唐沢岳幕岩 左方ルンゼ 2008/3/22-23

アイスクライミング

L,S山W、Ⅰ藤K太、S津A子(記)、K島K世

3月22-23と北アルプス唐沢岳幕岩左方ルンゼに行ってきました。メンバーは、L,S山W君、Ⅰ藤君、K島さん、S津の4人。W君から遠いゲレンデの感覚だよと言われ、だったら大丈夫かも!と思い参加を決意。
マルチは練習していましたが、W君以外アイス本ちゃんデビューの三人。いきなり唐幕左方ルンゼに行くの?と思われた会員の方は多数いると思います。

 

■3/22(土)晴れ;アプローチ
葛温泉10:00~高瀬ダム下~大町の宿15:30

金曜の夜立川23時出発、大町の道の駅に着いたのが2時半過ぎで、寝たのが3時過ぎ、次の日がアプローチだけなのでゆっくり出発でOKと言うことなので7時過ぎに起き、すき屋で朝食を食べ、葛温泉にいざ出発。
葛温泉から高瀬ダムまで全く雪はなし。なぜ車で入れないのーと思いつつ道端で春の恵、ふきのとうを採取し(いい香り)、気を紛らわしながら進む。

高瀬ダムから身支度を整え唐沢を詰めて谷に入っていくと、堰堤に梯子がかかっている。でもこれは、水につからないと行けないかも?・・・前のPは、何とか越えていった。私達もストックがあれば大丈夫とW君が力強く言ったので恐る恐るストックを突きながらへつっていった(ホっと)。

しばらくすると金時の滝。傾斜がきつくなり、岩も出てきたが、尾根に上がる手前にロープがフィックスしてある。谷にもどり沢を詰めていくとワシの滝が現れる。このあたりで今日の水1人2.5リットルを担ぐ(う、お重たい)。もうこのあたりになると幕岩が迫力満点(いつかこの岩場に来れる日が来るのだろうか!!!)。

もう15時をまわってしまうので取り付きを見に行くのをやめて大町の宿をさがす。結構時間がかかってしまったが探して正解、快適な宿でした。 この日は暖かかったので、外で夕飯を食べられるほど。明日の為、早めに就寝!

 

■3/23(日)曇り;登攀
出発4:30~取り付き5:45~登り出し7:00?~7P目終了11:30~B沢出合(TRで遊ぶ)13:30-15:30~ダム下~駐車場18:50

2時半起床、準備を整え荷物を帰り道にデポし、デブリのあるB沢を詰めて行く。
今回は、W君-S津、Ⅰ藤君-K島さんのオーダー。

左方ルンゼ出合に着くと核心の2P目の滝に先行Pが取り付こうとしていた。WPも1P目は、大丈夫そうなのでそのままノーロープで行く。氷のしっかりした場所でスクリューをセットし、セルフビレーをしてロープを出そうとしていたら上から落氷の嵐・・・なんだかいっぺんで氷嫌いになってしまいそうな(立ち位置が悪かったんですけれどもねー)。

セルフビレーの位置を変えロープをセットしているとW君に「どうする?」と聞かれたのでなんだか登れそうに見えたので、「リードしようかな!」と言ってたが、ロープが絡まっていてなんだかとっても焦ってしまう。W君がもう一度「どうする?」と聞いてきたので「もーどっちでもいいよー」と「じゃあ行かせてもらおうかなー」と言ったのでリードしてもらう。

この2ピッチ目(W)、氷がボコボコしていて登りやすそうに見えたが実は結構難しかった。内心リードしなくて良かったーと思う!W君との背の高さの違いでしょうか、取りにくい位置のスクリューがあって四苦八苦。
3ピッチ目(S津、)70度ぐらい?の滝を越え緩い傾斜のナメ。残地支点を使用してビレー。後ろを見ると高瀬ダムが見え気持ち良い。
4ピッチ目(W)、快適なナメ。
5ピッチ目(S津)、結構ここは、いろいろとルートが取れそうで楽しい所。75度~85度ぐらい?これ位の傾斜は、安心して快適に登れて楽しい(*^。^*)潅木でビレー。
6ピッチ目(W)、長ーいナメ。
7ピッチ目(S津)、少し氷を登ると雪となって潅木でビレー少し平らな所まで登って無事登攀終了(10時)。


あとは、Ⅰ藤Pをまって踏跡を辿って戻るだけ。1時過ぎにはデポ地点の戻れるだろうとWくんと話していたら・・・なかなか来ない・・11時半頃到着。今日は、あったかくて良かった!。
皆揃った所でB沢下降の為、谷、尾根を越えてトラバース開始。途中雪崩そうな箇所が有り少し離れながら慎重に行く。B沢の下りは、けっこう傾斜がきつい所もあったが何とかそのまま下りられた。

左方ルンゼの取り付きに戻り、荷物を回収し、WくんとK島さんを待っていたら、左方ルンゼのほうから大きな雪崩・・・Wくんが駆け下りながらやってきた。今の雪崩で流されたんじゃないかと思ってだ! 少し早かったらたぶん巻き込まれていたと思うとぞっとする!。登攀中も小さい雪崩はあったのですが、こういう所がゲレンデ氷との違いの一つで、ただ登れるだけではダメ。いろんな判断が出来ないといけない所ですね。

帰り道で、少し時間があったので途中にある氷爆でみんなでトップロープにして遊ぶ。ちょっと遊びすぎてしまったのか車戻りが18:30を過ぎてしまった。それにしても長ーいトンネル、薄暗くなると気持ち悪いです。それに途中で人の話し声が聞こえたような・・・


まだまだ氷も登り込まないとだし、雪山に行って、いろんな判断をする目も磨かないと、ですが、ただ連れて行ってもらうというより、この4人で行って帰ってこれた(条件が良かったのかも!)ということが今の私にとって大切なような気がします(人に頼り切らない自立した山やを目指して)。いろいろ有りましたが、このルート、景色も良く楽しいルートなので、アイス本ちゃんデビューとしては、打って付けのような気がします。

■今季の集大成・・・・・・ K島K世
Wさんに声を掛けていただき参加した左方ルンゼ。計らずも、今季始めたアイス&雪山の集大成になりました。

丸1日かけてのアプローチにはじまり、雪山でのテント泊、質の違う氷に、バーティカルも部分もあるアイスクライミング。ひよってF2のリードをⅠ藤君に交代して貰ったのが唯一残念な点でしたが、スクリューの効きを確かめ、好きなラインを選び、ツルベで登れて、本当に楽しく勉強になった山行でした。

取り付きまで戻ってきた直後、登ったばかりのルートで雪崩があったのにはビビリました(S津さん、Ⅰ藤君が埋もれなくて良かった。。。)。来季は体力をつけ、雪山経験を積み、アルパインアイスに行きたいという目標が見えた山行になり、その意味でも自分にとって良い山行になりました。有難うございました。
 

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