ホールドが明瞭だが、途中壁が立ってくるので少々気合が必要。支点を取れるところがなかったので、少し離れた左手の水線沿いカムをキメて登ったら、パートナーが回収に苦労した様で滝の登りよりも大変だったとクレームを入れられた。
本日はこの先の二俣を少し越えたあたりで幕営。夜おそくまで焚火に励む。

9/20(月)
5:40 C1-8:10 別山-9:50 三ノ峰-11:50 銚子ヶ峰-13:45 登山口

翌日は4時起床、谷はガスに覆われているが、この後回復するらしいので期待しながら進む。
二俣から先は特に難しい滝もなく、顕著な滝も一つあったぐらいですぐに大平壁に到着。
大平壁は少し左手から取り付き、2~3級の斜面をノーロープで登る。天気も回復し始めて視界も良好。登山道を歩くハイカーから声援をかけられながら登る。適度な緊張感で、素晴らしいロケーションを堪能。徐々に傾斜が上がってくるが、特にロープを出すこともなく上部の草付きに到着。後はゆっくりと山頂まで詰め上がる。

山頂では声援をかけてくれたハイカーの方が、到着を待ってくれていた。別山山頂からは白山本峰もよく見え、素晴らしい展望を満喫。草紅葉も進み始めており、周辺は秋の雰囲気が漂う。
下山時、別山平から大平壁を振り返ると中々迫力があり、余韻に浸ることができる。この辺りは西面の森の雰囲気が素晴らしい。後はアップダウンを繰り返しながら、三ノ峰経由で銚子ヶ岳へ。美しいぶな林を抜け、大杉様に挨拶をして下山。

今回は行動時間の半分以上(約10時間)がアプローチと下山に費やすという行程だったが、カラスノ谷は河原・滝・高巻き・ゴルジュ・岩壁と、沢の様々な要素がバランスよく詰まった名溪で、苦労して訪れる価値のある沢だった。 今度は尾上郷川の下流部を自転車で訪れてみたい。


②湯谷 別山谷 箱谷左俣

9/25(土)
8:30 登山口-11:00 箱谷出合-12:40 箱谷左俣出合-16:00 別山-18:00 南竜ヶ馬場野営場C1

出発が遅かったので8時過ぎに白水湖畔に到着。ハイシーズンということで駐車場は多くの車で埋めつくされている。白水湖畔ロッジで行き先を伝えた後、白水湖の左岸を進む。林道沿いに進んでいたら少し地獄谷の方に行き過ぎてしまった。バックウォーターまでは基本的に水につからずに進めるが、斜面がざれているので少々歩きづらい。湯谷は奥利根を思い出させる雰囲気で、山抜けの跡を横目に奥へと進み、曲り谷を見送ったところで別山谷に入る。


基本的に箱谷までは河原歩き。箱谷に入ると少し滝はでてくるが、特に難所もなく爽やかな渓相。左にカーブしながら沢を進むと前方上部に険しい岩峰が見えて来る。どうやらここが箱谷の核心部の様だ。
徐々に箱谷左俣の出合に近づくものの、明確に分かるポイントがなく、本流沿いの直登できない小滝を右壁から草付きを交えて登った後、ようやくそれと気付く。左俣の出合は水が流れておらず、ただの壁になっている様だ。気を取り直して、左にトラバースして左俣に入る。振り返ると右俣が強烈な山肌を露出して聳えており、圧巻の風景。
左俣は河原状かと思いきや、すぐに洞窟状の25m滝が行く手を阻む。ここは右岸のルンゼを登って大高巻き。懸垂で沢底に戻ると一気に傾斜も落ちて、核心を抜けた様な雰囲気。実際、ここから先は少してこずる小滝が2~3つ出てくる程度だった。


5m滝は左手から巻くが、草付きが少し悪かったので油断大敵。徐々に荒々しさを増す斜面に囲まれながら楽しく進む。次の5m滝は左岸から巻くが、降り口がやや高度感があったので、念のため上部の立ち木から斜め懸垂。
沢はさらに荒々しさを増し、狭まった沢型に予想していなかった雪渓が姿を現す。一瞬緊張したが、安定した雪渓で特に問題もなく進むことができて一安心。
最後は二回の別山谷遡行の際、下山時に眺めた爽やかな草原の中を詰め上がる。
小振りなハイ松を漕いで、16時過ぎに別山到着。前回の登頂から僅か五日ぶり。夕暮れ時の雰囲気の中、秋を感じさせる冷たい風がなんとも心地よい。しかしまだ南竜ヶ馬場まで2時間歩く必要があるので、ゆっくりしていられない。草紅葉と曲が谷源頭の大屏風の眺めを楽しみながら18時過ぎに幕場着。

9/26(日)
6:40 C1-9:10 大倉山避難小屋-10:40 大白川登山口

翌日は5時起き、雨が結構降っているので、ゆっくりと出発。本日は登山道を下るだけのまったり行程だが、秋の冷たい雨で身体が冷える。大倉山避難小屋でゆっくりお茶を飲んだりして、幕場から約4時間で下山。
まだまだ時間が早いので、MIBOROダムサイドパークに立ち寄り観光。このエリアは何度も訪れているが、御母衣ダム建設にまつわる経緯や荘川桜のエピソードなどを今更ながらに知り感慨に浸った。思い出にダムカードを頂いて帰宅。


~ 別山谷まとめ ~
別山には山頂を囲んで三つの別山谷が存在している。昨年登った西面 / 牛首川の別山谷(岩屋俣谷)、今回登った南面 / 尾上郷川の別山谷(カラスノ谷)、北東面 / 大白川湯谷の別山谷(箱谷)である。
別山谷(岩屋俣谷)は上部の大岩壁に挟まれたV字谷、カラスノ谷は大きな広がりを持った大岩壁、箱谷は雪渓に削られたU字谷がそれぞれ印象的で、同じ山ということを感じさせる共通した部分を持ちながらも、独自の特異な景観を有しているのが面白い。
また、同じ山を様々な方面の沢から登って味わうというのは沢登りの一つの楽しみ方で、その山を深く知ることができるアプローチであるが、それが同じ名前の沢というのはより一層味わい深い。
今度はこの三つの沢の上流部を山スキーで続けて滑ってみたい。

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