爺ヶ岳 冷尾根 2011/4/16-17

アルパイン(雪山)

爺ヶ岳 冷尾根

■メンバー
L A久・K玉・N村(記)

■タイム
4/16 8:00 大谷原登山口~小冷沢~冷尾根~1,900付近で幕営 
4/17 幕営地~北峰~2,488のコル~西沢~大谷原

 

GWの北方稜線の訓練山行として、爺ヶ岳冷尾根に行って来ました。

4/16
7:00大谷原登山口。鹿島槍東尾根を登る人たちで賑わっているのだろうか、10台ほどの車が止まっていた。最後に来た黒い多摩ナンバーの車から、手足がスラリと長い女性が颯爽と降りて来た。長い髪がふわりと朝日で光ってまぶしい。まるで妖精のようだ。
8:00東尾根に行く方々を送り出し、最後に出発。しばらくは沢沿いを歩く。1度徒渉した後、1,663のピークを目指して尾根に乗る。出だしはぐずぐずの腰ほどまでの雪をラッセルだが、後はふくらはぎ程度の深さ。1時間ほどで雨と雷が強くなったため、テントのフライをタープにし、雨が弱まるのを待つ。午後から崩れるとの天気予報は前倒しになったようだ。1時間ほど雨宿りをした後、11:00頃出発。

久々の歩きでラッセルもままならず、無駄にずぼずぼとハマるため、A久Lから「足はまっすぐ、ずっしりと置くのだよ」と教わった。まるで人生のような教えだ。樹林帯の途中で単独の男性と一緒になる。13:30稜線。稜線からは程よくしまった雪が歩きやすい。14:00過ぎ行動終了。単独の男性はもう少し先まで行ってみるとのことで出発した。一方我々は整地するもテントが入り切らず、再整地、安住の地を得た。時折、外に出て単独の彼の姿を見つけては安堵する。彼がひとり頑張る頃、我々はもちろん宴会だ。

 

4/17
5:30出発。前日の彼のトレースがあるのでラクチン。が、雪稜デビューの私自身は、この一歩を踏み外すと、永遠のさよならへの一歩となるのかと思うと、おちおち景色など見ていられない。これをナイフリッジと言うのか~と目の前の切れたった雪を見て思いながら、前を歩くK玉さんの足跡をストーカーばりに必死で追うばかりだ。たまに後ろを振り返ると、雲海が朝日で光る彼方に戸隠やらが見え、A久Lがやたらとかっこ良く見えた…!いよいよロープの出番だ。が、K玉さんが持って来てくれたロープは残念ながら30Mだった。

1P目は70度くらいの斜度、程よく雪がしまっているので初心者の自分でも3番手でとりあえず大丈夫。2P目はややトラバース気味。2P目を切った所に、大変なお土産があった。色は茶色。お土産はどうやら、昨日の単独行の方が体内から振り絞られた物のようだった。なぜここで…と問わずにはいられない。気を取り直して3P目、支点を取れそうな木まで少し進む。最後の4P目は9:00頃だったため、雪はぐずぐず、足もピッケルも吸い込まれてしまいそうだ。1,2P目より傾斜もあり、最上部は少し乗越もあった。最後は北峰までコンテで行き、北峰に到着、大休止だ。天気は快晴で、ピークからはGWに行く劔がとてもよく見えた。

下山は赤岩尾根を下るため、2,488のコルを目指しているとコルに人影が。よく見ると前日の妖精のようだ。急にA久Lのペースが速くなった。どうやら妖精は冷尾根を登る私たちに手を降ってくれたそうだが、まったく気がつかなかった。妖精曰く「気がつかないなんて、愛が足りないのよ」と。

一見やさしそうに見えた赤岩尾根は、降りてみると意外と傾斜があったり、トラバース気味だったりと、時間が掛かりそうだったため、途中から沢沿いに下りた。沢も沢で、何度も足を取られるため途中で嫌気がさしてきたけれど、傾斜が緩い分まだマシと言ったところだろうか。途中からA久Lはスコップ尻セード、スコップ無の私は尻セードトレース泥棒で滑り下り、ようやく大谷原登山口まで下山。

その後、大町温泉郷に寄ると、妙にK玉さんとA久さんの財布が軽そう。二人して「あれ?こんなにお金なかったっけ?」と首をかしげている。色々考えてみたが、どうやら車上荒らしにあったんじゃないかという結論に至った。まさか妖精が手を振ってくれたのは「お金ありがとう~!」の意味!?ではないだろうけれど、車上荒らしには要注意だと実感。

初めての雪稜は、久々の歩きだったため、ゼーゼー言いながらお二人に着いて行くのが精一杯といったところでしたが、A久L&K玉さんのお二人には本当にお世話になりました。どうも有り難うございました。今回は、歩く登るといったこと以外にも印象深い出来事が多く、個人的には忘れられない山行になりそうです。

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